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9 迷宮とドラゴン
9ー12 瘴気の謎ですか?
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9ー12 瘴気の謎ですか?
俺は、少し考え込んでからオルティスに告げた。
「俺は、しばらく勇者の従者を続けようと思うんだけど」
「本気でございますか?クロージャー様」
オルティスが俺のことを信じられないものを見るような目で見た。
いや。
俺だって好きであんな奴の従者を続けたい訳じゃないんだよ?
俺は、オルティスに話した。
「勇者は、いずれこの手で倒してこのマリージアの街をラダス男爵から取り戻してみせる。だが、その前に少し調べておきたいことがあるんだ」
勇者を蝕んでいるもの。
瘴気のことについて俺は、知りたかった。
もしかしたら瘴気というのは、このままほっといたら世界を滅ぼす原因になりかねないのかも。
だけど、瘴気をなんとかできるのは魔王だけだとか言ってたし。
でも俺は、魔王にはなりたくないし。
それに、勇者の変容に瘴気以外の何かが関わっていないとも限らないしな。
俺は、当惑した表情を浮かべているオルティスに頼んだ。
「どうか、俺に協力してくれないか?オルティスさん」
オルティスは、難しい顔をしていたがやがて頷いた。
「わかりました」
オルティスは、俺に応じてくれた。
「では、勇者には、クロージャー様は、本日の午前中には私の手伝いをしていただいていたということにいたしましょう」
「ありがとう、オルティスさん!」
オルティスは、俺に従者用のお仕着せを渡すとこれに着替えるようにと促した。
「まずは、勇者に昼食を運んでいただきます。それからまた包帯を取り替えてください」
「わかりました、オルティスさん」
俺は、自分の部屋に戻るとそのお仕着せに着替えてオルティスに言われた通りに厨房へ行き勇者のもとへと昼食の膳を運んだ。
勇者は、俺の顔を見ると驚きを隠せなかったが、すぐににやっと笑った。
「お前、逃げ出したんじゃなかったのか?てっきりとっくに屋敷からにげだしたものとばかり思っていた」
「そんなわけがないだろ」
俺は、勇者に応じた。
「やっと見つけたわりのいい仕事だからな。午前中は、オルティスさんの手伝いを言いつけられていたんだよ」
俺は、ぶっきらぼうに言うと勇者の横たえているベッドの脇にあるテーブルへと膳を置きながら訊ねた。
「昨夜は、なんか大変な騒ぎがあったらしいな。なんでもこの屋敷のほんとの住人たちが、入れられていた地下牢から賊に拐われたとか。俺は、ぐっすり眠っていたから気がつかなかったけどな」
俺は、少し考え込んでからオルティスに告げた。
「俺は、しばらく勇者の従者を続けようと思うんだけど」
「本気でございますか?クロージャー様」
オルティスが俺のことを信じられないものを見るような目で見た。
いや。
俺だって好きであんな奴の従者を続けたい訳じゃないんだよ?
俺は、オルティスに話した。
「勇者は、いずれこの手で倒してこのマリージアの街をラダス男爵から取り戻してみせる。だが、その前に少し調べておきたいことがあるんだ」
勇者を蝕んでいるもの。
瘴気のことについて俺は、知りたかった。
もしかしたら瘴気というのは、このままほっといたら世界を滅ぼす原因になりかねないのかも。
だけど、瘴気をなんとかできるのは魔王だけだとか言ってたし。
でも俺は、魔王にはなりたくないし。
それに、勇者の変容に瘴気以外の何かが関わっていないとも限らないしな。
俺は、当惑した表情を浮かべているオルティスに頼んだ。
「どうか、俺に協力してくれないか?オルティスさん」
オルティスは、難しい顔をしていたがやがて頷いた。
「わかりました」
オルティスは、俺に応じてくれた。
「では、勇者には、クロージャー様は、本日の午前中には私の手伝いをしていただいていたということにいたしましょう」
「ありがとう、オルティスさん!」
オルティスは、俺に従者用のお仕着せを渡すとこれに着替えるようにと促した。
「まずは、勇者に昼食を運んでいただきます。それからまた包帯を取り替えてください」
「わかりました、オルティスさん」
俺は、自分の部屋に戻るとそのお仕着せに着替えてオルティスに言われた通りに厨房へ行き勇者のもとへと昼食の膳を運んだ。
勇者は、俺の顔を見ると驚きを隠せなかったが、すぐににやっと笑った。
「お前、逃げ出したんじゃなかったのか?てっきりとっくに屋敷からにげだしたものとばかり思っていた」
「そんなわけがないだろ」
俺は、勇者に応じた。
「やっと見つけたわりのいい仕事だからな。午前中は、オルティスさんの手伝いを言いつけられていたんだよ」
俺は、ぶっきらぼうに言うと勇者の横たえているベッドの脇にあるテーブルへと膳を置きながら訊ねた。
「昨夜は、なんか大変な騒ぎがあったらしいな。なんでもこの屋敷のほんとの住人たちが、入れられていた地下牢から賊に拐われたとか。俺は、ぐっすり眠っていたから気がつかなかったけどな」
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