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第6章 タイタノス

6ー1 聖地

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 6ー1 聖地

 サリタニア王立魔法学園の一年間は、二部にわかれている。
 第一期と火の季節の長期休暇後にくる第二期だ。
 一年生にとって第一期は、わからないことばかりだった。
 火の季節の始まる頃、わたしたちは、期末試験を受けその結果によっては、何人かの生徒たちが第二期には、姿を消していることもあるのだ。
 「ねぇ、カイラは、長期休暇は、どうするの?」
 学園の図書館で期末試験の勉強をしているときにレイナに訊ねられてわたしは、答えに困ってしまった。
 実は、アルタス様からの提案で南方にある浮遊都市である創生の女神ラナンの祭りにラティマ先生と一緒に行ってティンパロの演奏会に参加することになっていたのだ。
 だが、本当は、わたしは、ライモンドたちに迷宮都市で冒険者として活動を始めないかと誘われていて、そっちに行きたいと思っていた。
 わたしは、サリタニア王立魔法学園に入学してからも月に4、5回は、『グリンヒルデ』に帰ってラティマ先生にティンパロの指導を受けていた。
 ラティマ先生がいうには、わたしは、すでにこの世界のティンパロ奏者の中では1、2を争うほどの実力を持つようになっているのだそうだ。
 「あなたの存在を世界に知らしめるときが楽しみだわ」
 ラティマ先生は、わたしにそう話した。
 「きっと、あなたを知ったら世界は、まったく変わってしまうでしょうね」
 ラティマ先生がわたしと浮遊都市を訪れることを楽しみにされていることは、わかっているから、それを断ることはわたしには出来なかった。
 それに冒険者には、いつでもなれるけれど浮遊都市の祭りは、3年に一度しかない。
 わたしは、このことをレイナに話した。
 するとレイナは、目を煌めかせた。
 「浮遊都市に行くの?あたしも一緒に行きたい!」
 レイナは、勉強そっちのけで熱弁し始めた。
 「浮遊都市には、いくつも有名な魔道具師の工房があるのよ!」
 レイナいわく、浮遊都市タイタノスは、世界の最先端の魔道具がある魔道具師の聖地なのだそうだ。
 
  
 
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