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8 鉱脈を探せ!
8ー13 わかるとも!
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8ー13 わかるとも!
「紹介します、ユイ様」
レンドールさんが超巨大竜の鼻先をポンポン、と叩いて私にその竜のことを紹介した。
「これは、古い友人で古代竜のダルメトといいます。こんなだけどなかなか臆病でいいやつですから怖がらなくてもいですよ」
そうなんですか?
私は、デッキにいるレンドールさんたちの側まで恐る恐る近づくとその竜を見上げた。
「ただいま紹介に預かった、古代竜のダルメトという。聖女様には、ご機嫌麗しく」
すんごい超低音が響く。もう、話すだけで驚異といえる。
挨拶もそこそこにダルメトさんは、レンドールさんと私とエリクさんを背中に乗せるとのしのしと湖の中を歩き出した。
すんごい波立ってる!
町の方は大丈夫なのかな?
私たちが進んでいくと一隻の船が近づいてくる。よく見たらそれは、ノマさんとルシアさんだった。
2人は、揺れる船の上から私たちを見上げて叫んだ。
「大丈夫なのか?」
「大丈夫だよっ!」
私は、ダルメトさんの背中から2人に手を振った。
「これからちょっと穴を掘ってくるわ!」
ノマさんとルシアさんがなにやら話しているのが見えるが、かなり距離があるので何を話しているのかは、聞こえない。
私が耳をすませていると聞きにくかろうと思ったのかダルメトさんがノマさんとルシアさんが乗った船をはむっと噛んで持ち上げてくれた。
やる方はたいして何も思わなくてもやられる方は、かなりの恐怖だ。
ノマさんとルシアさんは、青ざめて声もでない様子。
ダルメトさんは、鋭い牙と頑丈な顎で2人の乗った船を壊さないように気をつけて甘噛みしているんだが、口の端からよだれがダラダラと滝のように滴っているし!
もう、下ろしてあげて欲しい。
しかし、ノマさんは、ダルメトさんが2人に敵意がないと見るやすぐにルシアさんを抱き上げてダルメトさんの体に飛び移った。
そして、ダルメトさんの鱗を伝ってなんとか背中へと上ってくる。
さすがは、『ヴェータ』沼の何でも屋だな、と感心して見ているとたどり着いた2人が恨めしげに私を見た。
「この竜もユイが呼んだのか?」
ノマさんの言葉に私は、頭を振った。
ほんと、なんでも私の仕業と思わないで欲しいものだ。
「これは、レンドールさんの友達の竜でダルメトさん」
私は、2人にダルメトさんを紹介する。ダルメトさんは、私たちを背中に乗せたまま歩きながら2人に挨拶した。
「古代竜のダルメトだ。よろしく頼む」
「こ・・古代竜?」
ノマさんとルシアさんがよろよろっとダルメトさんの背中に座り込んだ。
「なんじゃ、そりゃ?」
うん。
2人の気持ちはよくわかる。
わかるとも!
「紹介します、ユイ様」
レンドールさんが超巨大竜の鼻先をポンポン、と叩いて私にその竜のことを紹介した。
「これは、古い友人で古代竜のダルメトといいます。こんなだけどなかなか臆病でいいやつですから怖がらなくてもいですよ」
そうなんですか?
私は、デッキにいるレンドールさんたちの側まで恐る恐る近づくとその竜を見上げた。
「ただいま紹介に預かった、古代竜のダルメトという。聖女様には、ご機嫌麗しく」
すんごい超低音が響く。もう、話すだけで驚異といえる。
挨拶もそこそこにダルメトさんは、レンドールさんと私とエリクさんを背中に乗せるとのしのしと湖の中を歩き出した。
すんごい波立ってる!
町の方は大丈夫なのかな?
私たちが進んでいくと一隻の船が近づいてくる。よく見たらそれは、ノマさんとルシアさんだった。
2人は、揺れる船の上から私たちを見上げて叫んだ。
「大丈夫なのか?」
「大丈夫だよっ!」
私は、ダルメトさんの背中から2人に手を振った。
「これからちょっと穴を掘ってくるわ!」
ノマさんとルシアさんがなにやら話しているのが見えるが、かなり距離があるので何を話しているのかは、聞こえない。
私が耳をすませていると聞きにくかろうと思ったのかダルメトさんがノマさんとルシアさんが乗った船をはむっと噛んで持ち上げてくれた。
やる方はたいして何も思わなくてもやられる方は、かなりの恐怖だ。
ノマさんとルシアさんは、青ざめて声もでない様子。
ダルメトさんは、鋭い牙と頑丈な顎で2人の乗った船を壊さないように気をつけて甘噛みしているんだが、口の端からよだれがダラダラと滝のように滴っているし!
もう、下ろしてあげて欲しい。
しかし、ノマさんは、ダルメトさんが2人に敵意がないと見るやすぐにルシアさんを抱き上げてダルメトさんの体に飛び移った。
そして、ダルメトさんの鱗を伝ってなんとか背中へと上ってくる。
さすがは、『ヴェータ』沼の何でも屋だな、と感心して見ているとたどり着いた2人が恨めしげに私を見た。
「この竜もユイが呼んだのか?」
ノマさんの言葉に私は、頭を振った。
ほんと、なんでも私の仕業と思わないで欲しいものだ。
「これは、レンドールさんの友達の竜でダルメトさん」
私は、2人にダルメトさんを紹介する。ダルメトさんは、私たちを背中に乗せたまま歩きながら2人に挨拶した。
「古代竜のダルメトだ。よろしく頼む」
「こ・・古代竜?」
ノマさんとルシアさんがよろよろっとダルメトさんの背中に座り込んだ。
「なんじゃ、そりゃ?」
うん。
2人の気持ちはよくわかる。
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