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第2章 騎士と少年
2ー3 ラミー
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2ー3 ラミー
「す、すまない!」
俺は、慌てて扉を閉めた。
胸が早鐘を打ち、顔が熱くなる。
いやいやいや。
俺は、頭を振った。
落ち着け、俺。
相手は、同性のしかも子供だ。
ちょっと風呂に入っているのを見てしまったぐらいなんてことはない。
俺は、常々チヒロはほんとは女の子なんじゃないかと思っていた。
華奢で、小柄だからな。
だけど、今日、はっきりと男の子だとわかったわけだった。
しかし。
いつも薄汚れていたからわからなかったが、チヒロは、あんなにも色が白かったんだな。
俺は、動揺を隠せなかった。
あんな子供の裸をみたぐらいで!
俺は、気を入れ換えるために仕事に没頭しようとした。
そのとき、女の悲鳴のような声がきこえた。
俺は、すぐに廊下へ出た。
そこには青い顔をして倒れているラミーとそれを心配げに覗き込んでいるミリーがいた。
「どうした?」
俺が訊ねるとミリーが震える声で答えた。
「わからない。ただ、時々こうして倒れちゃうことがあるの」
マジですか?
俺は、ラミーを抱き上げると二人の部屋へと運んだ。
二人の部屋は、飾り気のない妙にガランとした部屋だった。
俺は、大きなベッドの上にそっとラミーを下ろした。
「よく倒れることがあるのか?」
俺がきくとミリーは、頷いた。
俺は、ラミーのシャツの襟元をくつろげるとそっと手首に触れた。
脈はしっかりしている。
「おそらく貧血だろう」
俺は、気を失ったラミーの目を開いて見た。
やはり目の下の部分が白っぽい。
しかし、この世界では、検査もできないからどの程度の貧血なのかもわからない。
俺は、困っていた。
どうにかしてやりたいんだが、どうすればいいのかわからない。
そのとき、だ。
俺の頭の中で何かが目覚めた。
そうだ!
俺は、かつて漢方医だった。
俺の持つ薬草の知識は、そこからきたものだったのか。
俺は、何かがすとん、とふに落ちた。
俺は、貧血にいい食べ物をいくつかミリーに教えると、ふともう一度ラミーを見た。
すると。
ラミーの体の奥にある何かが見えた。
青い炎のような何か。
それは、体の中を流れているようだった。
そして、いくつかのポイントで炎が燃えていたのだが、それが胸の下辺りで弱々しく消えそうになっている。
これは、なんだ?
俺は、その炎が消えるのはまずい、と思った。
気がつくと俺は、ラミーのみぞおち辺りに手を置いてそこに自分の気を流していた。
ラミーがびくん、と体を跳ねさせる。
「ラミー!」
ミリーが俺を押し退けてラミーに抱きついた。
「ラミー、しっかりして!」
「もう、大丈夫だ」
俺は、ミリーに告げた。
「ラミーは、体の気の流れが滞ったために倒れてしまうんだ。だが、今、その滞った気が流れるようにした。もう、ラミーが倒れることは、なくなる筈だ」
「す、すまない!」
俺は、慌てて扉を閉めた。
胸が早鐘を打ち、顔が熱くなる。
いやいやいや。
俺は、頭を振った。
落ち着け、俺。
相手は、同性のしかも子供だ。
ちょっと風呂に入っているのを見てしまったぐらいなんてことはない。
俺は、常々チヒロはほんとは女の子なんじゃないかと思っていた。
華奢で、小柄だからな。
だけど、今日、はっきりと男の子だとわかったわけだった。
しかし。
いつも薄汚れていたからわからなかったが、チヒロは、あんなにも色が白かったんだな。
俺は、動揺を隠せなかった。
あんな子供の裸をみたぐらいで!
俺は、気を入れ換えるために仕事に没頭しようとした。
そのとき、女の悲鳴のような声がきこえた。
俺は、すぐに廊下へ出た。
そこには青い顔をして倒れているラミーとそれを心配げに覗き込んでいるミリーがいた。
「どうした?」
俺が訊ねるとミリーが震える声で答えた。
「わからない。ただ、時々こうして倒れちゃうことがあるの」
マジですか?
俺は、ラミーを抱き上げると二人の部屋へと運んだ。
二人の部屋は、飾り気のない妙にガランとした部屋だった。
俺は、大きなベッドの上にそっとラミーを下ろした。
「よく倒れることがあるのか?」
俺がきくとミリーは、頷いた。
俺は、ラミーのシャツの襟元をくつろげるとそっと手首に触れた。
脈はしっかりしている。
「おそらく貧血だろう」
俺は、気を失ったラミーの目を開いて見た。
やはり目の下の部分が白っぽい。
しかし、この世界では、検査もできないからどの程度の貧血なのかもわからない。
俺は、困っていた。
どうにかしてやりたいんだが、どうすればいいのかわからない。
そのとき、だ。
俺の頭の中で何かが目覚めた。
そうだ!
俺は、かつて漢方医だった。
俺の持つ薬草の知識は、そこからきたものだったのか。
俺は、何かがすとん、とふに落ちた。
俺は、貧血にいい食べ物をいくつかミリーに教えると、ふともう一度ラミーを見た。
すると。
ラミーの体の奥にある何かが見えた。
青い炎のような何か。
それは、体の中を流れているようだった。
そして、いくつかのポイントで炎が燃えていたのだが、それが胸の下辺りで弱々しく消えそうになっている。
これは、なんだ?
俺は、その炎が消えるのはまずい、と思った。
気がつくと俺は、ラミーのみぞおち辺りに手を置いてそこに自分の気を流していた。
ラミーがびくん、と体を跳ねさせる。
「ラミー!」
ミリーが俺を押し退けてラミーに抱きついた。
「ラミー、しっかりして!」
「もう、大丈夫だ」
俺は、ミリーに告げた。
「ラミーは、体の気の流れが滞ったために倒れてしまうんだ。だが、今、その滞った気が流れるようにした。もう、ラミーが倒れることは、なくなる筈だ」
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