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第3章 神都の覇者

3ー8 お茶会

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 3ー8 お茶会

 学園生活は、順調だった。
 俺たちは、かなり浮いていたが まあ、それは、仕方がない。
 俺は、可もなく不可もない。
 子供たちに混じって勉強したり、剣を振るったり、魔法の練習をしたり。
 俺からすれば、かったるいことばかりだったが、チヒロは、すべてを楽しんでいるようだった。
 同い年ぐらいの子供たちに囲まれてチヒロは、だんだん表情も変わってきていた。
 女の子の姿で暮らしているのは、ちょっとあれだが、それ以外は、チヒロは、学園に溶け込んでいた。
 俺たち一行の中では、一番近寄りがたくないチヒロには、ちらほらと友人もできているようだ。
 俺は、チヒロがまた傷つけられるようなことがあってはならないと思っていたがそんな心配も今のところはないようだった。
 俺は、ある日の夕食時にチヒロの話に耳を傾けていた。
 チヒロは、新しくできた友人たちのことを話していた。
 「マデリンは、北方の国リザ-ディア公国の皇女様なんだけど、すごく勉強ができて僕がわからないことを教えてくれるんだ。ルシ-ディアは、西方にあるライランドット王国の王女様で剣技を僕に教えてくれてるんだ。それに」
 チヒロがちらっと俺を見て視線をそらす。
 「ユーリス様は、僕に魔法についてわかりやすく教えてくれるんだ」
 「そうか」
 俺は、食後のお茶を飲みながらチヒロの話をきいていたがちょっといらっとしていた。
 なんで女の子ばかり?
 チヒロは、彼らからすれば少し年下になるしマスコット的に可愛がられているのは理解できる。
 だが。
 チヒロが女の子の話をするのをきくのは少し面白くなかった。
 でも、学園では、女子として過ごしているんだしな。
 逆に男子が群がるよりはましなのか?
 俺が考え込んでいると、チヒロが俺を覗き込んできた。
 「ねぇ、きいてるの?ロイド」
 「ああ?」
 俺は、驚いてチヒロを見つめていた。
 「すまん、なんだった?」
 「もう、ロイドは、僕の話なんてきいてないんだから」
 ぷぅっとほっぺたを膨らませているチヒロもかわいい。
 俺は、チヒロの話に意識を戻した。
 「で?なんの話だったんだ、チヒロ」
 「うん」
 チヒロが嬉しげに俺に話す。
 「今度、ユーリス様のお家でお茶会があるんだけどユーリス様がそれにロイドも招きたいって」
 マジか。
 俺は、本心ではそんなややこしそうなことに参加したくはなかった。
 だが、チヒロのためなら仕方がない。
 俺は、一週間後の休日に開かれるお茶会にチヒロと共にご招待されることになってしまった。
 俺は、チヒロのために付き合いで参加することにしたのだが、チヒロは、複雑そうな顔をしていた。
 チヒロは、さっさと席を立つと宿題があるとかいって部屋に戻った。
 うん?
 俺は、なんだか違和感を感じていた。
 なんで?
 俺は、首を傾げた。
 俺は、チヒロの望むようにしているのになんでチヒロは、少し、不機嫌そうだったんだ?
 
 
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