37 / 85
第3章 神都の覇者
3ー3 風紀ですか?
しおりを挟む
3ー3 風紀ですか?
入学式の日、俺は、チヒロとリータを従えて登校した。
本当は、マイヒナがつきそうと言ってきかなかったのだが、これ以上目立ちたくなかったからお断りした。
しかし。
チヒロは、ともかく俺とリータの学生姿は、痛いとしか言いようがない。
俺は、学生というより罰ゲーム的な感じがするし、リータにいたっては、風俗かなんかかと思ってしまう。
というか、リータ、なぜ、女子用の制服をそんな着崩してるんだ?
リータは、胸元を大きく開いてその立派な胸の谷間をばん、と見せつけている。
その上、スカートは、体の線にそったタイトなものでしかも、深いスリットが入っている。
「それは、風紀を乱すのでは?」
俺が言うと、リータは、にんまりと笑った。
「だって、淫魔ですから」
「でも、学園が許すとは思えんが」
「学園側は、従者の服装にまでは口だしできませんわ。それでなくても主さんは、魔界の辺境伯。おいそれとは手出ししてきませんから安心してくださいませ」
リータの言葉に反して俺たちは、2、3日後、学園側から呼び出された。
それは、正式には学園からではなかったのだが。
俺たちを呼び出したのは、生徒会だった。
放課後、帰宅しようとしていると担任の教師に呼び止められた。
その教師は、魔法の実技試験のときの監督官だった女だった。
肩までで揃えたふんわりした緑の髪に、妙にきつい青い瞳をしたその女教師は、ライゼルという魔法学の教師だ。
彼女は、教室から出ていこうとしている俺たちを呼び止めると生徒会室へと行くようにと命じた。
俺は、じっとライゼル先生を見つめて訊ねた。
「なぜ、生徒会が俺たちを呼び出すんですか?」
「それは、私も知らないが・・」
ライゼル先生は、ちらっとリータのことを見た。
「彼らは、学園の風紀も取り締まっているからな」
いかにもリータが学園の風紀を乱しているかのようなライゼル先生の態度に俺は、ムカついた。
リータは、強力な力を持つ魔物だ。
淫魔と吸血鬼を両親に持つリータは、やろうと思ったらこんな学園など一瞬で壊滅状態に追い込める。
それを知ってか知らずか、偉そうにリータの服装がハレンチだとか言うつもりなのか?
俺は、ライゼル先生に微笑んだ。
だが、目は決して笑ってはいないことが自分でもわかった。
「風紀、だと?なるほど。わかっていると思うが、俺の従者を愚弄したらこちらも考えがありますからね。それでもいいんですね?ライゼル先生」
ライゼル先生の顔色が青ざめていくのを俺は、いい気味だと思っていた。
一度、竜化の呪いをかけられて死の瀬戸際までいった俺だ。
そのとき、俺は、誓ったのだ。
もう、決して権力に屈しまい、と。
入学式の日、俺は、チヒロとリータを従えて登校した。
本当は、マイヒナがつきそうと言ってきかなかったのだが、これ以上目立ちたくなかったからお断りした。
しかし。
チヒロは、ともかく俺とリータの学生姿は、痛いとしか言いようがない。
俺は、学生というより罰ゲーム的な感じがするし、リータにいたっては、風俗かなんかかと思ってしまう。
というか、リータ、なぜ、女子用の制服をそんな着崩してるんだ?
リータは、胸元を大きく開いてその立派な胸の谷間をばん、と見せつけている。
その上、スカートは、体の線にそったタイトなものでしかも、深いスリットが入っている。
「それは、風紀を乱すのでは?」
俺が言うと、リータは、にんまりと笑った。
「だって、淫魔ですから」
「でも、学園が許すとは思えんが」
「学園側は、従者の服装にまでは口だしできませんわ。それでなくても主さんは、魔界の辺境伯。おいそれとは手出ししてきませんから安心してくださいませ」
リータの言葉に反して俺たちは、2、3日後、学園側から呼び出された。
それは、正式には学園からではなかったのだが。
俺たちを呼び出したのは、生徒会だった。
放課後、帰宅しようとしていると担任の教師に呼び止められた。
その教師は、魔法の実技試験のときの監督官だった女だった。
肩までで揃えたふんわりした緑の髪に、妙にきつい青い瞳をしたその女教師は、ライゼルという魔法学の教師だ。
彼女は、教室から出ていこうとしている俺たちを呼び止めると生徒会室へと行くようにと命じた。
俺は、じっとライゼル先生を見つめて訊ねた。
「なぜ、生徒会が俺たちを呼び出すんですか?」
「それは、私も知らないが・・」
ライゼル先生は、ちらっとリータのことを見た。
「彼らは、学園の風紀も取り締まっているからな」
いかにもリータが学園の風紀を乱しているかのようなライゼル先生の態度に俺は、ムカついた。
リータは、強力な力を持つ魔物だ。
淫魔と吸血鬼を両親に持つリータは、やろうと思ったらこんな学園など一瞬で壊滅状態に追い込める。
それを知ってか知らずか、偉そうにリータの服装がハレンチだとか言うつもりなのか?
俺は、ライゼル先生に微笑んだ。
だが、目は決して笑ってはいないことが自分でもわかった。
「風紀、だと?なるほど。わかっていると思うが、俺の従者を愚弄したらこちらも考えがありますからね。それでもいいんですね?ライゼル先生」
ライゼル先生の顔色が青ざめていくのを俺は、いい気味だと思っていた。
一度、竜化の呪いをかけられて死の瀬戸際までいった俺だ。
そのとき、俺は、誓ったのだ。
もう、決して権力に屈しまい、と。
10
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました
及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。
※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19
【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい
おだししょうゆ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。
生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。
地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。
転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。
※含まれる要素
異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛
※小説家になろうに重複投稿しています
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
猫が崇拝される人間の世界で猫獣人の俺って…
えの
BL
森の中に住む猫獣人ミルル。朝起きると知らない森の中に変わっていた。はて?でも気にしない!!のほほんと過ごしていると1人の少年に出会い…。中途半端かもしれませんが一応完結です。妊娠という言葉が出てきますが、妊娠はしません。
【完結】運命さんこんにちは、さようなら
ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。
とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。
==========
完結しました。ありがとうございました。
俺のまったり生活はどこへ?
グランラババー
BL
異世界に転生したリューイは、前世での死因を鑑みて、今世は若いうちだけ頑張って仕事をして、不労所得獲得を目指し、20代後半からはのんびり、まったり生活することにする。
しかし、次代の王となる第一王子に気に入られたり、伝説のドラゴンを倒したりと、今世も仕事からは逃れられそうにない。
さて、リューイは無事に不労所得獲得と、のんびり、まったり生活を実現できるのか?
「俺と第一王子との婚約なんて聞いてない!!」
BLではありますが、軽い恋愛要素があるぐらいで、R18には至りません。
以前は別の名前で投稿してたのですが、小説の内容がどうしても題名に沿わなくなってしまったため、題名を変更しました。
題名変更に伴い、小説の内容を少しずつ変更していきます。
小説の修正が終わりましたら、新章を投稿していきたいと思っています。
【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】
彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。
「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる