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4 魔王の国

4-2 ただの人間だって!

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       4ー2   ただの人間だって!

   俺からイェイガーの存在をあかされた3人は、驚愕していた。
   「聖剣イェイガーですと?」
    「まさか!」
     まじまじと剣の姿に戻ったイェイガーを見ているラウスとクレイの前でアルテミアさんがすらっとイェイガーを抜き放った。
   「確かに、この剣は、間違いなく聖剣イェイガーのようですね」
    「だから、そう言ってるじゃん」
    俺は、憮然としていた。
    なんでも、聖剣イェイガーは、長い間、行方知れずになっていたということで、俺は、これをどこで手に入れたのかと詰問されてすごく不愉快になっていた。
    「それで、この剣は、確かにセイ様を主人と認めているのですね?」
    「ああ」
     俺は、頷いた。
    アルテミアさんは、何か、考え込んでいた。
    もしかして、俺、宝物を盗んだ罪にでも問われるのか?
    でも、これは、ラミエルの奴に貰ったものだし。
   じゃあ、ラミエルが罪に問われるのか?
    俺は、ぐるぐる考えていた。
   頭が痛くなってきて、俺は、溜め息をついた。
   「俺、後宮に行方不明になっていた剣を持ち込んだ罪で死刑になるのかな?」
    俺は、おそるおそるアルテミアさんに訊ねてみた。
   アルテミアさんは、ふっと笑った。
  「大丈夫ですよ、セイ様。この剣が行方不明になったのは、あなたが生まれるずっと前のことですし、これは、剣とはいっても刃のない剣ですからね」
     はい?
   俺は、キョトン、とした。
  どういうこと?
   「ご存じでなかったのですか?セイ様」
    アルテミアさんは、俺に説明してくれた。
   「この聖剣イェイガーは、魔を絶つ剣です。人は切ることはできません」
     マジか?
   俺は、じっとイェイガーを見つめた。
   うん。
   そんな違いは、俺にはよくわからないな。
   「しかし、この聖剣イェイガーに主人と認められたということは、セイ様は、少なくとも聖騎士以上の力をお持ちだということになりますが」
    アルテミアさんが俺にきいた。
   「セイ様は、本当に人間なのですか?」
    はい?
  俺は、驚愕を通り抜けてもう笑ってしまった。
    俺が、人間じゃないって?
   「そういや、前にイェイガーにもそんなこと言われたっけな」
   俺は、笑いすぎて涙が出てきたのを拭った。
   「俺は、ただの人間だって!」
   しかし、皆の食いついたのは、そこでは、なかった。
    
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