スラムに堕ちた追放聖女は、無自覚に異世界無双する~もふもふもイケメンも丸っとまとめて面倒みます~

トモモト ヨシユキ

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4 美味しいは、正義です。

4ー12 お断りします!

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 4ー12 お断りします!

 「お断りします!」
 私は、キンドさんの手を払い除けた。
 「それに、ここからも出ていきませんから!」
 「何を言ってる」
 「私は、誰がなんといってもここから出ていかないから!」
 私は、はっきりきっぱり言い放った。
 エリクさんが驚いたみたいな顔をして私を見ている。私は、2人に宣言した。
 「私は、最後までここに残って戦うからね!ここは、誰のものでもない。『ヴェータ』沼は、ここを必要とする人のための場所だから!」
 「下手に出ればいい気になって・・」
 キンドさんが私の胸ぐらを掴んで持ち上げた。
 「お前なんてなんとでもできるんどぞ?」
 「すればいいでしょ!」
 私は、キンドさんを睨み付ける。
 「できるものならね!」
 不意に何かが視線の隅から飛んできてキンドさんが手を離した。
 私は、その場に尻餅をついた。
 いたっ!
 お尻を擦りながら見上げるとそこには巨大な猫の化物がいた。
 その黒い大きな猫は、キンドさんを前足で押さえつけて首もとに噛みつこうとするように牙をむいていた。
 「ヘイ?」
 黒い巨大な猫がちらっと私を見た。その青い瞳は、ヘイのものに間違いなかった。
 「おい!この魔物をはやく殺せ!」
 キンドさんがノマさんとクーノに命じた。でも、2人は、動こうとはしない。
 それどころか小屋の扉を押さえて誰も入ってこれないようにしてる?
 「キンドさん、俺たちもここに残る」
 ノマさんがキンドさんの頭もとにしゃがみ込むとキンドさんを覗き込んだ。
 「俺たちは、仲間を見捨てたりしねぇ」
 ノマさんの言葉にクーノとルシアさんも頷いた。
 みんな!
 私は、泣きそうになった。いや、泣かないけど。
 「なら、私も残るしかないな」
 エリクさんが口を開いた。
 はい?
 私は、エリクさんをじっと見つめた。エリクさんは、私を見つめて静かに話した。
 「もと王族のエリク・イル・ラシウスではなく、ただの薬師のエリクとして」
 マジか。
 エリクさんがキンドさんの上にいるヘイをどけるようにと私に言ったので私は、ヘイの名を呼んだ。ヘイは、すぐに小さくなって私のもとへと駆け寄り足元にすりすりし始めた。
 
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