30 / 170
3 『ヴェータ』沼の聖女
3ー3 握手券でもいいんじゃない?
しおりを挟む
3ー3 握手券でもいいんじゃない?
「エリク様は、ほんとなら将来この国の国王になる筈だった方なんです」
ルシアさんが突然の爆弾発言。
将来の王様ってことは、王子様なんですか?
私は、なんとなく納得していた。
エリクさんのただのイケメンを越えたイケメンっぷりは、王子様のせいだった。たとえ王位継承権を剥奪されててもエリクさんの王子様キャラが変わることはないのだ。
しかし、王子様がなぜ、よりにもよってこの『ヴェータ』沼に?
いくら魔法の使えない薬師でももっと普通にいいところに住めるんじゃないの?
「エリク様は、たとえ魔法が使えずとも私たち民のことを1番に考えてくださる方なんです」
ルシアさんが目をキラキラさせて話してくれる。
「だから、この『ヴェータ』沼で薬師をしてくださっているんです」
マジか。
なんかよくわからないけど、1つだけわかったことがある。
それは、ルシアさんがめっちゃエリクさんのこと好きだということ。いや。好きというより、崇拝してる感じ?
こんな美人で、グラビアアイドル並みのプロポーションを持っているんだし、性格も悪くない。
もし、私より子供じゃなければライバル視してしまう。
まあ、エリクさんは、私ですら子供過ぎて対象外だというんだし、ルシアさんには悪いけど、 子供扱いの私よりさらに2つも年下なんだし、もう幼児だよね?
胸部装甲が特化された幼児か。
それはそれで需要があるのかもしれない。ただ、私に関係ないところでやって欲しいんだけど。
私たちは、うだうだ言いながら軟膏を作っていた。軟膏といっても薬効のある干し草を粉にして小麦粉を練ったものに混ぜるというだけのものなんだけど。
切り傷とかやけどとかに効くことになっているらしいけど、ほんと、これで治るなら薬なんていらないんじゃね?
できた薬を貝殻につめていく。
これをエリクさんは、1貝殻につき銅貨2枚で売っている。安いんだか高いんだかわからないけど、おそらくは、安いんだろう。
私なら効かない薬を売るぐらいならエリクさんの握手券でも売った方がいいと思うんだけど。
「エリク様は、ほんとなら将来この国の国王になる筈だった方なんです」
ルシアさんが突然の爆弾発言。
将来の王様ってことは、王子様なんですか?
私は、なんとなく納得していた。
エリクさんのただのイケメンを越えたイケメンっぷりは、王子様のせいだった。たとえ王位継承権を剥奪されててもエリクさんの王子様キャラが変わることはないのだ。
しかし、王子様がなぜ、よりにもよってこの『ヴェータ』沼に?
いくら魔法の使えない薬師でももっと普通にいいところに住めるんじゃないの?
「エリク様は、たとえ魔法が使えずとも私たち民のことを1番に考えてくださる方なんです」
ルシアさんが目をキラキラさせて話してくれる。
「だから、この『ヴェータ』沼で薬師をしてくださっているんです」
マジか。
なんかよくわからないけど、1つだけわかったことがある。
それは、ルシアさんがめっちゃエリクさんのこと好きだということ。いや。好きというより、崇拝してる感じ?
こんな美人で、グラビアアイドル並みのプロポーションを持っているんだし、性格も悪くない。
もし、私より子供じゃなければライバル視してしまう。
まあ、エリクさんは、私ですら子供過ぎて対象外だというんだし、ルシアさんには悪いけど、 子供扱いの私よりさらに2つも年下なんだし、もう幼児だよね?
胸部装甲が特化された幼児か。
それはそれで需要があるのかもしれない。ただ、私に関係ないところでやって欲しいんだけど。
私たちは、うだうだ言いながら軟膏を作っていた。軟膏といっても薬効のある干し草を粉にして小麦粉を練ったものに混ぜるというだけのものなんだけど。
切り傷とかやけどとかに効くことになっているらしいけど、ほんと、これで治るなら薬なんていらないんじゃね?
できた薬を貝殻につめていく。
これをエリクさんは、1貝殻につき銅貨2枚で売っている。安いんだか高いんだかわからないけど、おそらくは、安いんだろう。
私なら効かない薬を売るぐらいならエリクさんの握手券でも売った方がいいと思うんだけど。
49
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説

王様と喪女
舘野寧依
恋愛
只野はるか、27歳事務員。漫画を描くことと、預金通帳の残高を見ることだけが生きがいの非モテ女。
そんな彼女が大事な原稿を抱えてジャージ姿でいきなり落ちた先は、なぜか異世界の王様の婚約誓約書の上だった。
怒り心頭の王様は、責任をとって結婚しろとはるかに迫るが……?
これは、自分はもてないと思っている女と結婚は政略と考えている王様とそして+α達の物語。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャららA12・山もり
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。


追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
【完結】異世界召喚 (聖女)じゃない方でしたがなぜか溺愛されてます
七夜かなた
恋愛
仕事中に突然異世界に転移された、向先唯奈 29歳
どうやら聖女召喚に巻き込まれたらしい。
一緒に召喚されたのはお金持ち女子校の美少女、財前麗。当然誰もが彼女を聖女と認定する。
聖女じゃない方だと認定されたが、国として責任は取ると言われ、取り敢えず王族の家に居候して面倒見てもらうことになった。
居候先はアドルファス・レインズフォードの邸宅。
左顔面に大きな傷跡を持ち、片脚を少し引きずっている。
かつて優秀な騎士だった彼は魔獣討伐の折にその傷を負ったということだった。
今は現役を退き王立学園の教授を勤めているという。
彼の元で帰れる日が来ることを願い日々を過ごすことになった。
怪我のせいで今は女性から嫌厭されているが、元は女性との付き合いも派手な伊達男だったらしいアドルファスから恋人にならないかと迫られて
ムーライトノベルでも先行掲載しています。
前半はあまりイチャイチャはありません。
イラストは青ちょびれさんに依頼しました
118話完結です。
ムーライトノベル、ベリーズカフェでも掲載しています。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる