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3 精霊の庭
3ー2 ノオザの木
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3ー2 ノオザの木
ラウールのじいちゃんが帰ってすぐに家の奥から侍従のお仕着せを着たウィルがクロムウェルに連れられて現れた。
「何してたんだよ?クロムウェル」
俺は、クロムウェルにちょっと咎めるように訊ねた。
「もう、ラウールのじいちゃん帰っちゃったぞ!」
「そうですか。おじいさまは、帰られましたか」
ウィルがにこっと笑った。
「おじいさまは、僕が可愛すぎてなかなか手放すことができないのでちょうどよかったです」
そうなの?
俺は、ウィルを見つめた。
さっきは、線が細い美少年だなとしか思わなかったけど、こうして見るとなかなかしっかりした感じの子だ。
幼い頃から商家で暮らしてたからかな?
普通の子なら1人で置いていかれたりしたらもっと取り乱しそうなもんだけど。
それから俺とアルフォンスは、畑の世話に出て、クロムウェルは、ウィルと一緒にお城の侍従たちに挨拶回りに出掛けた。
「あの年頃で、ずいぶんとしっかりした子だな」
俺は、魔法で畑に水を撒きながらアルフォンスに話した。アルフォンスは、事も無げに言い放つ。
「きっと、よその家の後添いとかに出されるのが嫌でここに来たんでしょう」
「ちょっ!おま、後添いって!」
俺が驚いてるとアルフォンスが畑の草をむしりながら話した。
「この世界では、美しい少年は、貴族の側室やら後添えに望まれることが多いと聞きました。あれだけ美しい少年ならきっと引く手あまただったでしょうね」
まあ、確かにそうなんだけど。
俺は、気を取り直して畑の脇にはえているノオザの木の方へと近づくとそっと木を撫でる。
うん。
目を閉じると木の脈動が手のひらを通して伝わってくるのがわかった。
俺は、そっと自分の魔力を木に流していく。
すると、ノオザの木が一瞬、強く脈打った。
『アリガト、ミコト』
手のひらから木の気持ちが伝わってきて俺は、口許を緩めた。
いいんだよ、これぐらい。
俺がノオザの木に俺の魔力を与だしたのは、最初にこの木が実をつけた次の日からだった。
ちゃんと水もやってるのに木が枯れかけていたんだ。
心配になって木の幹に触れると怯えたようなノオザの木の気持ちが伝わってきた。
『ココ、サムイ。イヤ。タスケテ』
「大丈夫、だ」
俺は、まだ幼かったノオザの木を抱き締めて暖めようと自分の魔力を流した。
以来、毎日、ノオザの木に俺は、自分の魔力を少しづつ与えていた。
ラウールのじいちゃんが帰ってすぐに家の奥から侍従のお仕着せを着たウィルがクロムウェルに連れられて現れた。
「何してたんだよ?クロムウェル」
俺は、クロムウェルにちょっと咎めるように訊ねた。
「もう、ラウールのじいちゃん帰っちゃったぞ!」
「そうですか。おじいさまは、帰られましたか」
ウィルがにこっと笑った。
「おじいさまは、僕が可愛すぎてなかなか手放すことができないのでちょうどよかったです」
そうなの?
俺は、ウィルを見つめた。
さっきは、線が細い美少年だなとしか思わなかったけど、こうして見るとなかなかしっかりした感じの子だ。
幼い頃から商家で暮らしてたからかな?
普通の子なら1人で置いていかれたりしたらもっと取り乱しそうなもんだけど。
それから俺とアルフォンスは、畑の世話に出て、クロムウェルは、ウィルと一緒にお城の侍従たちに挨拶回りに出掛けた。
「あの年頃で、ずいぶんとしっかりした子だな」
俺は、魔法で畑に水を撒きながらアルフォンスに話した。アルフォンスは、事も無げに言い放つ。
「きっと、よその家の後添いとかに出されるのが嫌でここに来たんでしょう」
「ちょっ!おま、後添いって!」
俺が驚いてるとアルフォンスが畑の草をむしりながら話した。
「この世界では、美しい少年は、貴族の側室やら後添えに望まれることが多いと聞きました。あれだけ美しい少年ならきっと引く手あまただったでしょうね」
まあ、確かにそうなんだけど。
俺は、気を取り直して畑の脇にはえているノオザの木の方へと近づくとそっと木を撫でる。
うん。
目を閉じると木の脈動が手のひらを通して伝わってくるのがわかった。
俺は、そっと自分の魔力を木に流していく。
すると、ノオザの木が一瞬、強く脈打った。
『アリガト、ミコト』
手のひらから木の気持ちが伝わってきて俺は、口許を緩めた。
いいんだよ、これぐらい。
俺がノオザの木に俺の魔力を与だしたのは、最初にこの木が実をつけた次の日からだった。
ちゃんと水もやってるのに木が枯れかけていたんだ。
心配になって木の幹に触れると怯えたようなノオザの木の気持ちが伝わってきた。
『ココ、サムイ。イヤ。タスケテ』
「大丈夫、だ」
俺は、まだ幼かったノオザの木を抱き締めて暖めようと自分の魔力を流した。
以来、毎日、ノオザの木に俺は、自分の魔力を少しづつ与えていた。
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