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7 愛する魔王たち

7-1 緊張してるんですね?

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          7ー1   緊張してるんですね?

     城から魔王の住む森までは、海を船でいくか、飛竜の背に乗り空をいくかしなくてはならなかった。
    俺たちは、安全と速さの点から飛竜でいくことを選んだ。
   アルモナス王は、精霊国の飛竜騎士団団長に俺たちを紹介した。
    「知っていることと思いますが、こちらは、御子とその騎士ロリア殿です。御子よ、これは、私の兄であり、飛竜騎士団の団長であるルードラでございます」
    うん。
   俺は、驚いていた。
    確かに知ってる相手だった。
    紹介されたルードラさんというのは、この世界に来た日に俺を風呂で強姦しようとした男だった。
     「あのときの!」
     俺が思わず声をあげ奴を指差すと、ルードラは、おどおどと俺の周囲を見回した。
   「あの時は、すまなかった。もう、酷いことはしないでくれ」
    はい?
   俺は、 ムッとしていた。
   酷いことをされそうになったのは、俺の方なんじゃ?
    俺は、いろいろ言いたいことがあったが我慢して飛竜騎士団と行動を共にすることにした。
   一行は、全部で5人。
   俺とロリアとルードラ、サギリ、あと1人は、ロキという子供だった。
   「ロキは、幼く見えますが、これでもいい年の大人です」
    そう、アルモナス王に紹介されたロキは、ピンク色の髪と同じぐらい赤くなっていた。
    まあ、見も蓋もないような紹介だしな。
    でも、なんか。
   俺は、久しぶりになんだかほのぼのしていた。
   こいつ、かわいいな。
   ロキは、子猫バージョンのデザスタみたいで俺は、もふもふしたくなっていた。  
    「御子様」
    サギリが俺に呼び掛けた。
    「御子様は、私の後ろにお乗りください」
     ええっ?
     俺は、ロキの後ろがよかったんだが、仕方ない。
   サギリは、俺を抱えて飛竜の背に飛び乗ると俺を背後に座らせた。
   「御子様、しっかりと私につかまってください」
    俺は、頷いてサギリの腹に腕を回して背にぎゅっと抱きついた。
    サギリがびくっと体を固くした。
   サギリの胸の鼓動が俺にも伝わってくる。
   あれ?
   俺は、首を傾げた。
   サギリの鼓動は、すごく早くって、俺は、なんだか心配になってきた。
   「サギリ、大丈夫か?」
    「ひゃい!」
     サギリが俺に話しかけられて飛び上がった。
    「ああ、あの、大丈夫、です。別に御子様に抱きつかれたからといって緊張などしておりません!」
    
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