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第4章 変わらない世界
その10
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「わたしの一番大切なもの?」
わたしは、悪魔を見上げたままきいた。
悪魔は、微笑みを崩すことなくわたしの前に降り立ち手を差し伸べる。
「気にすることはない。私にとって価値のあるものが必ずしも君にとっても価値があるとは限らない。それより、君、このままだと殺されるよ?」
悪魔は、わたしが戸惑っている間にも囁きかける。
「死にたくなければ私の手を取りなさい。さあ」
促されてわたしは、恐る恐る悪魔の手を取った。
悪魔は、わたしを立ち上がらせると腰に手を回して立ち上がらせた。
うん。
近くで見ても正視するのが眩しいくらい美しい。
悪魔は、わたしを抱き締めると耳元でそっときいた。
「クロトと呼んでいいか?」
わたしが頷くと悪魔は、満足げに笑みを浮かべた。
「君も私のことは、ロクと呼ぶといい、愛しい人」
はいぃ?
わたしは、ロクの言葉に顔がぼっと熱くなる。
愛しい人?
ロクは、クスっと笑うとわたしの額に口づける。
「君は、たった今から私の魂の伴侶となった」
「は、伴侶?」
驚きで口をはくはくさせているわたしを見つめてロクは頷いた。
「そうだ。君は、たった今、私との婚姻契約を結んだ。私の妻、だ」
なんですと?
ロクは、口もきけなくなっているわたしを抱き上げるとにっこりと微笑む。
「では、花嫁を家にお連れしよう」
ロクの周囲の空間が白く光る。
次の瞬間。
わたしたちは、どこかの屋敷の前にいた。
それは、すごく立派なお屋敷でまるでお城のようだった。
というか、クロフクロストの王城よりも立派?
ロクは、わたしを抱いたまま屋敷の方へと歩き出す。
するとどこからか現れた使用人らしき人たちが屋敷の扉を開いた。
「おかえりなさいませ、旦那様」
「ああ、ただいま、みんな」
ロクは、すたすたと屋敷の中へと入っていく。
わたしは、恥ずかしくってロクの腕の中でじたばたした。
「お、おろして!」
「ダメだよ、愛しい人。初めて君を家に連れてきたんだから、このまま抱いて入らなくては」
ロクは、わたしを抱いて屋敷の大きな階段を上っていき2階の奥まった部屋へと向かった。
また、使用人が扉を開きロクは、中に入っていくとわたしを広々とした居心地のよさそうな部屋のふかふかのソファの上に座らせた。
部屋は、豪奢だけど暮らしやすそうだった。
大きな天蓋つきのベッドに、ソファ、あちこちに休めるような可愛らしい椅子が置かれている。
部屋の壁には可愛らしい絵や花が飾られていて。
まるで、夢見ているよう。
「どう?気に入ってくれた?クロト」
ロクがわたしの隣に腰を下ろす。
「私が君のために用意した部屋だ。ちなみに隣の私の部屋とはあちらのドアで繋がっているからね」
部屋の隅にある小さなドアに目をやりわたしは、言葉を失った。
わたしは、悪魔を見上げたままきいた。
悪魔は、微笑みを崩すことなくわたしの前に降り立ち手を差し伸べる。
「気にすることはない。私にとって価値のあるものが必ずしも君にとっても価値があるとは限らない。それより、君、このままだと殺されるよ?」
悪魔は、わたしが戸惑っている間にも囁きかける。
「死にたくなければ私の手を取りなさい。さあ」
促されてわたしは、恐る恐る悪魔の手を取った。
悪魔は、わたしを立ち上がらせると腰に手を回して立ち上がらせた。
うん。
近くで見ても正視するのが眩しいくらい美しい。
悪魔は、わたしを抱き締めると耳元でそっときいた。
「クロトと呼んでいいか?」
わたしが頷くと悪魔は、満足げに笑みを浮かべた。
「君も私のことは、ロクと呼ぶといい、愛しい人」
はいぃ?
わたしは、ロクの言葉に顔がぼっと熱くなる。
愛しい人?
ロクは、クスっと笑うとわたしの額に口づける。
「君は、たった今から私の魂の伴侶となった」
「は、伴侶?」
驚きで口をはくはくさせているわたしを見つめてロクは頷いた。
「そうだ。君は、たった今、私との婚姻契約を結んだ。私の妻、だ」
なんですと?
ロクは、口もきけなくなっているわたしを抱き上げるとにっこりと微笑む。
「では、花嫁を家にお連れしよう」
ロクの周囲の空間が白く光る。
次の瞬間。
わたしたちは、どこかの屋敷の前にいた。
それは、すごく立派なお屋敷でまるでお城のようだった。
というか、クロフクロストの王城よりも立派?
ロクは、わたしを抱いたまま屋敷の方へと歩き出す。
するとどこからか現れた使用人らしき人たちが屋敷の扉を開いた。
「おかえりなさいませ、旦那様」
「ああ、ただいま、みんな」
ロクは、すたすたと屋敷の中へと入っていく。
わたしは、恥ずかしくってロクの腕の中でじたばたした。
「お、おろして!」
「ダメだよ、愛しい人。初めて君を家に連れてきたんだから、このまま抱いて入らなくては」
ロクは、わたしを抱いて屋敷の大きな階段を上っていき2階の奥まった部屋へと向かった。
また、使用人が扉を開きロクは、中に入っていくとわたしを広々とした居心地のよさそうな部屋のふかふかのソファの上に座らせた。
部屋は、豪奢だけど暮らしやすそうだった。
大きな天蓋つきのベッドに、ソファ、あちこちに休めるような可愛らしい椅子が置かれている。
部屋の壁には可愛らしい絵や花が飾られていて。
まるで、夢見ているよう。
「どう?気に入ってくれた?クロト」
ロクがわたしの隣に腰を下ろす。
「私が君のために用意した部屋だ。ちなみに隣の私の部屋とはあちらのドアで繋がっているからね」
部屋の隅にある小さなドアに目をやりわたしは、言葉を失った。
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