54 / 85
第4章 社交界の陰謀
4ー3 ヒポクラティス治療院
しおりを挟む
4ー3 ヒポクラティス治療院
俺が家を追われてからもうすでに3年以上の時が過ぎていた。
俺は、その間、生きることに必死で義兄のことなんか考えもしなかった。
たまに考えるとき、俺は、内臓が焦がされるような苦しみを味わっていた。
そんな苦しみや憎しみの虜になることなく今まで生きられたのは、チヒロのお陰だ。
チヒロがいたから俺は、自分の過去だけに囚われることなく生きてこられたのだ。
そして。
チヒロの力は、俺にこの神都ライヒバーンという最強の力を与えてくれた。
今の俺には、世界を滅ぼすことだってできる。
おそらく義兄への恨みだけに囚われていた頃の俺なら迷うことなくこの力を使って世界を滅ぼしていたことだろう。
だが。
今の俺には、守りたいものがある。
俺は。
俺は、この力でチヒロを本当の王にしたいと思っていた。
チヒロが生きられる世界を造る。
俺は、目を開くと起き上がった。
チヒロのための世界。
俺は、決意をしていた。
なんとしても俺は、チヒロを世界の王にする。
それからすぐに俺は、行動を開始した。
まずは、奈落の俺の領地と神都ライヒバーンを繋ぐゲートの建設を始めた。
神都の神族の血族たちは、俺が勝手にゲートを開こうとしていることをよくは思ってはいなかった。
だが、神族の血族たちのリーダーであるリザイアス家の人々は、俺の味方だった。
カルロバーンたちは、俺のやることを見守ってくれた。
「ロイド・ヘルレイザー辺境伯は、この神都ライヒバーンが認めた者。その彼が望むことは、神都の望みだ」
ゲートで奈落と繋がることで俺は、『ヒポクラティス』商会の新製品の研究を学業と両立させることができるようになった。
と同時に俺は、神都ライヒバーンに診療所を作ることにした。
下界では、教会の手前、診療所を開くことなどできないがここ神都ライヒバーンでは、それも可能だ。
ここにも神殿はあるが、俺は、どちらかというと神殿の中身ともいえる存在なので俺が診療行為をすることをとがめるものもいない。
俺は、『ヒポクラティス』商会の中に医療機関を創設した。
それは、この世界における病院の始まりといえる。
俺は、教会や神殿よりも格安で病人や怪我人を治療することにした。
口コミで患者は、どんどん増えていきマイヒナから苦情がでるようになり、俺は、『ヒポクラティス』商会から移動して神都ライヒバーンの街の中心辺りの屋敷を購入しそこに病院を創建した。
さすがに俺一人では対応しきれないし、俺は、まだ正式には学生の身なので何人かの薬師や、治癒師を雇いいれることにした。
この病院の名前を俺は、特に決めなかった。
人々は、ここを『ヒポクラティス』治療院と呼ぶようになった。
俺が家を追われてからもうすでに3年以上の時が過ぎていた。
俺は、その間、生きることに必死で義兄のことなんか考えもしなかった。
たまに考えるとき、俺は、内臓が焦がされるような苦しみを味わっていた。
そんな苦しみや憎しみの虜になることなく今まで生きられたのは、チヒロのお陰だ。
チヒロがいたから俺は、自分の過去だけに囚われることなく生きてこられたのだ。
そして。
チヒロの力は、俺にこの神都ライヒバーンという最強の力を与えてくれた。
今の俺には、世界を滅ぼすことだってできる。
おそらく義兄への恨みだけに囚われていた頃の俺なら迷うことなくこの力を使って世界を滅ぼしていたことだろう。
だが。
今の俺には、守りたいものがある。
俺は。
俺は、この力でチヒロを本当の王にしたいと思っていた。
チヒロが生きられる世界を造る。
俺は、目を開くと起き上がった。
チヒロのための世界。
俺は、決意をしていた。
なんとしても俺は、チヒロを世界の王にする。
それからすぐに俺は、行動を開始した。
まずは、奈落の俺の領地と神都ライヒバーンを繋ぐゲートの建設を始めた。
神都の神族の血族たちは、俺が勝手にゲートを開こうとしていることをよくは思ってはいなかった。
だが、神族の血族たちのリーダーであるリザイアス家の人々は、俺の味方だった。
カルロバーンたちは、俺のやることを見守ってくれた。
「ロイド・ヘルレイザー辺境伯は、この神都ライヒバーンが認めた者。その彼が望むことは、神都の望みだ」
ゲートで奈落と繋がることで俺は、『ヒポクラティス』商会の新製品の研究を学業と両立させることができるようになった。
と同時に俺は、神都ライヒバーンに診療所を作ることにした。
下界では、教会の手前、診療所を開くことなどできないがここ神都ライヒバーンでは、それも可能だ。
ここにも神殿はあるが、俺は、どちらかというと神殿の中身ともいえる存在なので俺が診療行為をすることをとがめるものもいない。
俺は、『ヒポクラティス』商会の中に医療機関を創設した。
それは、この世界における病院の始まりといえる。
俺は、教会や神殿よりも格安で病人や怪我人を治療することにした。
口コミで患者は、どんどん増えていきマイヒナから苦情がでるようになり、俺は、『ヒポクラティス』商会から移動して神都ライヒバーンの街の中心辺りの屋敷を購入しそこに病院を創建した。
さすがに俺一人では対応しきれないし、俺は、まだ正式には学生の身なので何人かの薬師や、治癒師を雇いいれることにした。
この病院の名前を俺は、特に決めなかった。
人々は、ここを『ヒポクラティス』治療院と呼ぶようになった。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト
春音優月
BL
真面目でおとなしい性格の藤村歩夢は、武士と呼ばれているクラスメイトの大谷虎太郎に密かに片想いしている。
クラスではほとんど会話も交わさないのに、なぜか毎晩歩夢の夢に出てくる虎太郎。しかも夢の中での虎太郎は、歩夢を守る騎士で恋人だった。
夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト。夢と現実が交錯する片想いの行方は――。
2024.02.23〜02.27
イラスト:かもねさま
イケメン俳優は万年モブ役者の鬼門です
はねビト
BL
演技力には自信があるけれど、地味な役者の羽月眞也は、2年前に共演して以来、大人気イケメン俳優になった東城湊斗に懐かれていた。
自分にはない『華』のある東城に対するコンプレックスを抱えるものの、どうにも東城からのお願いには弱くて……。
ワンコ系年下イケメン俳優×地味顔モブ俳優の芸能人BL。
外伝完結、続編連載中です。

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます
オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。
魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
この噛み痕は、無効。
ことわ子
BL
執着強めのαで高校一年生の茜トキ×αアレルギーのβで高校三年生の品野千秋
α、β、Ωの三つの性が存在する現代で、品野千秋(しなのちあき)は一番人口が多いとされる平凡なβで、これまた平凡な高校三年生として暮らしていた。
いや、正しくは"平凡に暮らしたい"高校生として、自らを『αアレルギー』と自称するほど日々αを憎みながら生活していた。
千秋がαアレルギーになったのは幼少期のトラウマが原因だった。その時から千秋はαに対し強い拒否反応を示すようになり、わざわざαのいない高校へ進学するなど、徹底してαを避け続けた。
そんなある日、千秋は体育の授業中に熱中症で倒れてしまう。保健室で目を覚ますと、そこには親友の向田翔(むこうだかける)ともう一人、初めて見る下級生の男がいた。
その男と、トラウマの原因となった人物の顔が重なり千秋は混乱するが、男は千秋の混乱をよそに急に距離を詰めてくる。
「やっと見つけた」
男は誰もが見惚れる顔でそう言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる