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6 交易とか開発とか
6ー9 芸が細かい!
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6ー9 芸が細かい!
そういわけで翌日に最初の交易隊が出発することになった。
といっても神龍族が2頭とそれに騎乗する人が2人だけの行商隊だし、荷物もクルの実の入った木箱が5箱だけだ。
これでまともな商会に相手にしてもらえるのか不安だ。
しかし、エリクさんは、自信ありげたった。
「私にまかせてくれ、ユイ」
「エリク様、お気をつけて」
ルシアさんが今生の別れとでもいうように涙で目をうるうるさせているのにエリクさんは、にっこりと笑って頭を撫でた。
「すぐに戻ってくる。大丈夫。心配しなくてもいい」
エリクさんは、シーラさんの背に乗った。ロイさんの方には、クーノが乗り込む。
なんか知らないが、ロイさんからクーノがいいとのご指名だった。なんでも波長があうのだとか。
そうしてエリクさんたちは、旅立った。
で。
夕方、私たちがレンドールさんの作ってくれた夕食を食べているとドアがノックされた。
レンドールさんが出てみると、それは、エリクさんとクーノだった。
ええっ?
私たちは、ちょっと信じられなくて。
確か、前に、誰かが森を越えるのにうまくいっても何ヵ月もかかるとか言ってなかったっけ?
それなのにもう、帰ってきたの?
私は、もしかしたら何かアクシデントがあったのかな、と思った。
荷物を落っことしちゃったとか。
なんかの魔物に攻撃されちゃったとか。
でも、エリクさんは、ご機嫌で。
「帰ったよ、みんな」
笑顔が眩しいエリクさんの様子では、とても失敗したようには見えなかった。
ああ、そうか。
私は、ポンと手を打った。
エリクさんも一応は、もと王族。
この程度のお使いすらできないとなるとさすがにプライドが傷つくわけだ。
そこで行ってきたけどダメでした、ってことにしたのかな?
「お疲れさま、エリクさん」
私は、なんでもお見通しというような顔でエリクさんを向かえてあげた。
大丈夫。
よくわかってますよ。
エリクさんは、ふっと微笑むと私に白い封筒を手渡した。
「ラトラニス王国王太子殿下からの交易許可証だ。これで私たちは、あちらの王国に認められた交易相手となった」
またまた。
私は、生暖かい目でエリクさんを見つめた。
こんな芸の細かいことをするなんて、さすがは、エリクさん。
エリクさんは、背後にいるクーノを呼ぶとクーノが抱えていたものを私たちの前の床に置いた。
それは、茶色の皮袋で。
中を見ると金貨がじゃらじゃら入っていた。
はい?
私がぱちくりしているとエリクさんが余裕の微笑みを浮かべた。
「これは、手付け金だ。これから定期的にクルの実をあちらに届けることになった」
マジですか?
いや。
確かに、飛ぶのが速いから選ばれたとか言ってたけどさ!
いくらなんでも速すぎない?
「食料もあちらの商会が支援してくれるそうだ。今、神龍族の者たちが荷解きしてくれている」
そういわけで翌日に最初の交易隊が出発することになった。
といっても神龍族が2頭とそれに騎乗する人が2人だけの行商隊だし、荷物もクルの実の入った木箱が5箱だけだ。
これでまともな商会に相手にしてもらえるのか不安だ。
しかし、エリクさんは、自信ありげたった。
「私にまかせてくれ、ユイ」
「エリク様、お気をつけて」
ルシアさんが今生の別れとでもいうように涙で目をうるうるさせているのにエリクさんは、にっこりと笑って頭を撫でた。
「すぐに戻ってくる。大丈夫。心配しなくてもいい」
エリクさんは、シーラさんの背に乗った。ロイさんの方には、クーノが乗り込む。
なんか知らないが、ロイさんからクーノがいいとのご指名だった。なんでも波長があうのだとか。
そうしてエリクさんたちは、旅立った。
で。
夕方、私たちがレンドールさんの作ってくれた夕食を食べているとドアがノックされた。
レンドールさんが出てみると、それは、エリクさんとクーノだった。
ええっ?
私たちは、ちょっと信じられなくて。
確か、前に、誰かが森を越えるのにうまくいっても何ヵ月もかかるとか言ってなかったっけ?
それなのにもう、帰ってきたの?
私は、もしかしたら何かアクシデントがあったのかな、と思った。
荷物を落っことしちゃったとか。
なんかの魔物に攻撃されちゃったとか。
でも、エリクさんは、ご機嫌で。
「帰ったよ、みんな」
笑顔が眩しいエリクさんの様子では、とても失敗したようには見えなかった。
ああ、そうか。
私は、ポンと手を打った。
エリクさんも一応は、もと王族。
この程度のお使いすらできないとなるとさすがにプライドが傷つくわけだ。
そこで行ってきたけどダメでした、ってことにしたのかな?
「お疲れさま、エリクさん」
私は、なんでもお見通しというような顔でエリクさんを向かえてあげた。
大丈夫。
よくわかってますよ。
エリクさんは、ふっと微笑むと私に白い封筒を手渡した。
「ラトラニス王国王太子殿下からの交易許可証だ。これで私たちは、あちらの王国に認められた交易相手となった」
またまた。
私は、生暖かい目でエリクさんを見つめた。
こんな芸の細かいことをするなんて、さすがは、エリクさん。
エリクさんは、背後にいるクーノを呼ぶとクーノが抱えていたものを私たちの前の床に置いた。
それは、茶色の皮袋で。
中を見ると金貨がじゃらじゃら入っていた。
はい?
私がぱちくりしているとエリクさんが余裕の微笑みを浮かべた。
「これは、手付け金だ。これから定期的にクルの実をあちらに届けることになった」
マジですか?
いや。
確かに、飛ぶのが速いから選ばれたとか言ってたけどさ!
いくらなんでも速すぎない?
「食料もあちらの商会が支援してくれるそうだ。今、神龍族の者たちが荷解きしてくれている」
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