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1 いきなりスラムかよ?

1ー13 なんでよりにもよって?

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 1ー13 なんでよりにもよって?

 『つい先日のことです』
 ルキエルは、とうとうと話続ける。
 『あなたは、偽物の聖女によって暗殺されかけたのです』
 暗殺ですと?
 私は、ぎょっとしてしまった。
 暗殺とは、穏やかでない。というかたかが聖女か聖女じゃないかとかでそこまでするんですか?
 「犯人は?」
 私が問うとルキエルは、しばらく黙り込んだ。
 うん?
 私は、ルキエルを見つめた。
 「もしかしてまだ捕まってないの?」
 『はい』
 ルキエルがほんの少しだけ申し訳なさげな様子を見せた。
 『誰が偽物かすらもわからないのでとりあえずこの地にあなたを転移しました。あなたを逃がすことしか今の私には、できることがなかったので』
 えっと・・・
 私は、ルキエルに問いただした。
 「私を逃がすことしかできないのは、仕方ないとして、なんでよりにもよってここなわけ?」
 ほんと、もっといくらでも逃がせるところがあるんじゃないの?
 どっかの田舎町とか、それともどっかの山奥とか。どこだって逃げ場所はあるだろうに、なんでわざわざここなわけ?
 ちょっとかなりの悪意を感じる。
 ルキエルは、私の考えていることを読み取ったらしく一応説明してくれた。
 『ここは、王都からも近いですからこれからのことを考えるといろいろ都合がいいんです。連中もまさかここにいるとは思わないでしょうし。何より、ここは、瘴気が強いので聖女の皆さんは近づかないでしょうから』
 「ちょっと待って!」
 私は、ルキエルに手を伸ばすとがしっと鷲掴んだ。ルキエルがハエが潰されるような悲鳴をあげる。いや、ハエは潰されるときに悲鳴はあげないかもだけど。
 「ここって聖女は、近づかないようなとこなわけ?」
 『離してください!』
 「いや、答えるまでは離さないから!」
 私の決意が固いことを知るとルキエルは、渋々答えた。
 『まあ、聖女のみなさんは、瘴気が苦手な方が多いですから』
 マジか!
 「なら、なんで?」
 『私が王都を探りつつあなたをお守りできる場所がここしかなかったので!』
 ルキエルが必死に訴えた。
 『できるだけはやく穏便に解決しますから!少しだけここで我慢してください!ユイ』
 
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