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2 勝手にスローライフ

2ー3 収穫

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 2ー3 収穫

 翌朝、俺は、アルフォンスにたたき起こされた。
 「ミ、ミコト様!大変です!」
 「・・ん・・?」
 俺は、目を擦りながらあくびをした。
 「おふぁよ・・アルフォンス」
 「おはようございます、ミコト様・・じゃなくて、はやく!来てください!」
 俺は、アルフォンスに引っ張られて家の表に向かった。
 玄関を開けると。
 そこには、一面のジャングルがあった。
 いや。
 ジャングルじゃない?
 鬱蒼と繁った草原からラ―が出てくる。
 「ラ―?」
 ラ―は、口に何かを咥えていた。
 とことこと俺の足元までくるとラ―は、咥えていたものを置き、その緑の瞳で俺を見上げた。
 「何?これ」
 俺は、ラーが持ってきたものを手に取ってみた。
 それは、巨大なナスだった。
 マジで?
 てか、この世界にもナスってあるんだ。
 ラ―が出てきた草むらからクロムウェルが現れる。
 腕には、様々な野菜を抱えている。
 トマト、とうもろこし、キャベツなどなど。
 ただ、どれもこれもが巨大だった。
 「これ、どうしたわけ?」
 「昨日、ミコト様が野菜の種を蒔いていたでしょう?おそらく、それではないかと」
 さっそく、クロムウェルが収穫してきた野菜で俺は、サラダと野菜炒めとスープの朝食を作った。
 テーブルがないのでまた、床の上での食事だが、俺は、家にあった食器を使ってなんとか朝食を配った。
 ちょっと縁が欠けてたりするけどそこは、気にしない。
 アルフォンスが一口野菜炒めを食べてんんっと呻く。
 「これ、信じられないぐらい美味しいです!ミコト様」
 「ほんとに!」
 クロムウェルが頷く。
 「このとうもろこしのスープも仄かに甘くて美味しいです!」
 俺は、サラダを食べてみた。
 確かに、この野菜、新鮮なだけじゃなくて味が濃くて美味しいな!
 俺の隣で皿に入れてやったスープを飲んでいたラーが、口の回りを舌でぺろっと舐めながら喉を鳴らす。
 どうやら、美味しいらしいな!
 朝食がすむと俺たちは、手分けして野菜を収穫した。
 庭先にいくつもの野菜の山ができていく。
 これで当分、食事には困らないけど。
 俺は、ふぅっと吐息をつく。
 「この大量の野菜、どうしたもんかな」
 
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