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第9章 スタンピード
9ー10 婚約?
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9ー10 婚約?
「今さらとぼけないで!」
アイリス様が声をあげた。
「どうせ最初からそれが狙いだったんでしょ?下賎の者のくせに、セツラウス様の弱みにつけこむなんて!」
「アイリス!」
フレデリク様がアイリス様を制した。
「お前は、もうセツラウス様の婚約者ではないんだぞ。わかっている筈だ」
「でもっ!お兄様!」
アイリス様の言葉をフレデリク様がとどめる。
「諦めろ、アイリス。セツラウス様をお救いするためには、どうしてもカイラとの婚約が必要なんだ」
わたしは、呆然として二人のやり取りをきいていたがはっと気づいて割って入った。
「ちょっと待ってください。わたしがセツラウス様と婚約って?」
「仕方がないんだ、わかってくれ、カイラ」
フレデリク様が 苦しげに言葉を繋いだ。
「今、セツラウス様にはどうしても聖女アニノマス様の加護が必要なのだ」
わたしには、フレデリク様の考えがよく理解できた。
例えセツラウス様が望んだことではないとはいえ王太子であるルシーディア様に刃をむけたのだ。
本来ならその末端の駒であるルイーズだって処刑は免れない筈だった。
それが奴隷堕ち程度ですんでいるのは、ルシーディア様がそう望まれたからだ。
わたしからルイーズの話をきかれたルシーディア様は、ルイーズに情けをかけられたのだ。
それと同じようにセツラウス様の罪もできるだけ軽いものにしたい。
そうルシーディア様は、希望されているのだ。
だけど。
だからといってなんでわたしがセツラウス様の婚約者に?
わたしは、立ち上がると部屋を出ていこうとした。
付き合っていられない。
だが。
「体が?」
出口へと踏み出したわたしの体を幾重にも魔方陣がとらえた。
体が動かない?
わたしは、なんとか術を解こうとした。
しかし、体が痺れて。
わたしは、精霊たちに助けを求めようとした。
だけど、わたしがいくら呼んでも精霊たちが近づいてくる様子はなかった。
「無駄です、カイラ」
フレデリク様の声が耳元に響く。
「古の精霊魔法は、解明されてはいませんが、その術が働かなくなる条件は解明されております」
フレデリク様が告げた。
「今さらとぼけないで!」
アイリス様が声をあげた。
「どうせ最初からそれが狙いだったんでしょ?下賎の者のくせに、セツラウス様の弱みにつけこむなんて!」
「アイリス!」
フレデリク様がアイリス様を制した。
「お前は、もうセツラウス様の婚約者ではないんだぞ。わかっている筈だ」
「でもっ!お兄様!」
アイリス様の言葉をフレデリク様がとどめる。
「諦めろ、アイリス。セツラウス様をお救いするためには、どうしてもカイラとの婚約が必要なんだ」
わたしは、呆然として二人のやり取りをきいていたがはっと気づいて割って入った。
「ちょっと待ってください。わたしがセツラウス様と婚約って?」
「仕方がないんだ、わかってくれ、カイラ」
フレデリク様が 苦しげに言葉を繋いだ。
「今、セツラウス様にはどうしても聖女アニノマス様の加護が必要なのだ」
わたしには、フレデリク様の考えがよく理解できた。
例えセツラウス様が望んだことではないとはいえ王太子であるルシーディア様に刃をむけたのだ。
本来ならその末端の駒であるルイーズだって処刑は免れない筈だった。
それが奴隷堕ち程度ですんでいるのは、ルシーディア様がそう望まれたからだ。
わたしからルイーズの話をきかれたルシーディア様は、ルイーズに情けをかけられたのだ。
それと同じようにセツラウス様の罪もできるだけ軽いものにしたい。
そうルシーディア様は、希望されているのだ。
だけど。
だからといってなんでわたしがセツラウス様の婚約者に?
わたしは、立ち上がると部屋を出ていこうとした。
付き合っていられない。
だが。
「体が?」
出口へと踏み出したわたしの体を幾重にも魔方陣がとらえた。
体が動かない?
わたしは、なんとか術を解こうとした。
しかし、体が痺れて。
わたしは、精霊たちに助けを求めようとした。
だけど、わたしがいくら呼んでも精霊たちが近づいてくる様子はなかった。
「無駄です、カイラ」
フレデリク様の声が耳元に響く。
「古の精霊魔法は、解明されてはいませんが、その術が働かなくなる条件は解明されております」
フレデリク様が告げた。
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