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第5章 魔女の血族
その14
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気がつくとわたしたちは、ランナクルスの城の庭に立っていた。
「転移したの?」
わたしは、辺りを見回した。
そこは、色とりどりの美しい花が咲き乱れ、甘い香りが漂っていた。
ロクがわたしの耳元で囁く。
「だから、君を離したくなかったんだ、クロト」
ロクの低い声に耳をくすぐられてわたしは、体をこわばらせた。
ロクは、気にする様子もなくわたしの耳に唇をよせる。
「これでもう、君を隠しておくことはできなくなってしまった」
わたしは、ついさっき冒険者ギルドで起こったことを思い出して首を傾げた。
「変、ね。わたしのスキルは、錬金術だけの筈なんだけど」
「君は」
ロクは、わたしをぎゅっと抱きしめた。
「まぎれもなく聖女なんだよ、クロト」
ロクは。
わたしを強く抱いたまま話した。
「5年前、君は、本当は、聖女として選ばれる筈だった。だが、それを望まない者がいた」
ロクは、信じられない言葉を継いだ。
「それは、君のもと婚約者の一族の者たちだ」
「キースの?」
わたしは、信じられない思いだった。
あの、キースの一族。
王族に連なる者たちであるリード家の人々がわたしが聖女であることを望まなかった?
「そんなこと」
「君は!」
ロクが少し体を離してわたしのことを覗き込んだ。
「まだ、奴らのことを信じているのか?クロト。君をあんな風に捨てた、あの連中のことを?」
「だって!」
わたしは、ロクを見上げると何かを言おうとした。
けど。
言葉が出ない。
なぜ?
なんでリード一族は、わたしを?
キースは?
彼は、このことを知っていたの?
「キースは・・?」
わたしがきこうとするとロクがわたしの唇を自分の唇でふさいだ。
「んぅっ!」
わたしは、ロクを突きはなそうとして彼の胸を両手で押した。
けれど、彼は、びくともしない。
やだっ!
わたしは、急に怖くなって。
必死にロクの胸を叩いて暴れる。
それでもロクは、わたしを貪るのをやめなかった。
わたしは。
泣きながらロクの胸元を叩き続けた。
なんで?
なんでキースは、わたしを?
わたしが聖女だったのなら、なんでわたしを捨てたの?
なぜ?
「転移したの?」
わたしは、辺りを見回した。
そこは、色とりどりの美しい花が咲き乱れ、甘い香りが漂っていた。
ロクがわたしの耳元で囁く。
「だから、君を離したくなかったんだ、クロト」
ロクの低い声に耳をくすぐられてわたしは、体をこわばらせた。
ロクは、気にする様子もなくわたしの耳に唇をよせる。
「これでもう、君を隠しておくことはできなくなってしまった」
わたしは、ついさっき冒険者ギルドで起こったことを思い出して首を傾げた。
「変、ね。わたしのスキルは、錬金術だけの筈なんだけど」
「君は」
ロクは、わたしをぎゅっと抱きしめた。
「まぎれもなく聖女なんだよ、クロト」
ロクは。
わたしを強く抱いたまま話した。
「5年前、君は、本当は、聖女として選ばれる筈だった。だが、それを望まない者がいた」
ロクは、信じられない言葉を継いだ。
「それは、君のもと婚約者の一族の者たちだ」
「キースの?」
わたしは、信じられない思いだった。
あの、キースの一族。
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「そんなこと」
「君は!」
ロクが少し体を離してわたしのことを覗き込んだ。
「まだ、奴らのことを信じているのか?クロト。君をあんな風に捨てた、あの連中のことを?」
「だって!」
わたしは、ロクを見上げると何かを言おうとした。
けど。
言葉が出ない。
なぜ?
なんでリード一族は、わたしを?
キースは?
彼は、このことを知っていたの?
「キースは・・?」
わたしがきこうとするとロクがわたしの唇を自分の唇でふさいだ。
「んぅっ!」
わたしは、ロクを突きはなそうとして彼の胸を両手で押した。
けれど、彼は、びくともしない。
やだっ!
わたしは、急に怖くなって。
必死にロクの胸を叩いて暴れる。
それでもロクは、わたしを貪るのをやめなかった。
わたしは。
泣きながらロクの胸元を叩き続けた。
なんで?
なんでキースは、わたしを?
わたしが聖女だったのなら、なんでわたしを捨てたの?
なぜ?
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