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13 聖女の行進

13ー5 理由は、おわかりですよね?

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 13ー5 理由は、おわかりですね?

 もう、食堂内は、ちょっと収拾がつかないぐらいの騒ぎになっていた。
 私は、テーブルを稲妻か何かで爆破してやろうかと思い始めていた。
 こいつら。
 口々に勝手なことをいっているが、要するに、自分かわいさに縦ロールとかの言う通りに私をイビっていたわけだ。
 みんな、有罪!
 もう、こいつら全員、二度と立ち直れないぐらい酷い目にあわせてやりたい!
 もう少しで、私がみんなを地獄に落とそうとしてたとき、食堂にアルム神官長が入ってくるのが見えた。
 アルム神官長は、パンパン、と手を叩くと大声で告げた。
 「みなさん、お静かに!」
 「アルム神官長!」
 縦ロールアメリアがアルム神官長にすがり付く。
 「ユイ様が!私たち、何も悪いことをしていないのに、ユイ様が酷いことをおっしゃって!」
 「そうです!」
 隣の席の子がよろよろっとアルム神官長の方へと駆け寄っていく。
 「ユイ様が!私たちを酷い目にあわせてやるって!」
 アルム神官長は、縦ロールとストロベリーブロンドに泣きつかれて当惑していたが、すぐに2人に告げた。
 「アメリア様とクリスティア様には、この神殿を去っていただきます」
 アルム神官長がきっぱりくきりと言い放つ。
 「理由は、もう、おわかりですね?2人とも」
 「そんな!」
 縦ロールアメリアが叫んだ。
 「異世界から召喚された私たちに出ていけなんて!どうやって生きていけばいいんです?」
 「そうです!」
 ストロベリーブロンドも同調した。
 「私たちに死ねとでもおっしゃるのですか?アルム神官長!」
 2人を黙って見下ろしていたアルム神官長は、穏やかに話した。
 「そう。お2人が言われる通りです。異世界からきたあなたたちは、この世界ではおそらく生きていけないでしょう」
 アルム神官長は、ではっと顔を上げた2人に静かに言った。
 「でも、ユイ様は、生き抜かれた。この世界でももっとも酷い環境において生き抜いただけではなく、その環境を変革し人々をよい方へと導かれた。ユイ様にできたことがあなた方にできないことなどないでしょう?」
 
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