109 / 170
9 恋と聖女とダンジョン攻略
9ー4 お前になんかなんてない!
しおりを挟む
9ー4 お前になんかなんてない!
森の船着き場から無事にエリクさん家まで戻った私たちは、夕食をすませるとリビングに集まった。ソファにぐるっとテーブルを囲んで腰かけている私たちにレンドールさんがお茶を配る。
それぞれが礼をいって受け取りお茶を飲む。
今夜のお茶は、ルシアさんが森で摘んできた薬草のお茶だった。なんでも心を落ち着かせ安眠できる効果があるとか。
だが、今夜は、誰も安眠できそうにない。
だって、明日は、キンドさんが命じている立ち退きの日だし!
でも、この『ヴェータ』沼の誰も立ち退くつもりはなかった。だって、ここは、今では、貧民窟どころか豊かで美しいとさえいえる場所になっているし。
食料も、隣国から輸入しているし、産業だっていくつも起こっている。
この湖の至るところにはえているクルの木は、湖の浄化をしてくれているらしく水も今では、飲用水にできるほどきれい。
そのうえ、湖底には、魔石の鉱脈がある!
キンドさんがここをどうするつもりだったのかは、私には、はっきりとはわからないが、今以上に開発することができるだろうか?
たぶん、無理!
普通に考えたらキンドさんにとってこの『ヴェータ』沼をこのままにしておく方が絶対にお得だし!
「明日は、私がキンドと話そう」
エリクさんが口を開いた。みな、こくこくと頷いている。やはりここは、もと王族のエリクさんに頑張ってもらうしかない。
「ユイにも同席してもらいたいんだが」
はいっ?
私は、エリクさんににこっと微笑んだ。
「私でお役に立てるなら喜んで!」
というか、当然?
エリクさんってちょっと押しが弱いとこがあるし。ここは、私がガンッと言ってやらなくちゃ!
私とエリクさんで王都にあるキンドさんの屋敷に向かうことになった。
「留守は、レンドールとノマに頼む」
エリクさんが2人を見るとノマさんもレンドールさんも頷いた。
「任せてくれ!あんたたちの留守は、俺たちが守る!」
ノマさんは、ともかくレンドールさんがいれば大丈夫だろう。
「私は、クーノと一緒に森の船着き場に行きます。あちらから攻撃される可能性もありますから」
ルシアさんが言うとエリクさんがちょっと心配そうな顔になる。まあ、妹みたいなもんだしな。とか思っていたら、ルシアさんが涙ぐむ。
「もしも、私に何かあってもエリク様は、自分の意思を貫いてくださいませ」
お前に何かなんてないって!
私は、いらっとしていた。
だって、船着き場には、神龍族のみなさんがいるし!言ったら、ノマさんたちといるより安心だってば!
森の船着き場から無事にエリクさん家まで戻った私たちは、夕食をすませるとリビングに集まった。ソファにぐるっとテーブルを囲んで腰かけている私たちにレンドールさんがお茶を配る。
それぞれが礼をいって受け取りお茶を飲む。
今夜のお茶は、ルシアさんが森で摘んできた薬草のお茶だった。なんでも心を落ち着かせ安眠できる効果があるとか。
だが、今夜は、誰も安眠できそうにない。
だって、明日は、キンドさんが命じている立ち退きの日だし!
でも、この『ヴェータ』沼の誰も立ち退くつもりはなかった。だって、ここは、今では、貧民窟どころか豊かで美しいとさえいえる場所になっているし。
食料も、隣国から輸入しているし、産業だっていくつも起こっている。
この湖の至るところにはえているクルの木は、湖の浄化をしてくれているらしく水も今では、飲用水にできるほどきれい。
そのうえ、湖底には、魔石の鉱脈がある!
キンドさんがここをどうするつもりだったのかは、私には、はっきりとはわからないが、今以上に開発することができるだろうか?
たぶん、無理!
普通に考えたらキンドさんにとってこの『ヴェータ』沼をこのままにしておく方が絶対にお得だし!
「明日は、私がキンドと話そう」
エリクさんが口を開いた。みな、こくこくと頷いている。やはりここは、もと王族のエリクさんに頑張ってもらうしかない。
「ユイにも同席してもらいたいんだが」
はいっ?
私は、エリクさんににこっと微笑んだ。
「私でお役に立てるなら喜んで!」
というか、当然?
エリクさんってちょっと押しが弱いとこがあるし。ここは、私がガンッと言ってやらなくちゃ!
私とエリクさんで王都にあるキンドさんの屋敷に向かうことになった。
「留守は、レンドールとノマに頼む」
エリクさんが2人を見るとノマさんもレンドールさんも頷いた。
「任せてくれ!あんたたちの留守は、俺たちが守る!」
ノマさんは、ともかくレンドールさんがいれば大丈夫だろう。
「私は、クーノと一緒に森の船着き場に行きます。あちらから攻撃される可能性もありますから」
ルシアさんが言うとエリクさんがちょっと心配そうな顔になる。まあ、妹みたいなもんだしな。とか思っていたら、ルシアさんが涙ぐむ。
「もしも、私に何かあってもエリク様は、自分の意思を貫いてくださいませ」
お前に何かなんてないって!
私は、いらっとしていた。
だって、船着き場には、神龍族のみなさんがいるし!言ったら、ノマさんたちといるより安心だってば!
11
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
異世界召喚されたけどヤバい国だったので逃げ出したら、イケメン騎士様に溺愛されました
平山和人
恋愛
平凡なOLの清水恭子は異世界に集団召喚されたが、見るからに怪しい匂いがプンプンしていた。
騎士団長のカイトの出引きで国を脱出することになったが、追っ手に追われる逃亡生活が始まった。
そうした生活を続けていくうちに二人は相思相愛の関係となり、やがて結婚を誓い合うのであった。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
【完結】傷モノ令嬢は冷徹辺境伯に溺愛される
中山紡希
恋愛
父の再婚後、絶世の美女と名高きアイリーンは意地悪な継母と義妹に虐げられる日々を送っていた。
実は、彼女の目元にはある事件をキッカケに痛々しい傷ができてしまった。
それ以来「傷モノ」として扱われ、屋敷に軟禁されて過ごしてきた。
ある日、ひょんなことから仮面舞踏会に参加することに。
目元の傷を隠して参加するアイリーンだが、義妹のソニアによって仮面が剥がされてしまう。
すると、なぜか冷徹辺境伯と呼ばれているエドガーが跪まずき、アイリーンに「結婚してください」と求婚する。
抜群の容姿の良さで社交界で人気のあるエドガーだが、実はある重要な秘密を抱えていて……?
傷モノになったアイリーンが冷徹辺境伯のエドガーに
たっぷり愛され甘やかされるお話。
このお話は書き終えていますので、最後までお楽しみ頂けます。
修正をしながら順次更新していきます。
また、この作品は全年齢ですが、私の他の作品はRシーンありのものがあります。
もし御覧頂けた際にはご注意ください。
※注意※他サイトにも別名義で投稿しています。
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。
木山楽斗
恋愛
弱小貴族で、平民同然の暮らしをしていたルリアは、両親の死によって、遠縁の公爵家であるフォリシス家に引き取られることになった。位の高い貴族に引き取られることになり、怯えるルリアだったが、フォリシス家の人々はとても良くしてくれ、そんな家族をルリアは深く愛し、尊敬するようになっていた。その中でも、義兄であるリクルド・フォリシスには、特別である。気高く強い彼に、ルリアは強い憧れを抱いていくようになっていたのだ。
時は流れ、ルリアは十六歳になっていた。彼女の暮らす国では、その年で魔法学校に通うようになっている。そこで、ルリアは、兄の学園に通いたいと願っていた。しかし、リクルドはそれを認めてくれないのだ。なんとか理由を聞き、納得したルリアだったが、そこで義妹のレティが口を挟んできた。
「お兄様は、お姉様を共学の学園に通わせたくないだけです!」
「ほう?」
これは、ルリアと義理の家族の物語。
※基本的に主人公の視点で進みますが、時々視点が変わります。視点が変わる話には、()で誰視点かを記しています。
※同じ話を別視点でしている場合があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる