88 / 170
7 大聖女の魔法
7ー9 すぐに終わるから!
しおりを挟む
7ー9 すぐに終わるから!
作成したスマホの試作品を夕食後にみんなに見せた。
ノマさんとルシアさんとクーノは、興味津々だがエリクさんは、さほど関心なさげだ。
私は、それぞれの魔力の属性の魔石を組み込んだスマホを各々に渡した。
ちなみにルシアさんは、土属性。
ノマさんは、炎属性。
クーノは、風属性。
みごとに属性がわかれたな。
そんな説明をしながらエリクさんにもスマホを渡そうとするとエリクさんが笑顔で受け取りを拒否した。
「私は、魔法が使えないから」
「それでもこのスマホは使えますから!」
私は、エリクさんに話した。
「もともと全ての人が多かれ少なかれ魔力を持っているんです。エリクさんは、ただそれを体外に放出できないだけで、別に魔法が使えない訳じゃないし」
私が言ってもエリクさんはまったく興味をしめそうとはしない。
無理もないんだけどね。
エリクさんは、生まれてからずっと魔力がない、無能力者として生きてきた。全ての人が魔法を使うこの世界でまったく魔法を使うことができないというのはどれほど辛いことか。
特にエリクさんは、王族しかも王太子だった人だ。
きっと想像に絶する苦悩を味わってきたことだろう。
私は、エリクさんに無理矢理エリクさん用のスマホを押し付けるとエリクさんの目を覗き込んで話した。
「エリクさんは、魔力がないわけじゃないんです。とても弱くても魔力はある。ただ、その属性が特殊なのと、魔力を体外に出すことができないために無能とされてきたんです」
「特殊な属性?」
エリクさんが私に問うた。
「どういうことだ?」
「つまり、この世界には、土、水、風、火の四属性があるとされていますよね?」
エリクさんがこくりと頷く。私は、話を続けた。
「でも、エリクさんは、このどれにも属さない言わば無属性の魔力を持っているんです」
「無属性?」
私は、頷くとエリクさんのスマホをしっかりとエリクさんの手に握らせる。そして、そっと魔力を流してシマホを起動させた。
「こうして起動させることによってこのスマホがエリクさんの魔力を関知して自動で縁を結ぼうとします」
スマホがぽぅっと白く光ってエリクさんの体がその光に包み込まれる。
「な、なんだ?これは!」
エリクさんが軽くパニクっているので私は、エリクさんを落ち着かせようとした。
「大丈夫。楽にしててください。すぐに終わりますから」
作成したスマホの試作品を夕食後にみんなに見せた。
ノマさんとルシアさんとクーノは、興味津々だがエリクさんは、さほど関心なさげだ。
私は、それぞれの魔力の属性の魔石を組み込んだスマホを各々に渡した。
ちなみにルシアさんは、土属性。
ノマさんは、炎属性。
クーノは、風属性。
みごとに属性がわかれたな。
そんな説明をしながらエリクさんにもスマホを渡そうとするとエリクさんが笑顔で受け取りを拒否した。
「私は、魔法が使えないから」
「それでもこのスマホは使えますから!」
私は、エリクさんに話した。
「もともと全ての人が多かれ少なかれ魔力を持っているんです。エリクさんは、ただそれを体外に放出できないだけで、別に魔法が使えない訳じゃないし」
私が言ってもエリクさんはまったく興味をしめそうとはしない。
無理もないんだけどね。
エリクさんは、生まれてからずっと魔力がない、無能力者として生きてきた。全ての人が魔法を使うこの世界でまったく魔法を使うことができないというのはどれほど辛いことか。
特にエリクさんは、王族しかも王太子だった人だ。
きっと想像に絶する苦悩を味わってきたことだろう。
私は、エリクさんに無理矢理エリクさん用のスマホを押し付けるとエリクさんの目を覗き込んで話した。
「エリクさんは、魔力がないわけじゃないんです。とても弱くても魔力はある。ただ、その属性が特殊なのと、魔力を体外に出すことができないために無能とされてきたんです」
「特殊な属性?」
エリクさんが私に問うた。
「どういうことだ?」
「つまり、この世界には、土、水、風、火の四属性があるとされていますよね?」
エリクさんがこくりと頷く。私は、話を続けた。
「でも、エリクさんは、このどれにも属さない言わば無属性の魔力を持っているんです」
「無属性?」
私は、頷くとエリクさんのスマホをしっかりとエリクさんの手に握らせる。そして、そっと魔力を流してシマホを起動させた。
「こうして起動させることによってこのスマホがエリクさんの魔力を関知して自動で縁を結ぼうとします」
スマホがぽぅっと白く光ってエリクさんの体がその光に包み込まれる。
「な、なんだ?これは!」
エリクさんが軽くパニクっているので私は、エリクさんを落ち着かせようとした。
「大丈夫。楽にしててください。すぐに終わりますから」
11
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説

【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャららA12・山もり
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。
お前など家族ではない!と叩き出されましたが、家族になってくれという奇特な騎士に拾われました
蒼衣翼
恋愛
アイメリアは今年十五歳になる少女だ。
家族に虐げられて召使いのように働かされて育ったアイメリアは、ある日突然、父親であった存在に「お前など家族ではない!」と追い出されてしまう。
アイメリアは養子であり、家族とは血の繋がりはなかったのだ。
閉じ込められたまま外を知らずに育ったアイメリアは窮地に陥るが、救ってくれた騎士の身の回りの世話をする仕事を得る。
養父母と義姉が自らの企みによって窮地に陥り、落ちぶれていく一方で、アイメリアはその秘められた才能を開花させ、救い主の騎士と心を通わせ、自らの居場所を作っていくのだった。
※小説家になろうさま・カクヨムさまにも掲載しています。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
騎士アレフと透明な剣
トウセ
ファンタジー
幼い頃に両親を亡くした少年アレフと妹のエトナは、孤児院を経営しているマクレインに五歳の時から育てられた。
十二歳の夏休み、アレフとエトナの所に騎士を名乗る男たちが現れる。
彼らはエトナを危険な存在だと言い、騎士育成学院エルトナムに連れて行こうとする。
「嫌だ」とエトナは家出をし、それを追いかけようとするアレフであったが、同時にアレフは自分の出自を知ることになる。
著名な騎士だったアレフの両親は、エトナの父親である悪騎士と戦い、命を落としてしまう。
アレフは七年間、両親の仇である騎士の子どもと、兄妹のように育ってきたのだった。
そのような関係でありながらも、兄妹であり続けると誓ったアレフはエトナを一人にしないため、共にエルトナム学院へと入学する。
人を瞬間移動される道具〝アーティファクト〟という存在や、剣が目の前に現れるといった不可思議な現象を目の当たりにし、アレフたちは幼いながら心を躍らせ、騎士の世界へと足を踏み込んでいく。
自分が騎士の子どもだと知ったアレフとエトナは、外国人であるリィン・マオ、貴族の子女、マーガレット・ラインフォルトら友人にも恵まれながら、騎士として成長していく。
そんな中、呪いにまつわる事件や、幻の剣のことを調べるなど、アレフたちはたくさんの冒険を重ねる。
さらに、騎士として活動する二足歩行のウサギと友達になったり、ライオンのような見た目をした騎士たちと戦ったり、そして、凶悪なドラゴンと対面したり……。
苦難を乗り越え、アレフたちは、両親が命を落とした戦争の本当の首謀者と対峙する時、アレフの目の前に一本の幻の剣が現れるのだった……。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる