スラムに堕ちた追放聖女は、無自覚に異世界無双する～もふもふもイケメンも丸っとまとめて面倒みます～

5 領地開発したら精霊が現れた件

5ー6 3日も眠ってたんですか？

　５ー６　3日も眠ってたんですか？

　「あの・・どうなってるかみて回りたいんだけど」
　私がそう言うとノマさんが船で案内してくれることになった。
　ノマさんは、私を船に乗せるとその湖をこぎ出した。
　広い湖の湖面は凪いでいて静かだった。船を進めていくとあちらこちらに水面から顔を出しているクルの木がはえていてそこにエリクさんの小屋と同じような家がのっかっていた。人々は、戸惑いながらも順応しようとしているようだ。
　というか、木の上から魚釣りしてる子供たちがいるし！
　「ここ、魚がいるわけ？」
　私がきくとノマさんが水面を指差した。
　「ほら、あそこ」
　私が船から頭を出して覗き込むと透き通った水の中を巨大な魚影が泳いでいるのが見えた。
　なんで？
　確かに私は、昨夜、あのハムシもどき、改め精霊たちにお願いしたけど、別に、こんな湖にしてとか、魚いっぱい住ましてとか言ってないし！
　ノマさんは、私を湖の端っこまで連れていってくれた。
　どうやらこちらは王都とは逆側らしくて湖の岸には草原が拡がっていてウサギみたいな生き物がひょこっと顔を出している。ヘイが尋常じゃない興味を持ってウサギをみているから私は、ヘイを岸に下ろしてやった。
　ぐわっとヘイが巨大化するとウサギを追い始める。あっという間にウサギを仕留めて嬉しげに船まで持ってくる。
　いや！
　そんなもの差し出されても！
　困っているとノマさんが代わりに受け取ってくれた。
　「すごいな、ヘイ。えらいぞ！トビウサギを狩ってくるなんて！これで晩飯は、肉が食えるぞ！」
　めっちゃ嬉しそうなノマさん。
　ヘイは、獲物を差し出すとすぐにまたウサギを追いかける。
　この調子だと、この辺りのウサギを狩り尽くしてしまいそうだな。
　私がぼんやり思っていると森の方から人が現れた。
　ってか、ルシアさんとクーノ、それに見知らぬ子供たち？
　そういえば遠くの岸にいくつか船が停まってたような。
　「ユイ！」
　ルシアさんが駆け出してくる。
　「よかった。目が覚めたのね」
　そりゃ、目も覚めますよ。
　私は、妙にテンションが高いルシアさんに驚いていた。もしかしてドブ沼が湖化してハイになってるんですか？
　どうやらルシアさんとクーノたちは、森にキノコやら食べられる草やらを採集にきていたようだ。
　というか、ルシアさんがなぜか、目に涙を溜めて私に抱きついてくるんですけど？
　私が抱きつかれてビックリしているのを見てノマさんがぽつりと言った。
　「無理もないんだよ。だって、お前、もう３日も寝てたんだし」
　なんですと？
　私、３日も眠ってたんですか？