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11 ダンジョンにて
11ー8 浄化の光
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11ー8 浄化の光
ノマさんとクーノが戦ってくれている間に私は、ざっと食器をとかを片付ける。キンドさんは、まだ固まっているのでそっとしておいた。
ヘイがゆっくりと食べている。どうやらピリ辛が少し苦手らしい。
「お、おい!」
キンドさんが震える声で呼び掛けてくる。
「あいつら、負けそうだぞ!」
はい?
私は、骨と戦っているノマさんとクーノの方を見た。
うん。
確かに少し押されている感じ?
私は、立ち上がるとヘイを呼んだ。
「ヘイ!」
「にゃっ!」
ヘイが立ち上がり私を咥えて背に乗せると骨に向かって飛びかかっていく。
骨がヘイをかわして後ろに下がると口を大きく開けた。黒い炎が膨らんでいくのが見えた。
なんか、まずい?
ヘイがノマさんとクーノの前に出たので私は、障壁をはる。
といっても私にできるのは精霊さんにお願いすることだけなんだけど。
私は、胸の前で両手を組むとお願いした。
「精霊さん!」
私たちの前に光がぱぁっと飛び交う。
そのとき、骨がごぅっと黒い炎を吐き出した。迫ってくる炎を精霊さんたちの盾が受け止めた。
黒い炎は、熱くはなかった。
どちらかというと冷たい?
ごうごうという音とともに吐き出されていた炎が止まるとすぐに私は、精霊さんの盾を消し去る。それとともにヘイが飛び出す。
私は、ヘイの一撃が骨を砕くのを見た。
だが。
砕かれた骨は、みるみるうちにもとに戻っていく。
「そいつは、生きた死骸だ!普通の攻撃では倒せん!」
キンドさんが叫ぶ声がきこえた。
「浄化だ!浄化の力を使え!」
うん?
私は、両手を骨にむけて念じた。
土は、土に。
灰は、灰に。
死者には、眠りを。
ぱぁっと光が溢れ、骨が光に包まれる。
ぼろぼろと崩れ去っていく骨を見ながら私は、浄化の光を放ち続けた。
骨が崩れ去った後、すぅっと白い何かが浮かび上がる。それは、一瞬、濃くなりそして、消えていく。
ありがとう
私の心に何か、暖かいものが流れ込んできた。
光が消え、辺りが元通りになる。
「終わったのか・・?」
キンドさんが呟くとノマさんとクーノがきん、と澄んだ音をたてて短剣を鞘に戻す。
ノマさんとクーノが戦ってくれている間に私は、ざっと食器をとかを片付ける。キンドさんは、まだ固まっているのでそっとしておいた。
ヘイがゆっくりと食べている。どうやらピリ辛が少し苦手らしい。
「お、おい!」
キンドさんが震える声で呼び掛けてくる。
「あいつら、負けそうだぞ!」
はい?
私は、骨と戦っているノマさんとクーノの方を見た。
うん。
確かに少し押されている感じ?
私は、立ち上がるとヘイを呼んだ。
「ヘイ!」
「にゃっ!」
ヘイが立ち上がり私を咥えて背に乗せると骨に向かって飛びかかっていく。
骨がヘイをかわして後ろに下がると口を大きく開けた。黒い炎が膨らんでいくのが見えた。
なんか、まずい?
ヘイがノマさんとクーノの前に出たので私は、障壁をはる。
といっても私にできるのは精霊さんにお願いすることだけなんだけど。
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「精霊さん!」
私たちの前に光がぱぁっと飛び交う。
そのとき、骨がごぅっと黒い炎を吐き出した。迫ってくる炎を精霊さんたちの盾が受け止めた。
黒い炎は、熱くはなかった。
どちらかというと冷たい?
ごうごうという音とともに吐き出されていた炎が止まるとすぐに私は、精霊さんの盾を消し去る。それとともにヘイが飛び出す。
私は、ヘイの一撃が骨を砕くのを見た。
だが。
砕かれた骨は、みるみるうちにもとに戻っていく。
「そいつは、生きた死骸だ!普通の攻撃では倒せん!」
キンドさんが叫ぶ声がきこえた。
「浄化だ!浄化の力を使え!」
うん?
私は、両手を骨にむけて念じた。
土は、土に。
灰は、灰に。
死者には、眠りを。
ぱぁっと光が溢れ、骨が光に包まれる。
ぼろぼろと崩れ去っていく骨を見ながら私は、浄化の光を放ち続けた。
骨が崩れ去った後、すぅっと白い何かが浮かび上がる。それは、一瞬、濃くなりそして、消えていく。
ありがとう
私の心に何か、暖かいものが流れ込んできた。
光が消え、辺りが元通りになる。
「終わったのか・・?」
キンドさんが呟くとノマさんとクーノがきん、と澄んだ音をたてて短剣を鞘に戻す。
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