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第16章 魔王
16ー4 討伐
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16ー4 討伐
「イリハ!」
瘴気に汚れたキルハ様が床に倒れながら叫んだ。
わたしは、魔王の放つ瘴気を切り裂きながらイリハへと近づいていくとイリハに刃を向けた。
「僕を、殺すの?」
イリハが弱々しく訊ねた。
「唯一の肉親に裏切られたかわいそうな僕を?」
「あなたは、かわいそうなんかじゃないわ!」
わたしは、オリタニスを振りかざした。
「あなたには、キルハ様がいるじゃないか!たった一人、あなたが闇に堕ちようとも救いたいと願う人が!」
わたしは、オニタリスでイリハを包んでいる瘴気を斬った。
イリハが悲鳴をあげた。
「キルハ!お姉ちゃん!」
「イリハ!」
キルハ様が立ち上がるとイリハの方へと駆け寄る。
「あなたを一人では逝かせないわ!」
「キルハ様!」
キルハ様は、瘴気の渦の中心にいるイリハのもとへと飛び込むと彼のことを抱き締めた。
「お姉ちゃん」
キルハに抱き締められてイリハが囁く。
「お姉ちゃん・・大好きだよ」
「私もよ、イリハ」
キルハ様が叫んだ。
「はやく!カイラ!私たちを斬って!」
ためらうわたしにキルハ様は、告げた。
「世界を救うんでしょう?カイラ!あなたは、聖女の騎士なんでしょ!」
「キルハ・・」
わたしは、オニタリスで魔王をキルハ様ごと斬った。
その瞬間。
魔王の枷から解放されたイリハがキルハ様を抱き締めて微笑んだ。
「お姉ちゃん・・」
「イリハ、もう離さない」
キルハ様の聖魔法が光を放った。
魔王の体が光に侵食されて崩れ落ちていく。
「あったかい・・キルハ・・」
「イリハ、これからは、もうずっと一緒よ」
まばゆい光が輝き、二人の姿を飲み込んでいく。
「キルハ様!」
わたしは、突風に耐えながら叫んだ。
光の中でキルハ様の笑顔が見えた。
「ありがとう、カイラ」
ありがとう
キルハ様ごと魔王は、消えていった。
瘴気が消えていく。
わたしは。
その場に崩れ落ちた。
涙が。
止まらない。
「終わったわね、カイラ」
セシリア様がそっとわたしの肩に触れた。
その手は、とても暖かくって。
わたしは、嗚咽していた。
「イリハ!」
瘴気に汚れたキルハ様が床に倒れながら叫んだ。
わたしは、魔王の放つ瘴気を切り裂きながらイリハへと近づいていくとイリハに刃を向けた。
「僕を、殺すの?」
イリハが弱々しく訊ねた。
「唯一の肉親に裏切られたかわいそうな僕を?」
「あなたは、かわいそうなんかじゃないわ!」
わたしは、オリタニスを振りかざした。
「あなたには、キルハ様がいるじゃないか!たった一人、あなたが闇に堕ちようとも救いたいと願う人が!」
わたしは、オニタリスでイリハを包んでいる瘴気を斬った。
イリハが悲鳴をあげた。
「キルハ!お姉ちゃん!」
「イリハ!」
キルハ様が立ち上がるとイリハの方へと駆け寄る。
「あなたを一人では逝かせないわ!」
「キルハ様!」
キルハ様は、瘴気の渦の中心にいるイリハのもとへと飛び込むと彼のことを抱き締めた。
「お姉ちゃん」
キルハに抱き締められてイリハが囁く。
「お姉ちゃん・・大好きだよ」
「私もよ、イリハ」
キルハ様が叫んだ。
「はやく!カイラ!私たちを斬って!」
ためらうわたしにキルハ様は、告げた。
「世界を救うんでしょう?カイラ!あなたは、聖女の騎士なんでしょ!」
「キルハ・・」
わたしは、オニタリスで魔王をキルハ様ごと斬った。
その瞬間。
魔王の枷から解放されたイリハがキルハ様を抱き締めて微笑んだ。
「お姉ちゃん・・」
「イリハ、もう離さない」
キルハ様の聖魔法が光を放った。
魔王の体が光に侵食されて崩れ落ちていく。
「あったかい・・キルハ・・」
「イリハ、これからは、もうずっと一緒よ」
まばゆい光が輝き、二人の姿を飲み込んでいく。
「キルハ様!」
わたしは、突風に耐えながら叫んだ。
光の中でキルハ様の笑顔が見えた。
「ありがとう、カイラ」
ありがとう
キルハ様ごと魔王は、消えていった。
瘴気が消えていく。
わたしは。
その場に崩れ落ちた。
涙が。
止まらない。
「終わったわね、カイラ」
セシリア様がそっとわたしの肩に触れた。
その手は、とても暖かくって。
わたしは、嗚咽していた。
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