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第3章 神都の覇者
3ー3 風紀ですか?
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3ー3 風紀ですか?
入学式の日、俺は、チヒロとリータを従えて登校した。
本当は、マイヒナがつきそうと言ってきかなかったのだが、これ以上目立ちたくなかったからお断りした。
しかし。
チヒロは、ともかく俺とリータの学生姿は、痛いとしか言いようがない。
俺は、学生というより罰ゲーム的な感じがするし、リータにいたっては、風俗かなんかかと思ってしまう。
というか、リータ、なぜ、女子用の制服をそんな着崩してるんだ?
リータは、胸元を大きく開いてその立派な胸の谷間をばん、と見せつけている。
その上、スカートは、体の線にそったタイトなものでしかも、深いスリットが入っている。
「それは、風紀を乱すのでは?」
俺が言うと、リータは、にんまりと笑った。
「だって、淫魔ですから」
「でも、学園が許すとは思えんが」
「学園側は、従者の服装にまでは口だしできませんわ。それでなくても主さんは、魔界の辺境伯。おいそれとは手出ししてきませんから安心してくださいませ」
リータの言葉に反して俺たちは、2、3日後、学園側から呼び出された。
それは、正式には学園からではなかったのだが。
俺たちを呼び出したのは、生徒会だった。
放課後、帰宅しようとしていると担任の教師に呼び止められた。
その教師は、魔法の実技試験のときの監督官だった女だった。
肩までで揃えたふんわりした緑の髪に、妙にきつい青い瞳をしたその女教師は、ライゼルという魔法学の教師だ。
彼女は、教室から出ていこうとしている俺たちを呼び止めると生徒会室へと行くようにと命じた。
俺は、じっとライゼル先生を見つめて訊ねた。
「なぜ、生徒会が俺たちを呼び出すんですか?」
「それは、私も知らないが・・」
ライゼル先生は、ちらっとリータのことを見た。
「彼らは、学園の風紀も取り締まっているからな」
いかにもリータが学園の風紀を乱しているかのようなライゼル先生の態度に俺は、ムカついた。
リータは、強力な力を持つ魔物だ。
淫魔と吸血鬼を両親に持つリータは、やろうと思ったらこんな学園など一瞬で壊滅状態に追い込める。
それを知ってか知らずか、偉そうにリータの服装がハレンチだとか言うつもりなのか?
俺は、ライゼル先生に微笑んだ。
だが、目は決して笑ってはいないことが自分でもわかった。
「風紀、だと?なるほど。わかっていると思うが、俺の従者を愚弄したらこちらも考えがありますからね。それでもいいんですね?ライゼル先生」
ライゼル先生の顔色が青ざめていくのを俺は、いい気味だと思っていた。
一度、竜化の呪いをかけられて死の瀬戸際までいった俺だ。
そのとき、俺は、誓ったのだ。
もう、決して権力に屈しまい、と。
入学式の日、俺は、チヒロとリータを従えて登校した。
本当は、マイヒナがつきそうと言ってきかなかったのだが、これ以上目立ちたくなかったからお断りした。
しかし。
チヒロは、ともかく俺とリータの学生姿は、痛いとしか言いようがない。
俺は、学生というより罰ゲーム的な感じがするし、リータにいたっては、風俗かなんかかと思ってしまう。
というか、リータ、なぜ、女子用の制服をそんな着崩してるんだ?
リータは、胸元を大きく開いてその立派な胸の谷間をばん、と見せつけている。
その上、スカートは、体の線にそったタイトなものでしかも、深いスリットが入っている。
「それは、風紀を乱すのでは?」
俺が言うと、リータは、にんまりと笑った。
「だって、淫魔ですから」
「でも、学園が許すとは思えんが」
「学園側は、従者の服装にまでは口だしできませんわ。それでなくても主さんは、魔界の辺境伯。おいそれとは手出ししてきませんから安心してくださいませ」
リータの言葉に反して俺たちは、2、3日後、学園側から呼び出された。
それは、正式には学園からではなかったのだが。
俺たちを呼び出したのは、生徒会だった。
放課後、帰宅しようとしていると担任の教師に呼び止められた。
その教師は、魔法の実技試験のときの監督官だった女だった。
肩までで揃えたふんわりした緑の髪に、妙にきつい青い瞳をしたその女教師は、ライゼルという魔法学の教師だ。
彼女は、教室から出ていこうとしている俺たちを呼び止めると生徒会室へと行くようにと命じた。
俺は、じっとライゼル先生を見つめて訊ねた。
「なぜ、生徒会が俺たちを呼び出すんですか?」
「それは、私も知らないが・・」
ライゼル先生は、ちらっとリータのことを見た。
「彼らは、学園の風紀も取り締まっているからな」
いかにもリータが学園の風紀を乱しているかのようなライゼル先生の態度に俺は、ムカついた。
リータは、強力な力を持つ魔物だ。
淫魔と吸血鬼を両親に持つリータは、やろうと思ったらこんな学園など一瞬で壊滅状態に追い込める。
それを知ってか知らずか、偉そうにリータの服装がハレンチだとか言うつもりなのか?
俺は、ライゼル先生に微笑んだ。
だが、目は決して笑ってはいないことが自分でもわかった。
「風紀、だと?なるほど。わかっていると思うが、俺の従者を愚弄したらこちらも考えがありますからね。それでもいいんですね?ライゼル先生」
ライゼル先生の顔色が青ざめていくのを俺は、いい気味だと思っていた。
一度、竜化の呪いをかけられて死の瀬戸際までいった俺だ。
そのとき、俺は、誓ったのだ。
もう、決して権力に屈しまい、と。
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