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第5章 社交界の陰謀その2
5ー4 運動しよう!
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5ー4 運動しよう!
そう。
この剣と魔法の世界では、神殿に頼めば血の繋がった親子かどうかを魔法で調べられるのだ。
だが、マイヒナがいうにはそれを調べるためには俺の髪の毛が必要なのだとかで、まだ、神殿はロウランの子供の判定ができずにいるらしい。
「すぐに神都ライヒバーンに帰るぞ!」
俺が言うとアーリアが待ったをかけた。
「ロイド様が本当に心当たりがないのであれば、神殿に行けばそのことはすぐにばれてしまいます。それなのにその女は、わざわざ神殿に訴えたのでしょう?もしかしたら何かあるのかもしれませんわ」
「私もそう思います」
ユーリスも俺に告げた。
「わざわざ神殿に訴え出たこともだけれど、ロイド様が神都ライヒバーンを離れているこの時期にということも引っ掛かりますわ。敵は、何かたくらんでいるのかもしれません。しばらく様子を見てから神都に戻られるほうがよろしいのでは?」
二人の新しい婚約者たちのアドバイスにより俺は、神都ライヒバーンに戻るのを先延ばしにすることにした。
アーリアとユーリスは、俺たちよりも先に神都ライヒバーンへと戻り、アイヒミューゼン王国の大使であるスクレイド・ライゼンバーグとその元婚約者であるロウラン・サトラスについて調査してくれることになった。
その間、俺は、このアトスの街に足止めされることになる。
俺は、ウルマグライン魔法学園の授業もあるしチヒロとリータをアーリアたちと一緒に神都へと戻らせるつもりだった。
しかし、チヒロが駄々をこねた。
「僕は、ロイドの従者だからここにロイドが残るなら僕もここに残る!」
どうしたもんかな。
俺は、頭を悩ませていた。
チヒロと離れたくはない。
しかし、いつ神都ライヒバーンに戻れるかもわからないのにチヒロを付き合わせるわけにはいかない。
「俺は、一人でも大丈夫だ。チヒロは、学園に戻って勉学に励め」
チヒロは、何か言いたそうだったが大人しく俺の言うとおりにする気になったようだ。
俺は、マイヒナにチヒロのことを頼むと翌日には、チヒロたちを神都ライヒバーンへと送り出した。
宿に一人残された俺は、部屋にこもって仕事三昧の日々を送ることになった。
問題は、いろいろ山積している。
空船の開発。
それにエルフの国のこともある。
俺は、マイヒナに命じてクルエイサー国を取り巻くアイヒミューゼン王国とシュタウト帝国の戦況を調べさせることにした。
「さて、と」
俺は、毎日書類仕事をしていて体が鈍ってくるのを感じていた。
「少し、運動でもするか」
俺は、宿から風雪のダンジョンのボス部屋へと転移するとブルードラゴンの前に現れた。
俺を見たブルードラゴンは、心底怯えた様子で部屋の隅にうずくまって尻尾を丸めてがたがたと震えだした。
「も、も、もう来ないでっていう約束だったじゃないですか!」
「いや、ごめん」
俺は、笑いながらブルードラゴンに告げた。
「予定が変わってな。しばらくこの辺りで過ごすことになってな。ちょっと運動の相手をしてくれないか?」
運動ときいてブルードラゴンが涙を流しながら叫んだ。
「お断りします!ええ、もちろん、絶対にお断りしますとも!」
そう。
この剣と魔法の世界では、神殿に頼めば血の繋がった親子かどうかを魔法で調べられるのだ。
だが、マイヒナがいうにはそれを調べるためには俺の髪の毛が必要なのだとかで、まだ、神殿はロウランの子供の判定ができずにいるらしい。
「すぐに神都ライヒバーンに帰るぞ!」
俺が言うとアーリアが待ったをかけた。
「ロイド様が本当に心当たりがないのであれば、神殿に行けばそのことはすぐにばれてしまいます。それなのにその女は、わざわざ神殿に訴えたのでしょう?もしかしたら何かあるのかもしれませんわ」
「私もそう思います」
ユーリスも俺に告げた。
「わざわざ神殿に訴え出たこともだけれど、ロイド様が神都ライヒバーンを離れているこの時期にということも引っ掛かりますわ。敵は、何かたくらんでいるのかもしれません。しばらく様子を見てから神都に戻られるほうがよろしいのでは?」
二人の新しい婚約者たちのアドバイスにより俺は、神都ライヒバーンに戻るのを先延ばしにすることにした。
アーリアとユーリスは、俺たちよりも先に神都ライヒバーンへと戻り、アイヒミューゼン王国の大使であるスクレイド・ライゼンバーグとその元婚約者であるロウラン・サトラスについて調査してくれることになった。
その間、俺は、このアトスの街に足止めされることになる。
俺は、ウルマグライン魔法学園の授業もあるしチヒロとリータをアーリアたちと一緒に神都へと戻らせるつもりだった。
しかし、チヒロが駄々をこねた。
「僕は、ロイドの従者だからここにロイドが残るなら僕もここに残る!」
どうしたもんかな。
俺は、頭を悩ませていた。
チヒロと離れたくはない。
しかし、いつ神都ライヒバーンに戻れるかもわからないのにチヒロを付き合わせるわけにはいかない。
「俺は、一人でも大丈夫だ。チヒロは、学園に戻って勉学に励め」
チヒロは、何か言いたそうだったが大人しく俺の言うとおりにする気になったようだ。
俺は、マイヒナにチヒロのことを頼むと翌日には、チヒロたちを神都ライヒバーンへと送り出した。
宿に一人残された俺は、部屋にこもって仕事三昧の日々を送ることになった。
問題は、いろいろ山積している。
空船の開発。
それにエルフの国のこともある。
俺は、マイヒナに命じてクルエイサー国を取り巻くアイヒミューゼン王国とシュタウト帝国の戦況を調べさせることにした。
「さて、と」
俺は、毎日書類仕事をしていて体が鈍ってくるのを感じていた。
「少し、運動でもするか」
俺は、宿から風雪のダンジョンのボス部屋へと転移するとブルードラゴンの前に現れた。
俺を見たブルードラゴンは、心底怯えた様子で部屋の隅にうずくまって尻尾を丸めてがたがたと震えだした。
「も、も、もう来ないでっていう約束だったじゃないですか!」
「いや、ごめん」
俺は、笑いながらブルードラゴンに告げた。
「予定が変わってな。しばらくこの辺りで過ごすことになってな。ちょっと運動の相手をしてくれないか?」
運動ときいてブルードラゴンが涙を流しながら叫んだ。
「お断りします!ええ、もちろん、絶対にお断りしますとも!」
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