スラムに堕ちた追放聖女は、無自覚に異世界無双する~もふもふもイケメンも丸っとまとめて面倒みます~

トモモト ヨシユキ

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7 大聖女の魔法

7ー9 すぐに終わるから!

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 7ー9 すぐに終わるから!

 作成したスマホの試作品を夕食後にみんなに見せた。
 ノマさんとルシアさんとクーノは、興味津々だがエリクさんは、さほど関心なさげだ。
 私は、それぞれの魔力の属性の魔石を組み込んだスマホを各々に渡した。
 ちなみにルシアさんは、土属性。
 ノマさんは、炎属性。
 クーノは、風属性。
 みごとに属性がわかれたな。
 そんな説明をしながらエリクさんにもスマホを渡そうとするとエリクさんが笑顔で受け取りを拒否した。
 「私は、魔法が使えないから」
 「それでもこのスマホは使えますから!」
 私は、エリクさんに話した。
 「もともと全ての人が多かれ少なかれ魔力を持っているんです。エリクさんは、ただそれを体外に放出できないだけで、別に魔法が使えない訳じゃないし」
 私が言ってもエリクさんはまったく興味をしめそうとはしない。
 無理もないんだけどね。
 エリクさんは、生まれてからずっと魔力がない、無能力者として生きてきた。全ての人が魔法を使うこの世界でまったく魔法を使うことができないというのはどれほど辛いことか。
 特にエリクさんは、王族しかも王太子だった人だ。
 きっと想像に絶する苦悩を味わってきたことだろう。
 私は、エリクさんに無理矢理エリクさん用のスマホを押し付けるとエリクさんの目を覗き込んで話した。
 「エリクさんは、魔力がないわけじゃないんです。とても弱くても魔力はある。ただ、その属性が特殊なのと、魔力を体外に出すことができないために無能とされてきたんです」
 「特殊な属性?」
 エリクさんが私に問うた。
 「どういうことだ?」
 「つまり、この世界には、土、水、風、火の四属性があるとされていますよね?」
 エリクさんがこくりと頷く。私は、話を続けた。
 「でも、エリクさんは、このどれにも属さない言わば無属性の魔力を持っているんです」
 「無属性?」
 私は、頷くとエリクさんのスマホをしっかりとエリクさんの手に握らせる。そして、そっと魔力を流してシマホを起動させた。
 「こうして起動させることによってこのスマホがエリクさんの魔力を関知して自動で縁を結ぼうとします」
 スマホがぽぅっと白く光ってエリクさんの体がその光に包み込まれる。
 「な、なんだ?これは!」
 エリクさんが軽くパニクっているので私は、エリクさんを落ち着かせようとした。
 「大丈夫。楽にしててください。すぐに終わりますから」
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