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第12章 二人の聖女
12ー4 取り引き
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12ー4 取り引き
「その言葉は取り消してください、キルハ様」
わたしは、そっとマオを抱き寄せた。
「この子は、わたしの大切な家族なんです。ペット扱いしないでもらえますか?」
「まあ」
キルハ様がバカにするように笑った。
「従魔が家族?」
キルハ様は、わたしに近づいてくるとわたしを覗き込んでにぃっと笑った。
「いい?教えといてあげるわ。こいつらは、猫竜とかいってもしょせんは魔物なのよ。 信じるのはかまわないけど、信じすぎたらバカを見るわよ?」
「マオたちは、魔物であっても心を持っているのよ?そんな言い方しなくたって」
わたしが反論しようとするとキルハ様がちっと舌打ちした。
「私、あなたみたいなタイプ、嫌いだわ」
はぁ?
わたしは、心の中で叫んでいた。
それは、こっちの台詞だって!
まあ、いい。
わたしは、ふぅっと深呼吸をした。
「キルハ様、この猫竜の方にかけられた術、おそらく禁呪ですよね?」
「それがどうかしたの?」
キルハ様が開き直った態度でわたしにきいた。
「禁止されている魔法を使ったからって私をどうするって?他国の人間であるあなたにはどうすることもできないでしょ?」
「お願いがあるの、キルハ様」
わたしは、キルハ様に訴えた。
「あなたの猫竜をわたしに譲ってくださらない?」
「はぁ?」
キルハ様が心底バカを見るような表情でわたしを見る。
「なんでこいつを譲らないといけないわけ?こんな便利な奴隷を手放すわけがないでしょ?」
「奴隷って!」
わたしは、思わず声をあらげた。
キルハ様がふん、と鼻を鳴らす。
「違うの?従魔なんてしょせんは便利のいい奴隷じゃない」
わたしは、すごく腹が立っていた。
この子、嫌いだわ!
わたしがそう思っているとキルハ様が吐き捨てるように告げた。
「あんたみたいなの、ほんと、嫌いだわ」
それは、こっちの台詞でしょ!
わたしがきっとキルハ様を睨んだとき、キルハ様がわたしに微笑みかけた。
「どうしてもこの猫竜が欲しいっていうならあなたに譲ってあげないでもないわよ、カイラ様」
「ほんとに?」
わたしが訊ねるとキルハ様は、答えた。
「ええ。取引をするならね」
キルハ様は、信じられない言葉をわたしに告げた。
「もしも、あなたが明日の魔法戦でリータ様を殺してくれたなら、この猫竜を譲ってあげてもいいわ」
「その言葉は取り消してください、キルハ様」
わたしは、そっとマオを抱き寄せた。
「この子は、わたしの大切な家族なんです。ペット扱いしないでもらえますか?」
「まあ」
キルハ様がバカにするように笑った。
「従魔が家族?」
キルハ様は、わたしに近づいてくるとわたしを覗き込んでにぃっと笑った。
「いい?教えといてあげるわ。こいつらは、猫竜とかいってもしょせんは魔物なのよ。 信じるのはかまわないけど、信じすぎたらバカを見るわよ?」
「マオたちは、魔物であっても心を持っているのよ?そんな言い方しなくたって」
わたしが反論しようとするとキルハ様がちっと舌打ちした。
「私、あなたみたいなタイプ、嫌いだわ」
はぁ?
わたしは、心の中で叫んでいた。
それは、こっちの台詞だって!
まあ、いい。
わたしは、ふぅっと深呼吸をした。
「キルハ様、この猫竜の方にかけられた術、おそらく禁呪ですよね?」
「それがどうかしたの?」
キルハ様が開き直った態度でわたしにきいた。
「禁止されている魔法を使ったからって私をどうするって?他国の人間であるあなたにはどうすることもできないでしょ?」
「お願いがあるの、キルハ様」
わたしは、キルハ様に訴えた。
「あなたの猫竜をわたしに譲ってくださらない?」
「はぁ?」
キルハ様が心底バカを見るような表情でわたしを見る。
「なんでこいつを譲らないといけないわけ?こんな便利な奴隷を手放すわけがないでしょ?」
「奴隷って!」
わたしは、思わず声をあらげた。
キルハ様がふん、と鼻を鳴らす。
「違うの?従魔なんてしょせんは便利のいい奴隷じゃない」
わたしは、すごく腹が立っていた。
この子、嫌いだわ!
わたしがそう思っているとキルハ様が吐き捨てるように告げた。
「あんたみたいなの、ほんと、嫌いだわ」
それは、こっちの台詞でしょ!
わたしがきっとキルハ様を睨んだとき、キルハ様がわたしに微笑みかけた。
「どうしてもこの猫竜が欲しいっていうならあなたに譲ってあげないでもないわよ、カイラ様」
「ほんとに?」
わたしが訊ねるとキルハ様は、答えた。
「ええ。取引をするならね」
キルハ様は、信じられない言葉をわたしに告げた。
「もしも、あなたが明日の魔法戦でリータ様を殺してくれたなら、この猫竜を譲ってあげてもいいわ」
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