スラムに堕ちた追放聖女は、無自覚に異世界無双する～もふもふもイケメンも丸っとまとめて面倒みます～

6 交易とか開発とか

6ー4 久しぶりのお風呂！

　６ー４　久しぶりのお風呂！

　「エリク様の作った薬が・・」
　ルシアさんが涙ぐむ。
　「なんてこと！」
　泣き出したルシアさんをエリクさんがそっと抱き寄せて頭を撫でてやる。
　マジで役得だな、おい！
　私がじとっと見ているとルシアさんがえぐえぐしながら言った。
　「エリク様の努力が報われた・・あの、呪いの魔液と呼ばれても屈することなく作り続けたエリク様の努力がついに報われたんですね！」
　ええっ？
　呪いの魔液？
　なにげにすごくディスってないですか？
　エリクさんは、複雑そうだ。
　がんばって作ってたものがこんなもとの姿を残すところもなく変化させられてしまって。でも、すごい薬になったとか言われて嬉しそうでもあるし。
　とにかくそれは、置いといて。
　台所の横の部屋を見るとそこは、収納庫のようだった。小麦とかが置かれている。
　さらに隣の部屋を覗くと、そこには、まさかのものがあった。
　木でできた浴槽と広い洗い場のあるお風呂場だった。
　マジで？
　私が小躍りしているとルシアさんたちが不思議そうにしている。
　「どうしたんですか？ユイ」
　「どうもこうも！」
　私は、満面の笑みを浮かべていた。
　「お風呂だよ、お風呂！」
　精霊、えらい！
　もう、復讐するとか言わない！
　褒めてやる！
　「おふろ？」　
　また、ルシアさんたちがキョトンとなってるし。
　私は、ここがどんなに素晴らしいものかを説明してやった。
　「つまり、体を洗うための部屋ということですか？」
　ルシアさんにきかれて頷くと、ルシアさんが半信半疑な感じで見つめてくる。
　そうやら風呂に入ったことがないらしい。
　「もうすぐ夕食ですし、さきにお二人は風呂に入られてはいかがですか？」
　私たちのやり取りを見ていたレンドールさんが提案してくれたので私は、思いっきり頷いていた。
　久しぶりのお風呂！
　ここでは、もう永遠に入れないのではと思っていたお風呂！
　というか、お湯は？
　やっぱり私が作ればいいの？
　まあ、なんでもいいよ！
　風呂に入れるならもう、文句なんて言わないし！
　私は、エリクさんたちを風呂場から追い出すと湯船にお湯を張るために水を出した。空中に浮かべた水をほどよい温度に温めるとそれを湯船に入れる。
　「うん。いい湯」
　湯船に手を入れて温度を確かめると私は、服を脱ぎ始めた。
　ここまでくるとすべてを理解したルシアさんも服を脱いでいく。
　私たちは、湯船の側に行くとそこに置かれていた手桶に風呂の湯を汲んで体を流すとお湯に入った。