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12 聖女の神殿は、伏魔殿?
12ー11 13人の聖女たち
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12ー11 13人の聖女たち
辺りが暗くなった頃、デミルさんが夕食を知らせに来た。私は、ここに来たときの服のままだった。だって、荷物が届いてないから。
『ヴェータ』沼の青で染められたチュニックにズボン姿のまま、私は、デミルさんに連れられて食堂へと向かった。
夜だからか知らないが、なんだか廊下とかも薄暗くて嫌な感じだし。私は、もう、『ヴェータ』沼のエリクさん家に帰りたくなっていた。
しかし、目的の聖女であるミアに会ってこの姿をどうにかしてもらわなくては!
白い壁が続く建物の中をデミルさんの後についていく。すると、大きな食堂らしき部屋に出た。そこには、大きなダイニングテーブルが並べられていて、そこにずらっと12人の聖女たちが並んで腰かけていた。
私は、デミルさんに案内されて末席に腰を下ろした。
私の前と横に腰かけている女の子たちは、どちらも日本人らしい黒髪に黒い瞳のJKのようだった。
私は、どちらかがミアなのかもと思って話しかけたかったが、どうもそんな雰囲気ではなかった。
聖女たちは、私と誰も目を合わせようともしないし。
耳が痛くなるほど静かな中、神官たちが食事を給仕していく。
うん。
味気ない感じの野菜のスープと白パンという食事だった。
肉はなし。
こんなの力がでないし!
みんな、ダイエットでもしてるわけ?
私がちらちらと周囲を見回しているとふと、1人の少女と目が合った。その子は、慌てて目をそらしたがなんだか私に悪意を抱いてはいないような感じだった。
私は、そのお下げの金髪に青い目をしたそばかすのある女の子のことをロックオンした。
食事の後、みんなでくつろぐというようなこともなくそれぞれ部屋へと戻っていく。
私もデミルさんに連れられて部屋へ戻る。
戻る途中、私は、デミルさんにあの金髪のおさげの子のことをきいてみた。
「ああ、ミアさまのことですか?」
はい?
私は、驚きを隠せない。
あれが、ミアだったの?
ミアは、確か、私に毒殺されそうになったとか言い出した聖女だった筈。
私は、食事中に目が合ったときの何かいいたそうなミアの様子を思い出していた。
「ちょっと、ミアと話したいんだけど」
私がいうとデミルさんが少し考え込んだ。
「聖女たちは、みな、朝早くから夜遅くまで規律に従って厳しい修行をしていますからね。個人的に話すことができるかどうか・・ちょっと、お待ちくださいね。ミア様の担当の神官と話してみますから」
辺りが暗くなった頃、デミルさんが夕食を知らせに来た。私は、ここに来たときの服のままだった。だって、荷物が届いてないから。
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夜だからか知らないが、なんだか廊下とかも薄暗くて嫌な感じだし。私は、もう、『ヴェータ』沼のエリクさん家に帰りたくなっていた。
しかし、目的の聖女であるミアに会ってこの姿をどうにかしてもらわなくては!
白い壁が続く建物の中をデミルさんの後についていく。すると、大きな食堂らしき部屋に出た。そこには、大きなダイニングテーブルが並べられていて、そこにずらっと12人の聖女たちが並んで腰かけていた。
私は、デミルさんに案内されて末席に腰を下ろした。
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耳が痛くなるほど静かな中、神官たちが食事を給仕していく。
うん。
味気ない感じの野菜のスープと白パンという食事だった。
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食事の後、みんなでくつろぐというようなこともなくそれぞれ部屋へと戻っていく。
私もデミルさんに連れられて部屋へ戻る。
戻る途中、私は、デミルさんにあの金髪のおさげの子のことをきいてみた。
「ああ、ミアさまのことですか?」
はい?
私は、驚きを隠せない。
あれが、ミアだったの?
ミアは、確か、私に毒殺されそうになったとか言い出した聖女だった筈。
私は、食事中に目が合ったときの何かいいたそうなミアの様子を思い出していた。
「ちょっと、ミアと話したいんだけど」
私がいうとデミルさんが少し考え込んだ。
「聖女たちは、みな、朝早くから夜遅くまで規律に従って厳しい修行をしていますからね。個人的に話すことができるかどうか・・ちょっと、お待ちくださいね。ミア様の担当の神官と話してみますから」
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