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第3章 神都の覇者
3ー6 神都
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3ー6 神都
「キルヒは、私たちの妹だ」
カイロバーンが俺たちに話した。
「だが、彼女は、300年前に生け贄に捧げられた」
「生け贄?」
俺がきくとサイラスが頷いた。
「そうだ」
サイラスがカイロバーンの手をとりながら答える。
「キルヒは、この都のために捧げられた」
二人が話すことによるとこの神都ライヒバーンは、人間たちの住む下界から遥か上空に浮かぶ浮島の街だが、この街を浮かせるためには、数百年に一度生け贄を捧げなくてはいけないのだという。
「この神都ライヒバーンは、強い神力を持つ神族の血族を糧に存在する呪われた都なのだ」
カイロバーンは、きっと顔をあげた。
「私たちの妹であるキルヒは、生まれながらに強い神力を持っていたがためにこの都市を神界に浮き上がらせるためにこの神都の核に取り込まれた」
うん?
俺は、首を傾げた。
この神都ライヒバーンは、人間界の上空にあるんだよな?
というか、今、生徒会長は、ここが神界だと言わなかったか?
「ここは、異世界なのか?」
俺の問いにカイロバーンとサイラスは、視線を絡ませた。
「君には実際に見てもらった方が早いかな?」
次の瞬間。
俺は、暗黒の世界に投げ出されていた。
真っ暗で何もない。
俺は、手足をバタつかせた。
浮かんでいる?
そのとき、眩しい光が差した。
俺は、眩しさに目を細めた。
なんだ?
あれは。
それは、青い・・星?
そこには、地球が浮かんでいた。
いや。
地球ではない。
よく見るとあれは、地球ではなかった。
何かが違う。
これは・・
そして、俺の目の前には巨大な銀色に輝く球体が浮かんでいた。
もしかして。
俺は、理解した。
ここは、宇宙空間なのか?
そして、神都ライヒバーンは、宇宙空間に浮かぶ衛生のようなものなのだ。
はっと気づくと俺は、もとの生徒会室に戻っていた。
みな、何事もないかのように出されたお茶を飲んでいる。
俺は、お茶のカップを持って微笑んでいるカイロバーンを睨み付けた。
「すべて、理解した」
俺は、低い声を発した。
「お前たちは、この神都を堕とすつもりなんだな?チヒロの力を使って」
「やはり見せたのは正解だったな」
カイロバーンがにっこりと顔をほころばせた。
「君ならわかってくれると思っていたよ、ロイド・ヘルレイザ-、いや、ロイド・ライゼンバーグ」
俺は、カイロバーンを睨み付けた。
「そんなこと、チヒロにさせられない!」
「ああ」
サイラスが頷いた。
「チヒロのことを傷つけたりはしないから安心して」
「私たちは、私たちのキルヒをこの街の核から取り戻したい。それだけだ」
カイロバーンの言葉に俺は、ちらっとリータをうかがった。
リータが頷く。
「この連中の言葉に嘘はない」
ということは、別にこの神都にテロを仕掛けるとかいうわけじゃないのか?
俺が考えているとカイロバーンが告げた。
「そうだ。私たちは、キルヒを取り戻したいだけだ。今、キルヒは、この神都の制御装置の核となっている。それを解放してやりたいだけだ」
はい?
俺は、ぎょっとした。
制御装置の核?
そんなものに取り込まれているのを解放したりしたらヤバくない?
「キルヒは、私たちの妹だ」
カイロバーンが俺たちに話した。
「だが、彼女は、300年前に生け贄に捧げられた」
「生け贄?」
俺がきくとサイラスが頷いた。
「そうだ」
サイラスがカイロバーンの手をとりながら答える。
「キルヒは、この都のために捧げられた」
二人が話すことによるとこの神都ライヒバーンは、人間たちの住む下界から遥か上空に浮かぶ浮島の街だが、この街を浮かせるためには、数百年に一度生け贄を捧げなくてはいけないのだという。
「この神都ライヒバーンは、強い神力を持つ神族の血族を糧に存在する呪われた都なのだ」
カイロバーンは、きっと顔をあげた。
「私たちの妹であるキルヒは、生まれながらに強い神力を持っていたがためにこの都市を神界に浮き上がらせるためにこの神都の核に取り込まれた」
うん?
俺は、首を傾げた。
この神都ライヒバーンは、人間界の上空にあるんだよな?
というか、今、生徒会長は、ここが神界だと言わなかったか?
「ここは、異世界なのか?」
俺の問いにカイロバーンとサイラスは、視線を絡ませた。
「君には実際に見てもらった方が早いかな?」
次の瞬間。
俺は、暗黒の世界に投げ出されていた。
真っ暗で何もない。
俺は、手足をバタつかせた。
浮かんでいる?
そのとき、眩しい光が差した。
俺は、眩しさに目を細めた。
なんだ?
あれは。
それは、青い・・星?
そこには、地球が浮かんでいた。
いや。
地球ではない。
よく見るとあれは、地球ではなかった。
何かが違う。
これは・・
そして、俺の目の前には巨大な銀色に輝く球体が浮かんでいた。
もしかして。
俺は、理解した。
ここは、宇宙空間なのか?
そして、神都ライヒバーンは、宇宙空間に浮かぶ衛生のようなものなのだ。
はっと気づくと俺は、もとの生徒会室に戻っていた。
みな、何事もないかのように出されたお茶を飲んでいる。
俺は、お茶のカップを持って微笑んでいるカイロバーンを睨み付けた。
「すべて、理解した」
俺は、低い声を発した。
「お前たちは、この神都を堕とすつもりなんだな?チヒロの力を使って」
「やはり見せたのは正解だったな」
カイロバーンがにっこりと顔をほころばせた。
「君ならわかってくれると思っていたよ、ロイド・ヘルレイザ-、いや、ロイド・ライゼンバーグ」
俺は、カイロバーンを睨み付けた。
「そんなこと、チヒロにさせられない!」
「ああ」
サイラスが頷いた。
「チヒロのことを傷つけたりはしないから安心して」
「私たちは、私たちのキルヒをこの街の核から取り戻したい。それだけだ」
カイロバーンの言葉に俺は、ちらっとリータをうかがった。
リータが頷く。
「この連中の言葉に嘘はない」
ということは、別にこの神都にテロを仕掛けるとかいうわけじゃないのか?
俺が考えているとカイロバーンが告げた。
「そうだ。私たちは、キルヒを取り戻したいだけだ。今、キルヒは、この神都の制御装置の核となっている。それを解放してやりたいだけだ」
はい?
俺は、ぎょっとした。
制御装置の核?
そんなものに取り込まれているのを解放したりしたらヤバくない?
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