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4 魔法学園と青い春

4ー13 前途多難ですか?

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 4ー13 前途多難ですか?

 もちろん消灯の時間になってもルウシエは、戻ってはこなかった。
 俺たちは、寮長であるアンドレアさんが見回りにくる前にそれぞれのベッドに潜り込んだ。
 おれは消灯後の暗闇の中で考えていた。
 自分の進む道も自由に決められないなんてお貴族様も大変なんだな。
 それにしても、ルウシエの手助けをしているらしいロナードは、何者なんだ?
 ただの変人奇人だと思っていたけど、そうじゃないのかな。
 
 翌日、食堂に行くとリリウスの隣には見たことのないような青みがかった銀髪の美少年が腰かけていた。
 ああ。
 俺は、すぐにピン、ときた。
 こいつがルウシエか。
 するとやはり間違えなかったらしくロナードがそいつに話しかけた。
 「ルウシエ、また、消灯時間に間に合わなかっただろ」
 「ああ」
 ルウシエは、そっけなく頷くと、そっとロナードに小さな革袋を差し出した。
 「今月の分、だ」
 「仕方ないな」
 ロナードは、革袋を受け取るとポケットの中にしまった。
 「ばれないように気をつけろよ」
 なんだ?
 俺とリリウスは、無言でアイコンタクトをとった。
 こいつらには、関わらない方がいいのかも。
 ルウシエは、俺とリリウスのことをちらっと見て苦笑した。
 「そんなびびらなくってもいいんだぞ、チビッ子たち」
 「そうそう、これぐらいのことはうちの学校じゃ珍しくない」
 ロナードの言葉に俺は、呆気にとられていた。
 ここは、王族も通ってる名門校なんじゃないの?
 「ところで、ロナード」
 ルウシエが面白げににやっと笑った。
 「お前、血統書付きの犬みたいにピカピカになってるぞ。どうしたんだ?」
 「僕の新しい同居人はキレイ好きでな」
 ロナードがため息をついた。
 俺とリリウスも深いため息をついた。
 俺たち、とんでもないところにきちゃったのかもしれない。
 俺は、リリウスと目配せをしあった。
 お互いに変わり者の同居人にあたってしまった。
 まったく!
 前途多難な予感がするな!
 とにかく、この連中には、できるだけかかわり合いにならないように気をつけなくては。
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