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9 恋と聖女とダンジョン攻略

9ー2 当たり前

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 9ー2 当たり前

 しばらくしてダルメトさんがこちらに向かって歩いてきた。
 どうやら破壊活動は、終わったらしい。
 私たちがホッとしているとダルメトさんがレンドールさんになにやら話している。何を話しているのかは竜語がわからないので想像もつかない。
 しばらく2人で話し合った後、レンドールさんが難しい顔をして私たちを振り向いた。
 「どうやら地底にダンジョンがあるようだとダルメトが言っています」
 はい?
 ダンジョンですと?
 「地下の鉱脈のことを守っている番人がいるとか言ってたからそれかな?」
 私が言うとレンドールさんがきらん、と目を輝かせた。
 「恐らく、それです!」
 レンドールさんが拳を握って力説する。
 「ダルメトは、これ以上掘ればダンジョンごとこの辺りの地形を破壊してしまうといっています。だから、ここから先は、我々で手動でやるようにとのことです」
 手動で穴を掘るってこと?
 私が小首を傾げているとレンドールさんが胸元にある内ポケットからナイフを取り出した。
 鞘から抜くとそのナイフを手に構える。
 「ダンジョン攻略は、ずいぶん久しぶりで。血が滾りますな!」
 ええっ?
 手動ってそういうことですか?
 いやいや!
 これからダンジョン攻略するなんてムリムリ無理!
 だって、もう、夕方だし!
 湖底にダンジョンがあるのはわかったけど、それがどのぐらいの規模のダンジョンなのかもわからないし!
 「今日は、このぐらいにしよう」
 エリクさんがストップをかけたのでレンドールさんがちょっと残念そうな顔をしたけどナイフを鞘にしまって内ポケットに戻す。
 「当たり前」
 岩場に突然現れた女の人がレンドールさんの肩を殴った。
 レンドールさんは、よろめきもしなかったけどあれは、絶対思いっきり殴ってるよね?
 というかこの女の人、誰?
 私は、まじまじとその女の人を見た。
 筋肉質のボディビルダーみたいな体をした迫力ある赤毛の美女だ。褐色の肌には、近くで拾ったみたいな木の枝を組んだ腰巻き以外何もまとってない。
 つまり、ほぼ全裸。
 私は、ちらっとエリクさんを見た。エリクさんは、頬を赤らめてそっぽを向いている。ちなみにノマさんは、ガン見していてルシアさんに叩かれていた。
 
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