94 / 123
9 本当の夫婦になりました。
9-3 ありのままで
しおりを挟む
9ー3 ありのままで
夕方になって辺りが薄暗くなる頃、アメリは、家に帰ってきた。
「ただいま!」
俺は、ぱんぱん、と自分の頬を叩いて気合いを入れた。
やるぞ!
俺は、やってやる!
部屋で待っているとアメリが駆けてくる足音が聞こえて、俺は、くすっと思わず笑っていた。
アメリ。
かわいくて、かわいくて。
俺の弟みたいな、アメリ。
大きくなってからは、少し、怖いと思ったこともあったけど、いつも優しい、いい子だ。
俺の。
大好きなアメリ。
俺は、深呼吸をした。
アメリは、俺の部屋へとやって来るといつものようにノックもせずにドアを開けて、そして。
「レン!ただい、ま・・」
なぜか、アメリは、フリーズしていた。
俺も、アメリが動きを止めてしまったのでどうしたらいいのかわからなくなった。
えっと。
俺たちは、じっと見つめあったまま長い沈黙が流れた。
「あ、の・・」
俺は、思いきって震える声でアメリに話しかけた。
「おかえりなさい、アメリ」
「うん」
アメリは、頷くと俺にきいた。
「どうしたの?レン。その格好」
うん?
俺は、裸にレースのエプロンをまとってアメリの足元に正座してアメリを見上げていた。
「え、っと、あの・・お風呂にする?ご飯にする?それとも・・その・・お、れ、にする?」
「レン?」
俺は、アメリに呼ばれて顔をあげた。
すると、アメリは、俺の顔を見て吹き出した。
「レン、その顔、どうしたの?」
「えっ?」
俺は、アリストリアさんの監修のもとがんばってメイクしていたのだ。
目は、パッチリと、頬は、恥じらいに赤く染めて、唇は、情熱を秘めた赤で。
「へ、変、かな?」
「うん、変」
アメリは笑いながら答えた。
俺は、舌打ちした。
何が、
「これでアメリちゃんもメロメロよぉ」
だ!
嘘つき!
「俺、ちょっと顔を洗ってくる!」
俺は、立ち上がると風呂場へと向かおうとした。
が、アメリは、俺の腕を掴んで抱き寄せると俺の頬にキスをした。
ほわっと暖かくなって、アメリが生活魔法を使ったことがわかった。
「レンは、いつものレンの方がいいよ」
「マジで?」
俺が、おどおどときくと、アメリは頷いた。
「うん」
夕方になって辺りが薄暗くなる頃、アメリは、家に帰ってきた。
「ただいま!」
俺は、ぱんぱん、と自分の頬を叩いて気合いを入れた。
やるぞ!
俺は、やってやる!
部屋で待っているとアメリが駆けてくる足音が聞こえて、俺は、くすっと思わず笑っていた。
アメリ。
かわいくて、かわいくて。
俺の弟みたいな、アメリ。
大きくなってからは、少し、怖いと思ったこともあったけど、いつも優しい、いい子だ。
俺の。
大好きなアメリ。
俺は、深呼吸をした。
アメリは、俺の部屋へとやって来るといつものようにノックもせずにドアを開けて、そして。
「レン!ただい、ま・・」
なぜか、アメリは、フリーズしていた。
俺も、アメリが動きを止めてしまったのでどうしたらいいのかわからなくなった。
えっと。
俺たちは、じっと見つめあったまま長い沈黙が流れた。
「あ、の・・」
俺は、思いきって震える声でアメリに話しかけた。
「おかえりなさい、アメリ」
「うん」
アメリは、頷くと俺にきいた。
「どうしたの?レン。その格好」
うん?
俺は、裸にレースのエプロンをまとってアメリの足元に正座してアメリを見上げていた。
「え、っと、あの・・お風呂にする?ご飯にする?それとも・・その・・お、れ、にする?」
「レン?」
俺は、アメリに呼ばれて顔をあげた。
すると、アメリは、俺の顔を見て吹き出した。
「レン、その顔、どうしたの?」
「えっ?」
俺は、アリストリアさんの監修のもとがんばってメイクしていたのだ。
目は、パッチリと、頬は、恥じらいに赤く染めて、唇は、情熱を秘めた赤で。
「へ、変、かな?」
「うん、変」
アメリは笑いながら答えた。
俺は、舌打ちした。
何が、
「これでアメリちゃんもメロメロよぉ」
だ!
嘘つき!
「俺、ちょっと顔を洗ってくる!」
俺は、立ち上がると風呂場へと向かおうとした。
が、アメリは、俺の腕を掴んで抱き寄せると俺の頬にキスをした。
ほわっと暖かくなって、アメリが生活魔法を使ったことがわかった。
「レンは、いつものレンの方がいいよ」
「マジで?」
俺が、おどおどときくと、アメリは頷いた。
「うん」
11
お気に入りに追加
769
あなたにおすすめの小説


お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。

【完結済み】準ヒロインに転生したビッチだけど出番終わったから好きにします。
mamaマリナ
BL
【完結済み、番外編投稿予定】
別れ話の途中で転生したこと思い出した。でも、シナリオの最後のシーンだからこれから好きにしていいよね。ビッチの本領発揮します。
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる