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8 鉱脈を探せ!

8ー8 和解したい!

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 8ー8 和解したい!

 私は、ルシアさんにルキエルからきいた話をした。
 「王都にいる聖女の中に私をもとに戻せるかもしれない人がいるんだ」
 私は、うつむいたままルシアさんに話した。ルシアさんは、頷く。
 「ユイは、その人に会いに行きたいんですね」
 私は、こくりと頷いた。
 ルシアさんは、少し考え込んでいたが私の肩をポンと叩くと立ち上がった。
 「ちょっと待っててくださいね、ユイ」
 そう言うとルシアさんは、私を残したまま部屋から出ていった。
 しばらく私は、ベッドに腰かけたままでうつ向いていた。なんだか、自分が心まで幼くなってしまったような気がして。
 いかん、いかん!
 私は、きっ、と顔をあげる。
 こんなんじゃ、ダメだ!
 私は、どんな姿になろうとも私なのだ。
 いつだってやれることをやる!
 それが私だし!
 私は、趣味の魔道具研究室に行くと窓際でヘイが呑気に居眠りしていた。
 「お前は、気楽でいいな」
 私は、ヘイの耳をきゅっと引っ張った。抗議するようにヘイがにゃん、と鳴く。机に向かって腰かけると私は、考え始めた。
 どうすれば現状を打破して王都にいる聖女に会いに行けるのか?
 それも、できれば神殿に借りをつくることなく。
 『一応ですが、私があなたを聖女のもとに連れていくことも可能です』
 ルキエルが言うので私は、手で追い払うような仕草をした。
 「そんなことしたら、本末転倒だよ」
 私は、もとの年齢相応の姿形になりたいの!
 もとの姿に戻れたとしても中身が伴わないと意味がないし!
 「やっぱりキンドさんと和解するしかないか」
 私は、呟いた。
 キンドさんかぁ。
 私は、作業机に肘をついて窓から見える空を眺めた。今日は、この前とは違って空は、晴れ渡ってキラキラしている。
 キンドさんと取引するとしたらどうすればいいか?
 キンドさんは、王家の犬だ。
 彼の後ろには、王都の施政者たちがいる筈。だとしたら、どう持ちかければいいか。
 この『ヴェータ』沼の価値を示し独立性を保ちつつ、彼らを納得させる落としどころってなんだろう?
 ふと、私は、あの謎の精霊の言葉を思い出していた。
 確か、この『ヴェータ』沼の湖底に魔石の鉱脈がある、とか。魔石って、この世界じゃすごく価値があるんだよね?
 この『ヴェータ』沼が魔石の産地となればキンドさんも王族のみなさんもここの価値を認めてくれる筈。
 後は、取引次第でここの自治権も認めてくれるかも。
 でも。
 どうやって湖底の魔石の鉱脈まで行けばいい?
 
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