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3 奇妙なトライアングル?

3-4 男の純情

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                     3ー4   男の純情

   「ご機嫌だね、レン」
   「ああ?」
    俺は、声の方をなにげに振り向いた。
   すると、俺の横には、アメリの奴が横たわっていた。
    裸で。
   ええっ?
    俺は、信じられずに二度見してしまった。
   うん。
   気のせいとかじゃない。
   俺は、アメリに向かって訊ねた。
   「なんでお前がここにいる?」
    「だって、もう、お乳の時間なのにレンが起きてこないから」
    はい?
   俺は、小首を傾げた。
   なんですと?
  「もう、お前、乳なんて必要ないだろ?」
   「ううん」
    アメリは、にっこりと無邪気に微笑んだ。
   「体は大きくなったけど、まだ、マナは足りないから、レンの乳を飲ませてもらわなきゃダメなんだ」
    マジですか?
   俺は、かき合わせた夜着の前をはっと見た。
   「お前、まさか」
    俺が恐る恐るきくと、アメリは、実に可愛らしく俺を見上げた。
    「うん。レンが寝てるうちにお乳をもらっちゃった」
    アメリは、えへっと笑った。
   「レンたら、すっごく気持ち良さそうに悶えてたし、それに、お漏らしまでしちゃって、かわいいんだ」
    俺は、かぁっと顔が熱くなった。
   そのとき、寝室の扉が開いてイーサンが駆け込んできた。
   「やっぱりここか!」
   イーサンは、足音も荒く俺たちのいるベッドへと歩み寄ってくるとアメリに向かって言った。
    「神子よ、乳父の寝込みを襲うとは情けない。そのような品位の欠片もないことをされては困ります」
    「お前のやってることは、品位があるのか?犬」
    アメリは、イーサンにきいた。
   「いつも、俺に乳を吸われて気を昂らせてるレンのことを弄んでいるくせに」
   「そ、それは」
   イーさんがその美しい顔を朱に染めて口ごもった。
    「その、あれは、レン様が苦しんでおられるのを見ておれずに、つい、手をお貸ししているだけで、他意は、まったくない」
     マジかよ?
    俺は、なんだか急にムカついてきた。
   なんだか、胸がもやもやする。
   変だな。
   俺、もしかしたら、ヤバい病気かなんかなのか?
   「ちょっと、2人とも着替えたいから出ていってくれるかな?」
    俺は、低い声で2人の方を見ることもなく続けた。
   「ええっ?」
    アメリが俺に訊ねた。
   「今日の乳は?」
    「んなもん、無しに決まってるだろうが!」
    俺は、2人を部屋から追い出すとベッドに腰かけて溜め息をついた。
   そうか。
   俺は、なんだか泣きそうな気分だった。
   他意はなかったのか。
   俺は、座ったままベッドへと倒れ込んだ。
   あんなこと、初めてされたのに。
  俺の初めてをなんだと思ってるんだ?
   あ、でも、それが普通なのか?
   俺たち、男同士だしな。
   あれ?
   でも、この世界じゃ、男しかいないし。
    確か、グーリスじいちゃんが言ってたよな。
    この世界じゃ、男同士でも子供ができるとか。
    「・・くしょう・・」
     俺は、目元を手で覆い隠して呟いた。
    「人の純情をもて遊びやがって!」
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