58 / 123
6 体から始まる恋ですか?
6-1 男の嫉妬ですか?
しおりを挟む
6ー1 男の嫉妬ですか?
俺の初染めの儀は、それから3日後の新月の夜に行われることになった。
グーリスのくそじじいは、そのままやる気満々だったんだが、俺があまりにびびりまくってたせいでアメリの他の4人の男たちが手を出しづらくなっていたらしい。
そこでじじいの奴は、儀式を3日後に伸ばすことにしたというわけだった。
その日は、俺は、自分の部屋に戻って休むことが許されたんだが、結局、一睡もできなかった。
翌朝、何事もなかったかの様に俺のもとへと顔を出したイーサンを睨み付けて、俺は、トゲのある言葉をぶつけた。
「よく顔を出せたな、イーサン。この裏切り者が!」
「はい?」
イーサンは、すっとぼけた様子で俺にきいてきた。
「なんのことですか?レン様」
「とぼけるな!昨日の、あの・・俺の・・」
「お初染めのことですか?」
イーサンが事も無げに言ってのけたので、俺は、かぁっと頭に血がのぼって声を荒げた。
「よくも、ぬけぬけと!」
「仕方がありません」
イーサンは、しらっと答えた。
「長老のご命令には、逆らえませんから」
「何が、長老のご命令には、だよ!」
俺は、イーサンの胸ぐらを掴んだ。
「お前は、この世界の全てから俺を守ってくれるんじゃなかったのかよ?」
「だから」
イーサンは、俺を冷ややかに輝く深いブルーの瞳で見つめた。
「あなたが悪いのです、レン様。私を選べなかったあなたがいけない。私を選んでくれさえすれば、私があなたをこの世の全てのものからお守りすることができたのに。あなたは、私を選ばなかった」
「それは・・」
俺は、ふぃっと目をそらせた。
だって。
仕方ないじゃないか!
5人とも仮面をつけててどこの誰かもわからなかったんだから。
俺がそう言おうとしたとき、イーサンが自分の胸元を掴む俺の手をふわっと握りしめた。
「覚悟してください、レン様。男の嫉妬は、怖いものですからね」
はい?
イーサンは、両手で包み込んだ俺の手にそっと口付けて上目使いに俺を見た。
「愛しています、レン様」
そうしてイーサンは、いつもと変わらない顔で俺の世話を焼き始めた。
俺の初染めの儀は、それから3日後の新月の夜に行われることになった。
グーリスのくそじじいは、そのままやる気満々だったんだが、俺があまりにびびりまくってたせいでアメリの他の4人の男たちが手を出しづらくなっていたらしい。
そこでじじいの奴は、儀式を3日後に伸ばすことにしたというわけだった。
その日は、俺は、自分の部屋に戻って休むことが許されたんだが、結局、一睡もできなかった。
翌朝、何事もなかったかの様に俺のもとへと顔を出したイーサンを睨み付けて、俺は、トゲのある言葉をぶつけた。
「よく顔を出せたな、イーサン。この裏切り者が!」
「はい?」
イーサンは、すっとぼけた様子で俺にきいてきた。
「なんのことですか?レン様」
「とぼけるな!昨日の、あの・・俺の・・」
「お初染めのことですか?」
イーサンが事も無げに言ってのけたので、俺は、かぁっと頭に血がのぼって声を荒げた。
「よくも、ぬけぬけと!」
「仕方がありません」
イーサンは、しらっと答えた。
「長老のご命令には、逆らえませんから」
「何が、長老のご命令には、だよ!」
俺は、イーサンの胸ぐらを掴んだ。
「お前は、この世界の全てから俺を守ってくれるんじゃなかったのかよ?」
「だから」
イーサンは、俺を冷ややかに輝く深いブルーの瞳で見つめた。
「あなたが悪いのです、レン様。私を選べなかったあなたがいけない。私を選んでくれさえすれば、私があなたをこの世の全てのものからお守りすることができたのに。あなたは、私を選ばなかった」
「それは・・」
俺は、ふぃっと目をそらせた。
だって。
仕方ないじゃないか!
5人とも仮面をつけててどこの誰かもわからなかったんだから。
俺がそう言おうとしたとき、イーサンが自分の胸元を掴む俺の手をふわっと握りしめた。
「覚悟してください、レン様。男の嫉妬は、怖いものですからね」
はい?
イーサンは、両手で包み込んだ俺の手にそっと口付けて上目使いに俺を見た。
「愛しています、レン様」
そうしてイーサンは、いつもと変わらない顔で俺の世話を焼き始めた。
21
お気に入りに追加
752
あなたにおすすめの小説
専門医の異世界派遣。俺の職業は医者だったはず…。【R18】
カヨワイさつき
BL
とある総合病院で働いていた29歳の野上麗夜(のがみ れいや)。過労死寸前だった息子を見兼ねた院長(父)に研修を兼ねての派遣を命じられてしまう。条件は1日8時間以内の勤務、完全週休2日以上だった。それを破るとペナルティーが課せられるらしい……。
お兄ちゃんと僕のラブラブおっぱいライフ
宗形オリヴァー
BL
優太は年の離れたお兄ちゃんと二人暮し。
頑張ってお仕事してくれてるお兄ちゃんのために出来ることは、炊事洗濯家事おっぱいなのです...!
仲良し兄弟のほのぼのアットホームエロ!
☀️弟溺愛スケベお兄ちゃん × お兄ちゃん大好きピュア弟☀️
異世界転移したら何故か獣化してたし、俺を拾った貴族はめちゃくちゃ犬好きだった
綾里 ハスミ
BL
高校生の室谷 光彰(むろやみつあき)は、登校中に異世界転移されてしまった。転移した先で何故か光彰は獣化していた。化物扱いされ、死にかけていたところを貴族の男に拾われる。しかし、その男は重度の犬好きだった。(貴族×獣化主人公)モフモフ要素多め。
☆……エッチ警報。背後注意。
さつまいも🍠こみゅにけ~しょん♂~元ヤンオヤジとねっとりH~
宗形オリヴァー
BL
ケンカ上等のヤンキー青年・佐津間卓琉(さつま・たくる)は、元ヤクザのおじさん・佐津間兜人(さつま・かぶと)と二人暮らし。
そんな家族未満親子以上の二人の関係は、ある事情から卓琉が兜人に対して屈折した態度を取るようになりギスギスしたものになっていた。
やりきれない日々が続く中、卓琉はおじさんの未洗濯パンツで自慰に耽っていたところをバッチリ兜人に目撃されてしまって…!?
カラダの奥までねっとり味わうさつまいもの味は、二人の関係をどう変えるのか?
元ヤクザ巨根オヤジ×反抗期脳筋ヤンキーのHなコミュニケ~ション、開始っ!
【完結】予想外の異世界で俺は第二の人生を生きることになった
オレンジペコ
BL
死のうと思っていたのに、何故か異世界に召喚された主人公のお話です。
初投稿です。
誤字脱字報告は嬉しいですが、感想はお手柔らかにお願いいたします。
R-18は保険。
そのうちそういうシーンが入るかな~という希望的観測です。
予めご了承ください。
*****
アクアブロンシュタルト王国に突如訪れた悲劇。
氷漬けにされた国王や重鎮達。
一体誰が何の目的でそんなことをしたのか?
これはそんな不幸に見舞われ、父の跡を継いで急遽宰相職に就いた男と、
召喚で呼び出されたはいいものの、仲間だったはずの聖女に逃げられて日本に帰れなくなった勇者と、
そんな二人を仕方がないなぁと思いつつ手助けすることになった主人公のとりとめのない話である。
神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。
篠崎笙
BL
保育園の調理師だった凛太郎は、ある日事故死する。しかしそれは神界のアクシデントだった。神様がお詫びに好きな加護を与えた上で異世界に転生させてくれるというので、定年後にやってみたいと憧れていたスローライフを送ることを願ったが……。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
大魔法使いに生まれ変わったので森に引きこもります
かとらり。
BL
前世でやっていたRPGの中ボスの大魔法使いに生まれ変わった僕。
勇者に倒されるのは嫌なので、大人しくアイテムを渡して帰ってもらい、塔に引きこもってセカンドライフを楽しむことにした。
風の噂で勇者が魔王を倒したことを聞いて安心していたら、森の中に小さな男の子が転がり込んでくる。
どうやらその子どもは勇者の子供らしく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる