王のβ~異世界後宮物語~

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
上 下
82 / 86
7 愛する魔王たち

7-8 いたんですか?

しおりを挟む
             7ー8   いたんですか?

   2人は、消えていき、そして、その力は、イェイガーへと流れ込んでいく。
   俺は、熱い吐息をついた。
    「・・倒した・・のか?」
   『ああ』
    イェイガーが肯定した。
    『魔王は、死んだ』
     「この世界は、どうなるんだ?」
     1度に2人の魔王を失ったこの世界は、いったい、どうなってしまうのか。
   俺は、不安だった。
   俺の問いかけにイェイガーは応じた。
   『案じるな、主よ。じきに新しい魔王が生まれよう。心配することはない』
   俺は、ほっとしていた。
   それから、俺は、縛られた両手をほどこうともがき始めた。
   だが、魔王が死んだにも関わらず俺を縛り付けた蔦のようなものは緩むこともなかった。
   「この・・コーダの奴、ほどいてから死ねよ!」
   俺がぶつぶつ呟きながら暴れていると誰かが囁いた。
   「暴れないで、セイ様」
    「ん?」
     なんだか懐かしい声に俺は、暴れるのをやめた。声の主は、俺の手足をしばる蔦を切り落として俺を解放した。
   「・・影?」
    俺は、黒い衣装に身を包んだその男のことをまじまじと見つめていた。
   「なんで、ここに?」
    「なんでって」
    影は、平然として答えた。
   「私は、最初に召喚されたときからあなたの側にいましたよ、セイ様」
   マジですか?
   俺は、その場に崩れ落ちた。
   体が熱い。
    俺は、影に頼んだ。
   「俺・・ちょっと1人にしてくれ、る?」
    「1人になってなにするんですか?」
     影が俺にきいた。
    俺は、かぁっと顔が熱くなった。
   「そ、そんなこと、お前に関係ないだろ!」
    「関係なくもないですね」
     影は、俺の足を開かせると中心へと触れてきた。
    「あっ!」
     「じっとしててくださいね、セイ様」
      影は、俺のものをクチュクチュ弄り出した。その鈴口に指先で触れられて、俺は、溜まらず喘いでいた。
    「ふぁっ!だめっ!」
     「ダメじゃないでしょ、セイ様」
    影が意地悪く囁いた。
    「こんなに露を垂らして。いきたいんでしょ?」
    「あ・・んっ!いきた、い・・」
     「じゃあ、お願いしてくださいね」
     影が俺の根本を掴んでいて、俺は、いけずにいた。俺は、呼吸を乱して影に懇願した。
   「おねが、い・・いかせて・・」
     「しょうがないですね」
     影が手を緩めた。
    「おいきください、セイ様」
     「アァっ、あっ!出ちゃうっ!」
      びゅるっと俺は、白濁を放った。
     
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

キンモクセイは夏の記憶とともに

広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。 小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。 田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。 そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。 純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。 しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。 「俺になんてもったいない!」 素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。 性描写のある話は【※】をつけていきます。

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

オメガ転生。

BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。 そして………… 気がつけば、男児の姿に… 双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね! 破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!

【完結】あなたの恋人(Ω)になれますか?〜後天性オメガの僕〜

MEIKO
BL
この世界には3つの性がある。アルファ、ベータ、オメガ。その中でもオメガは希少な存在で。そのオメガで更に希少なのは┉僕、後天性オメガだ。ある瞬間、僕は恋をした!その人はアルファでオメガに対して強い拒否感を抱いている┉そんな人だった。もちろん僕をあなたの恋人(Ω)になんてしてくれませんよね? 前作「あなたの妻(Ω)辞めます!」スピンオフ作品です。こちら単独でも内容的には大丈夫です。でも両方読む方がより楽しんでいただけると思いますので、未読の方はそちらも読んでいただけると嬉しいです! 後天性オメガの平凡受け✕心に傷ありアルファの恋愛 ※独自のオメガバース設定有り

零れる

午後野つばな
BL
やさしく触れられて、泣きたくなったーー あらすじ 十代の頃に両親を事故で亡くしたアオは、たったひとりで弟を育てていた。そんなある日、アオの前にひとりの男が現れてーー。 オメガに生まれたことを憎むアオと、“運命のつがい”の存在自体を否定するシオン。互いの存在を否定しながらも、惹かれ合うふたりは……。 運命とは、つがいとは何なのか。 ★リバ描写があります。苦手なかたはご注意ください。 ★オメガバースです。 ★思わずハッと息を呑んでしまうほど美しいイラストはshivaさん(@kiringo69)に描いていただきました。

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

この噛み痕は、無効。

ことわ子
BL
執着強めのαで高校一年生の茜トキ×αアレルギーのβで高校三年生の品野千秋 α、β、Ωの三つの性が存在する現代で、品野千秋(しなのちあき)は一番人口が多いとされる平凡なβで、これまた平凡な高校三年生として暮らしていた。 いや、正しくは"平凡に暮らしたい"高校生として、自らを『αアレルギー』と自称するほど日々αを憎みながら生活していた。 千秋がαアレルギーになったのは幼少期のトラウマが原因だった。その時から千秋はαに対し強い拒否反応を示すようになり、わざわざαのいない高校へ進学するなど、徹底してαを避け続けた。 そんなある日、千秋は体育の授業中に熱中症で倒れてしまう。保健室で目を覚ますと、そこには親友の向田翔(むこうだかける)ともう一人、初めて見る下級生の男がいた。 その男と、トラウマの原因となった人物の顔が重なり千秋は混乱するが、男は千秋の混乱をよそに急に距離を詰めてくる。 「やっと見つけた」 男は誰もが見惚れる顔でそう言った。

今夜のご飯も一緒に食べよう~ある日突然やってきたヒゲの熊男はまさかのスパダリでした~

松本尚生
BL
瞬は失恋して職と住み処を失い、小さなワンルームから弁当屋のバイトに通っている。 ある日瞬が帰ると、「誠~~~!」と背後からヒゲの熊男が襲いかかる。「誠って誰!?」上がりこんだ熊は大量の食材を持っていた。瞬は困り果てながら調理する。瞬が「『誠さん』って恋人?」と尋ねると、彼はふふっと笑って瞬を抱きしめ――。 恋なんてコリゴリの瞬と、正体不明のスパダリ熊男=伸幸のお部屋グルメの顛末。 伸幸の持ちこむ謎の食材と、それらをテキパキとさばいていく瞬のかけ合いもお楽しみください。

処理中です...