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7 大聖女の魔法
7ー12 武器なんて作らせたくはない。
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7ー12 武器なんて作らせたくはない。
私が属性付きのスマホを作ったのには通信機として役にたつからというだけではなかった。
このスマホが通話とかできるのはどちらかというとおまけだった。
ほんとの目的は、属性魔法の強化だ。
それぞれの魔力を引き出し強化し、その力で外部からの攻撃を防ごうと思ったわけだった。
言っておくが、私が目指しているのは攻撃魔法ではない。
この『ヴェータ』沼を守るための力を得たかった。
スマホを通して強化したみんなの魔力を少しづつ私のもとに集め、それでこの『ヴェータ』沼を覆い尽くせるだけの障壁を巡らせる。
もちろん精霊さんに頼ることもできるし、神龍族だっているわけだ。なんならヘイだっているし。
でも、戦争すれば必ず傷つく人がいる。
私は、それが嫌だった。
甘いかもしれないけど、私たちのために誰かが不幸になるのは避けたい。だって、恨みをかいたくないし。誰かを恨むのも嫌だし!
私は、最大多数の最大幸福を目指すのだ。
ただ、問題がある。
この『ヴェータ』沼全体を覆うほどの障壁を張るためには、膨大な魔力が必要だということ。
いや。私が言ってるんじゃない。
ルキエルが言ったのだ。
『いくら聖女でも1人で今の『ヴェータ』沼全体に魔法の障壁を張り続けることはできない』
ならば、私の魔力だけに頼らなければいいんじゃね?
他の人たちの魔力を私のスマホに集めれば私の魔力だけでは無理なことでも可能になりそうだし。
もし、誰かがここに何かしかけようとしてもバリアを張ってれば大丈夫だよね?
そこで問題です。
今の『ヴェータ』沼全体を覆うほどのバリアを張るためにどのぐらいの魔力が必要でしょうか?
ちなみに、ルキエルいわく聖女の力だけで障壁を張る場合、敵と向かい合った側のみなら、張れるとのこと。それも最強の盾が張れる。でも、これだと背後から攻められたらひとたまりもない。
だって、『ヴェータ』沼には、兵士がいない。戦える冒険者すらもいない。ここの住人のほとんどが女子供と高齢者たちだ。
それにここには、武器がないし。
いや。
作ろうと思えば簡単なのかもしれないけどね。でも、私は、ここの人たちに武器なんて作らせたくはなかった。
同じように精霊たちにも、神龍族にも。
私が属性付きのスマホを作ったのには通信機として役にたつからというだけではなかった。
このスマホが通話とかできるのはどちらかというとおまけだった。
ほんとの目的は、属性魔法の強化だ。
それぞれの魔力を引き出し強化し、その力で外部からの攻撃を防ごうと思ったわけだった。
言っておくが、私が目指しているのは攻撃魔法ではない。
この『ヴェータ』沼を守るための力を得たかった。
スマホを通して強化したみんなの魔力を少しづつ私のもとに集め、それでこの『ヴェータ』沼を覆い尽くせるだけの障壁を巡らせる。
もちろん精霊さんに頼ることもできるし、神龍族だっているわけだ。なんならヘイだっているし。
でも、戦争すれば必ず傷つく人がいる。
私は、それが嫌だった。
甘いかもしれないけど、私たちのために誰かが不幸になるのは避けたい。だって、恨みをかいたくないし。誰かを恨むのも嫌だし!
私は、最大多数の最大幸福を目指すのだ。
ただ、問題がある。
この『ヴェータ』沼全体を覆うほどの障壁を張るためには、膨大な魔力が必要だということ。
いや。私が言ってるんじゃない。
ルキエルが言ったのだ。
『いくら聖女でも1人で今の『ヴェータ』沼全体に魔法の障壁を張り続けることはできない』
ならば、私の魔力だけに頼らなければいいんじゃね?
他の人たちの魔力を私のスマホに集めれば私の魔力だけでは無理なことでも可能になりそうだし。
もし、誰かがここに何かしかけようとしてもバリアを張ってれば大丈夫だよね?
そこで問題です。
今の『ヴェータ』沼全体を覆うほどのバリアを張るためにどのぐらいの魔力が必要でしょうか?
ちなみに、ルキエルいわく聖女の力だけで障壁を張る場合、敵と向かい合った側のみなら、張れるとのこと。それも最強の盾が張れる。でも、これだと背後から攻められたらひとたまりもない。
だって、『ヴェータ』沼には、兵士がいない。戦える冒険者すらもいない。ここの住人のほとんどが女子供と高齢者たちだ。
それにここには、武器がないし。
いや。
作ろうと思えば簡単なのかもしれないけどね。でも、私は、ここの人たちに武器なんて作らせたくはなかった。
同じように精霊たちにも、神龍族にも。
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