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第5章 社交界の陰謀その2
5ー12 人に戻りたい!
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5ー12 人に戻りたい!
俺は、一声吠えた。
「ぐおぉおっ!」
俺の雄叫びは、その場の空気を切り裂き竜たちの動きをとどめた。
一瞬でその場にいる竜たちがみな俺の方を注視した。
俺は、声を張り上げた。
「俺は、ロイド・ライゼンバーグ。数年前までお前たちと同じドラグーン騎兵隊の一員だった者だ」
「ロイド・ライゼンバーグ?」
竜たちの中から一際大きな体格の赤褐色の竜が進み出た。
「生きていたのか」
「ラミナス隊長」
俺は、隊長に呼び掛けた。
「隊長もご無事で何よりです」
「裏切り者のロイド・ライゼンバーグだと?」
隊長の背後から黒い巨大な竜が現れた。
「なぜ、お前がここにいる?」
「みなを救うためだ」
俺は、みなに聞こえるように話した。
「アイヒミューゼン王国は、我々に呪いをかけて記憶を奪ったうえで竜と化して戦わせていた。俺は、記憶が戻ったから逃亡したが、この度、みなを救うために戻ってきた」
「我々を救うだと?」
黒い竜が唸った。
「呪いでこんな姿にされた俺たちをもとの姿に戻してくれるのか?」
「いや。それは、不可能だ。俺にはまだそんな力はない。しかし、みなを人形に戻すことは可能だ」
「本当か?」
ラミナス隊長にきかれて俺は、頷いて背に乘っているチヒロを指して告げた。
「このチヒロの力を持ってすれば可能だろう」
俺の言葉をきいたラミナス隊長と黒龍は、顔を見合わせていたがすぐに答えた。
「そんなことができるのか?」
「ああ」
俺は、少し頭を下げてチヒロを示した。
「このチヒロは、世界で最強のマジックキャンセラーの力を持っているからな」
ラミナス隊長と黒龍は、少しの間声を潜めて話していたが、すぐに俺に向き直った。
「私たちは、みな混乱している。というのもなぜ、みな、ここにいるのかもわからないのだ」
無理もない。
俺は、ラミナス隊長に話した。
「俺も、そうでした。突然、魔法で消されていた記憶を取り戻したのです。このドラグーン騎兵隊のみながどうしてここにきたのかまでは、俺にはわかりませんが、中には俺と同じように騙されて呪いをかけられたものもいるかもしれません」
俺の話をきいてラミナス隊長は、しばらく考えていたが顔をあげると俺に告げた。
「お前は、俺たちにかけられた術を解く手段があるのか?」
「それは、まだ、ありません。しかし、みなさんを人化することは可能です」
「俺は、人の姿に戻りたい!」
黒龍が吠えた。
「こんな姿にされて死ぬまで戦わされるのはごめんだ!」
「しかし、もし、国を裏切れば我々は逃亡兵として追われることになる」
ラミナス隊長が黒龍にいうと黒龍は、きっぱりと答えた。
「それでも俺たちは、みな、人の姿に戻りたいです、隊長」
俺は、一声吠えた。
「ぐおぉおっ!」
俺の雄叫びは、その場の空気を切り裂き竜たちの動きをとどめた。
一瞬でその場にいる竜たちがみな俺の方を注視した。
俺は、声を張り上げた。
「俺は、ロイド・ライゼンバーグ。数年前までお前たちと同じドラグーン騎兵隊の一員だった者だ」
「ロイド・ライゼンバーグ?」
竜たちの中から一際大きな体格の赤褐色の竜が進み出た。
「生きていたのか」
「ラミナス隊長」
俺は、隊長に呼び掛けた。
「隊長もご無事で何よりです」
「裏切り者のロイド・ライゼンバーグだと?」
隊長の背後から黒い巨大な竜が現れた。
「なぜ、お前がここにいる?」
「みなを救うためだ」
俺は、みなに聞こえるように話した。
「アイヒミューゼン王国は、我々に呪いをかけて記憶を奪ったうえで竜と化して戦わせていた。俺は、記憶が戻ったから逃亡したが、この度、みなを救うために戻ってきた」
「我々を救うだと?」
黒い竜が唸った。
「呪いでこんな姿にされた俺たちをもとの姿に戻してくれるのか?」
「いや。それは、不可能だ。俺にはまだそんな力はない。しかし、みなを人形に戻すことは可能だ」
「本当か?」
ラミナス隊長にきかれて俺は、頷いて背に乘っているチヒロを指して告げた。
「このチヒロの力を持ってすれば可能だろう」
俺の言葉をきいたラミナス隊長と黒龍は、顔を見合わせていたがすぐに答えた。
「そんなことができるのか?」
「ああ」
俺は、少し頭を下げてチヒロを示した。
「このチヒロは、世界で最強のマジックキャンセラーの力を持っているからな」
ラミナス隊長と黒龍は、少しの間声を潜めて話していたが、すぐに俺に向き直った。
「私たちは、みな混乱している。というのもなぜ、みな、ここにいるのかもわからないのだ」
無理もない。
俺は、ラミナス隊長に話した。
「俺も、そうでした。突然、魔法で消されていた記憶を取り戻したのです。このドラグーン騎兵隊のみながどうしてここにきたのかまでは、俺にはわかりませんが、中には俺と同じように騙されて呪いをかけられたものもいるかもしれません」
俺の話をきいてラミナス隊長は、しばらく考えていたが顔をあげると俺に告げた。
「お前は、俺たちにかけられた術を解く手段があるのか?」
「それは、まだ、ありません。しかし、みなさんを人化することは可能です」
「俺は、人の姿に戻りたい!」
黒龍が吠えた。
「こんな姿にされて死ぬまで戦わされるのはごめんだ!」
「しかし、もし、国を裏切れば我々は逃亡兵として追われることになる」
ラミナス隊長が黒龍にいうと黒龍は、きっぱりと答えた。
「それでも俺たちは、みな、人の姿に戻りたいです、隊長」
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