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第2章 騎士と少年
2ー2 新しい生活
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2ー2 新しい生活
リータの仲間は、数人いた。
それは、魔物、魔人のたぐいだった。
おそらくみな、油断のならない連中なのだろう。
まずは、羊のような角が額からはえている白髪に赤い瞳の老人でアントワープと名乗った。
「彼には、この屋敷のことや、領地のことを任せたいと思っているの」
リータが俺に伝えた。
つまり家令みたいな存在ってことか。
俺は、頷いた。
リータがつれてきた人物なら間違いないのだろう。
アントワープは、俺にエレガントな礼をした。
「よろしくお願い致します、ヘルレイザ-辺境伯」
それから鱗のはえた長い尾を持った双子の少女たち。
ピンクブロンドに右目が青、左目が眼帯をしている姉のミリーと同じくピンクブロンドに左目が赤目で右目に眼帯をしている妹のラミー。
お揃いのメイド服を身に付けている彼女らは、メイドとして働いてくれるようだった。
「いじめないですか?」
ミリーが上目使いに俺を見つめてきいたので俺は、答えた。
「いじめないよ」
「ほんとに?」
ラミーがきくので俺は、頷いた。
二人は、顔を見合わせるとにっこりと微笑んだ。
「「なら、働いてやるから死ぬほど感謝しろ!」」
なんなんだ?
俺は、ぽかんとしてしまった。
「こんなだけど二人とも魔族の令嬢なのよ」
リータがにっと微笑んだ。
「ここには行儀見習いを兼ねて遣えてくれる」
マジですか。
次は、小太りでハゲの小男だった。
「フランだ。前は、魔王城で料理長をしていた」
尊大な態度に思わずムッとしているとリータが俺に告げた。
「彼は、ほんとの天才なのよ。あなたのお仕事の役にもたつだろうから連れてきたの」
最後に、執事として働いてくれるというリータ。
妖艶な黒髪に赤い瞳の美女だが、危険な女だ。
執事のお仕着せを身に付けたリータは、にぃっと笑った。
俺は、屋敷の部屋割りを決めるとさっそく自分の部屋へと向かった。
広い部屋だ。
窓からは、遠くまで広がる薬草畑を見渡せた。
家具とかは、すでにリータが手配してくれたらしくずっしりとしたデスクと座り心地のよさげな大きな椅子が置かれていた。
俺は、その椅子に腰かけるとデスクに肘をついた。
壁には、本棚が並んでいる。
そこにはリータが選んだのだろう本が並べられていた。
その本棚の横に扉があった。
うん?
俺は、首を傾げた。
あの扉は?
俺は、立ち上がりその明るい木目の扉を押し開いた。
「ここは・・・」
それは、隣の部屋へと繋がる扉だった。
貴族の屋敷では珍しくない。
主人の部屋と隣り合った女主人の部屋とこうした扉で繋がっているのだ。
だが、この部屋は。
「ロイド!」
部屋の中央では、猫足の湯船が出されていてチヒロが湯を使っていた。
ミリーとラミーに二人がかりで丸裸にされ全身を洗われていたチヒロは、俺の姿に気づくと白い肌を真っ赤に染めて湯船に潜り込んだ。
リータの仲間は、数人いた。
それは、魔物、魔人のたぐいだった。
おそらくみな、油断のならない連中なのだろう。
まずは、羊のような角が額からはえている白髪に赤い瞳の老人でアントワープと名乗った。
「彼には、この屋敷のことや、領地のことを任せたいと思っているの」
リータが俺に伝えた。
つまり家令みたいな存在ってことか。
俺は、頷いた。
リータがつれてきた人物なら間違いないのだろう。
アントワープは、俺にエレガントな礼をした。
「よろしくお願い致します、ヘルレイザ-辺境伯」
それから鱗のはえた長い尾を持った双子の少女たち。
ピンクブロンドに右目が青、左目が眼帯をしている姉のミリーと同じくピンクブロンドに左目が赤目で右目に眼帯をしている妹のラミー。
お揃いのメイド服を身に付けている彼女らは、メイドとして働いてくれるようだった。
「いじめないですか?」
ミリーが上目使いに俺を見つめてきいたので俺は、答えた。
「いじめないよ」
「ほんとに?」
ラミーがきくので俺は、頷いた。
二人は、顔を見合わせるとにっこりと微笑んだ。
「「なら、働いてやるから死ぬほど感謝しろ!」」
なんなんだ?
俺は、ぽかんとしてしまった。
「こんなだけど二人とも魔族の令嬢なのよ」
リータがにっと微笑んだ。
「ここには行儀見習いを兼ねて遣えてくれる」
マジですか。
次は、小太りでハゲの小男だった。
「フランだ。前は、魔王城で料理長をしていた」
尊大な態度に思わずムッとしているとリータが俺に告げた。
「彼は、ほんとの天才なのよ。あなたのお仕事の役にもたつだろうから連れてきたの」
最後に、執事として働いてくれるというリータ。
妖艶な黒髪に赤い瞳の美女だが、危険な女だ。
執事のお仕着せを身に付けたリータは、にぃっと笑った。
俺は、屋敷の部屋割りを決めるとさっそく自分の部屋へと向かった。
広い部屋だ。
窓からは、遠くまで広がる薬草畑を見渡せた。
家具とかは、すでにリータが手配してくれたらしくずっしりとしたデスクと座り心地のよさげな大きな椅子が置かれていた。
俺は、その椅子に腰かけるとデスクに肘をついた。
壁には、本棚が並んでいる。
そこにはリータが選んだのだろう本が並べられていた。
その本棚の横に扉があった。
うん?
俺は、首を傾げた。
あの扉は?
俺は、立ち上がりその明るい木目の扉を押し開いた。
「ここは・・・」
それは、隣の部屋へと繋がる扉だった。
貴族の屋敷では珍しくない。
主人の部屋と隣り合った女主人の部屋とこうした扉で繋がっているのだ。
だが、この部屋は。
「ロイド!」
部屋の中央では、猫足の湯船が出されていてチヒロが湯を使っていた。
ミリーとラミーに二人がかりで丸裸にされ全身を洗われていたチヒロは、俺の姿に気づくと白い肌を真っ赤に染めて湯船に潜り込んだ。
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