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第3章 神都の覇者
3ー4 サトリ
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3ー4 サトリ
学園の専門科目棟の2階の奥。
放課後には、まったく人気のない通路をしばらく行くと突き当たりに重厚な両開きの扉が見えてくる。
生徒会室の前には特に何のプレートも出てないから知らなければそこがそうだとは気づかないだろう。
俺は、リータとチヒロを伴って出向いていた。
リータはともかく、チヒロを連れてきたくはなかったのだが、本人がどうしても一緒に行くと言ってきかなかったのだ。
手を伸ばしてノックしようとしたとき、中から声がきこえた。
「入ってきて」
俺は、ちらっとリータを見た。
リータは、きゅっと唇を噛んでいたが、顔をあげて俺に頷いた。
俺も頷き返すとそっとドアを開いた。
部屋の中は、豪奢な家具に囲まれた、かといって派手なこともない、落ち着いた雰囲気のある空間になっていた。
大きなソファの前に何脚かの古めかしい椅子が置かれていてそれがこの生徒会という存在が歴史あるものなのだということを証明している。
ソファには、二人の少年が腰かけていて、入っていった俺たちのことを見上げていた。
その少年たちは、ほぼそっくりだった。
神族の証である輝くような金髪をした少年たちは、俺たちを見つめていたが一言告げた。
「ロイド・ヘルレイザ-、そして、その従者の皆さん、よく来てくれたね」
左側に座った右目が青、左目が血のような赤色をした少年がほぅっとため息をついた。
「こんなにも嘘にまみれた新入生を見たのは私は、始めてだ」
「本当にね」
右側に座った左目が青、右目が赤い少年が感嘆したように話した。
「いったい、君たちに真実があるのかすら私には、わからないよ」
「何が真実だと?」
リータが口を開いた。
「真実とは、常に己が信じたいものなのではありませんこと?」
「おや」
少年たちがリータを凝視した。
「あなたも、そうなんですか?リータ」
「なんのことかしら」
とぼけるリータに少年たちは、お互いの手を握りしめたまま目を細めた。
「あなたも『サトリ』の力を持っているんじゃないですか?」
「『サトリ』?」
俺が問うと少年たちは、顔を見合わせた。
無言でお互いの顔を見つめあっている。
こうしているとなんだか鏡に写った己の姿を見つめているようだった。
気味が悪い。
俺がそう思ったとき、右側の少年が俺を見つめて話した。
「気味が悪い、と君は、思った」
心を読まれている?
俺は、身構えた。
左側の少年がすっと手をあげた。
「身構える必要はない」
いやいやいや!
そんなこと言われても普通身構えるだろう。
というか、これも読まれているのか?
俺は、リータを見た。
リータは、軽く唇を噛んで何かを考えているようだった。
学園の専門科目棟の2階の奥。
放課後には、まったく人気のない通路をしばらく行くと突き当たりに重厚な両開きの扉が見えてくる。
生徒会室の前には特に何のプレートも出てないから知らなければそこがそうだとは気づかないだろう。
俺は、リータとチヒロを伴って出向いていた。
リータはともかく、チヒロを連れてきたくはなかったのだが、本人がどうしても一緒に行くと言ってきかなかったのだ。
手を伸ばしてノックしようとしたとき、中から声がきこえた。
「入ってきて」
俺は、ちらっとリータを見た。
リータは、きゅっと唇を噛んでいたが、顔をあげて俺に頷いた。
俺も頷き返すとそっとドアを開いた。
部屋の中は、豪奢な家具に囲まれた、かといって派手なこともない、落ち着いた雰囲気のある空間になっていた。
大きなソファの前に何脚かの古めかしい椅子が置かれていてそれがこの生徒会という存在が歴史あるものなのだということを証明している。
ソファには、二人の少年が腰かけていて、入っていった俺たちのことを見上げていた。
その少年たちは、ほぼそっくりだった。
神族の証である輝くような金髪をした少年たちは、俺たちを見つめていたが一言告げた。
「ロイド・ヘルレイザ-、そして、その従者の皆さん、よく来てくれたね」
左側に座った右目が青、左目が血のような赤色をした少年がほぅっとため息をついた。
「こんなにも嘘にまみれた新入生を見たのは私は、始めてだ」
「本当にね」
右側に座った左目が青、右目が赤い少年が感嘆したように話した。
「いったい、君たちに真実があるのかすら私には、わからないよ」
「何が真実だと?」
リータが口を開いた。
「真実とは、常に己が信じたいものなのではありませんこと?」
「おや」
少年たちがリータを凝視した。
「あなたも、そうなんですか?リータ」
「なんのことかしら」
とぼけるリータに少年たちは、お互いの手を握りしめたまま目を細めた。
「あなたも『サトリ』の力を持っているんじゃないですか?」
「『サトリ』?」
俺が問うと少年たちは、顔を見合わせた。
無言でお互いの顔を見つめあっている。
こうしているとなんだか鏡に写った己の姿を見つめているようだった。
気味が悪い。
俺がそう思ったとき、右側の少年が俺を見つめて話した。
「気味が悪い、と君は、思った」
心を読まれている?
俺は、身構えた。
左側の少年がすっと手をあげた。
「身構える必要はない」
いやいやいや!
そんなこと言われても普通身構えるだろう。
というか、これも読まれているのか?
俺は、リータを見た。
リータは、軽く唇を噛んで何かを考えているようだった。
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