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4 魔王の国

4-8 魔人の国と同盟を結ぶ?

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        4ー8   魔人の国と同盟を結ぶ?

   魔人の瞳が灰色に戻り、俺の目の痛みもおさまった。
    「ああ、マナ様、よくご無事で」
    魔人が俺に手を伸ばし触れようとしたのを、王が振り払った。
    「これは、私のものだ。お前たちが触れることは、許さん」
    「しかし」
    魔人が王に口答えする。
    「これは、もともと、我々のものでございます」
   魔人が王と俺の前にひれ伏した。
   「どうか、我々のもとにお返しください」
     「それは、できん」
   王が背後から俺の体に腕を絡めて俺を抱き締める。
   「何度も言うが、これは、私のもの、だ」
    「お返しいただけるなら、お礼に、我らの忠誠を捧げます。だが、お返しいただけないなら、戦となります。ご存じかと思いますが、我々魔人の兵は、強いですぞ?」
      魔人がにやっと笑った。
    王は、怯むことなく応じた。
   「かまわん。伴侶を守ることもできずになんの王か」
    王にぎゅうぎゅう抱き締められて、俺は、胸がドキドキと高鳴っていた。
    魔人は、驚いた様子だった。
   「伴侶、でございますか?」
     魔人は、しばらく考え込んでから王に提案した。
   「では、1度、我らの国にお返しいただいてから、正式にそちらへ嫁がしていただくということにされてはいかがでしょうか?」
    はい?
   俺は、2人が何を話しているのかまったく理解できなかった。
   王は、しばし考えてから、アルテミアさんにきいた。
   「どう思う?マージナル兄上」
     「よい話ではないかと思われますが」
     アルテミアさんが王に答えた。
      王は、頷いた。
    「いいだろう。このセイをお前たちに返してやろう。その代わりに、半年以内にセイを私のもとへ嫁がせてもらう。いいな?」
     「わかりました」
     魔人は、頭を下げた。
    「必ず、仰せの通りに」
     「それから、セイをそちらに渡すのは、この我々の国に同盟が結ばれてからだ」
     王の言葉に、魔人が立ち上がった。
    「すぐに、私を解放してください。急いで、国へ戻って話をまとめてきます」
     魔人は、解放された。
     俺は、相変わらず俺を離さない王の手を振り払うと、王とアルテミアさんに訊ねた。
   「いったい、どういうことなんだ?」
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