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9 迷宮とドラゴン
9ー5 到着ですか?
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9ー5 到着ですか?
闇に飲み込まれたと思った瞬間、俺たちは、なんだか薄暗い場所へと放り出された。
というか、押し込まれたような感じだった。
すごく狭苦しい空間に押し込まれてる!
俺は、なんか柔らかいものに顔が埋まって苦しくって、なんとか顔をあげようとしていた。
「あ、あんまり動かないでくれ!」
えっ?
俺は、なんとか顔をあげると上を見た。
頬をほんのり染めたオウラが目の前にいた。
なんで?
そのとき、ぎゅうっと俺の背後から俺に押し当てられている柔らかな温もりがもぞもぞと動いてエディットの声がきこえた。
「クロ様?」
エディットが俺に抱きついてきて耳元で囁く。
「よかった。ご無事で」
いや。
あんまり無事じゃないのかも。
俺は、オウラの胸から顔を上げ辺りを見回した。
なんだ、これは?
狭苦しい空間に 大量の人間となんかわからないがもふもふしたものが押し込まれている!
あっちこちで押し合い圧し合いしている声がきこえる。
時々、獣の声までまじっているし!
俺は、とにかくもっと広い場所へと出たいと思ったのだが、ここがいったいどこかがわからない。
「ここは、どこなんだ?」
俺が呟いたとき、どこからかライディアの声がきこえた。
「く、クロージャー?」
「ライディア?」
俺は、はっと気づいた。
もしかして、ここ、地下牢の中?
「ライディア、ここ、どこなんだ?」
俺がそうきいたとき、何かが壊れる大きな音がきこえて俺たちは、雪崩を起こして倒れ込んだ。
「いってぇっ!」
リリウスが声をあげる。
呻き声があちこちからきこえた。
どうやら地下牢が破壊されて詰め込まれていた人々が外に押し出されたらしい。
俺は、とにかく立ち上がろうとして手を伸ばした。
ぐにゅっとなんか柔らかいものに触れる。
「あっ、クロ様、そこは」
体を起こしてみると俺は、エディットのお尻に触れていた。
「ご、ごめん!」
すぐに体を動かして手をどかせる。
エディットは、真っ赤になって短めのスカートを押さえ座り込んでいる。
「おいおい、いちゃついてるばあいじゃないぞ。クロージャー」
ロナードがしらけた様子で俺を見ていた。
「どうやら、僕たちは、ラダクリフ辺境伯の屋敷の地下にいるらしい」
マジですか?
俺は、辺りを見回した。
灰色の狼たちとダークエルフが重なりあって倒れている?
これは、いったい?
俺がパニクっているとロナードが呟く。
「どうやらあの婆ちゃん、全員を目的地に送り込んだらしいな」
はい?
俺は、立ち上がると薄暗い空間の奥を見た。
ライディアが座り込んでいる。
「ライディア?」
俺は、足元に倒れ込んでいる人々やら狼やらを避けながらライディアに駆け寄る。
ライディアは、俺を見ると涙ぐんだ。
「来てくれたのか、クロージャー」
闇に飲み込まれたと思った瞬間、俺たちは、なんだか薄暗い場所へと放り出された。
というか、押し込まれたような感じだった。
すごく狭苦しい空間に押し込まれてる!
俺は、なんか柔らかいものに顔が埋まって苦しくって、なんとか顔をあげようとしていた。
「あ、あんまり動かないでくれ!」
えっ?
俺は、なんとか顔をあげると上を見た。
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なんで?
そのとき、ぎゅうっと俺の背後から俺に押し当てられている柔らかな温もりがもぞもぞと動いてエディットの声がきこえた。
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「よかった。ご無事で」
いや。
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なんだ、これは?
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あっちこちで押し合い圧し合いしている声がきこえる。
時々、獣の声までまじっているし!
俺は、とにかくもっと広い場所へと出たいと思ったのだが、ここがいったいどこかがわからない。
「ここは、どこなんだ?」
俺が呟いたとき、どこからかライディアの声がきこえた。
「く、クロージャー?」
「ライディア?」
俺は、はっと気づいた。
もしかして、ここ、地下牢の中?
「ライディア、ここ、どこなんだ?」
俺がそうきいたとき、何かが壊れる大きな音がきこえて俺たちは、雪崩を起こして倒れ込んだ。
「いってぇっ!」
リリウスが声をあげる。
呻き声があちこちからきこえた。
どうやら地下牢が破壊されて詰め込まれていた人々が外に押し出されたらしい。
俺は、とにかく立ち上がろうとして手を伸ばした。
ぐにゅっとなんか柔らかいものに触れる。
「あっ、クロ様、そこは」
体を起こしてみると俺は、エディットのお尻に触れていた。
「ご、ごめん!」
すぐに体を動かして手をどかせる。
エディットは、真っ赤になって短めのスカートを押さえ座り込んでいる。
「おいおい、いちゃついてるばあいじゃないぞ。クロージャー」
ロナードがしらけた様子で俺を見ていた。
「どうやら、僕たちは、ラダクリフ辺境伯の屋敷の地下にいるらしい」
マジですか?
俺は、辺りを見回した。
灰色の狼たちとダークエルフが重なりあって倒れている?
これは、いったい?
俺がパニクっているとロナードが呟く。
「どうやらあの婆ちゃん、全員を目的地に送り込んだらしいな」
はい?
俺は、立ち上がると薄暗い空間の奥を見た。
ライディアが座り込んでいる。
「ライディア?」
俺は、足元に倒れ込んでいる人々やら狼やらを避けながらライディアに駆け寄る。
ライディアは、俺を見ると涙ぐんだ。
「来てくれたのか、クロージャー」
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