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第4章 古代精霊魔法
4ー8 ジル
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4ー8 ジル
わたしは、レイナを促した。
「その精霊に名前をつければ契約は成立するわ」
「名前?」
レイナは、じっと自分の手の上のトカゲを見た。
「あなたの名前は、ジル。ジルよ」
「きゅいっ!」
レイナの手の上でトカゲがぽぅっと光に包まれる。
ぽんっと音がしてレイナのサラマンダーが変化した。
ふさふさの赤い羽毛に包まれた小さな恐竜みたいになったジルを見てレイナは、笑顔になる。
「かわいい!」
レイナは、ジルの頭に軽くキスをした。
「よろしくね、ジル」
「きゅきゅぅっ!」
こうしてレイナは、初級の精霊魔法使いになったわけだったが、それを呆然として見ていたライナスが訊ねた。
「なんで姉さんの手にトカゲが?」
うん。
レイナと契約を結んだことによってジルは、可視化されたのだ。
わたしは、ライナスに説明した。
「これは、わたしのマオと同じようなもので、この世界でいうところの従魔みたいなものなの」
「従魔だって?」
ライナスが驚きを露にしていた。
「レイナに?」
わたしは、頷くとレイナにいった。
「学園の事務局に従魔登録しといた方がいいわね」
それから、わたしたちは、サリタニア王立魔法学園の事務棟にある事務局へと向かった。
事務局には、若い女の事務員しかいなかった。
お姉さんにわたしたちは、レイナが従魔を得たことを報告した。
「従魔、ですか?」
お姉さんが信じられないというような顔をした。
「学園での従魔契約なんてここ数年なかったことなので。ちょっと待ってくださいね」
お姉さんがなにやらわぁわぁやっていたら、事務局の奥から強面のおじさんが現れた。
「何?」
「あ、事務局長。ちょうどよかった!」
お姉さんは、事務局長のおじさんにすがりつくように訴えた。
「こちらの生徒さんが従魔契約をされたとかで」
「従魔契約だと?」
おじさんがくわっと目を見開いた。
「そんな報告きいてないぞ!」
わたしたちは、もう一度おじさんに従魔契約をしたこと、その従魔を従えたいことを伝えた。
おじさんは、低く呻いていたがやがて思いきった様子で頷いた。
「まあ、生徒による勝手な従魔契約なんてきいたことないが、学園の規則には、禁じられてはいないからな。で?なんの魔物と契約したんだ?」
「サラマンダーです」
レイナが手のひらにちょん、とのっている小さな恐竜みたいなトカゲを見せるとおじさんがぎょっとした。
「なんだ?これは」
「だから、サラマンダーです」
「サラマンダー?」
おじさんは、困ったような顔をした。
「こんな魔物、見たことがないな。まあ、暴れるようなことがなければいいか。ちゃんと世話できるのか?」
おじさんに問われてレイナがこくんと頷いた。
精霊は、普通、契約者の魔力で養われるから食事は、心配しなくてもいい筈だし、契約者がきちんとコントロールできていれば別に暴れだしたりはしない。
わたしは、レイナを促した。
「その精霊に名前をつければ契約は成立するわ」
「名前?」
レイナは、じっと自分の手の上のトカゲを見た。
「あなたの名前は、ジル。ジルよ」
「きゅいっ!」
レイナの手の上でトカゲがぽぅっと光に包まれる。
ぽんっと音がしてレイナのサラマンダーが変化した。
ふさふさの赤い羽毛に包まれた小さな恐竜みたいになったジルを見てレイナは、笑顔になる。
「かわいい!」
レイナは、ジルの頭に軽くキスをした。
「よろしくね、ジル」
「きゅきゅぅっ!」
こうしてレイナは、初級の精霊魔法使いになったわけだったが、それを呆然として見ていたライナスが訊ねた。
「なんで姉さんの手にトカゲが?」
うん。
レイナと契約を結んだことによってジルは、可視化されたのだ。
わたしは、ライナスに説明した。
「これは、わたしのマオと同じようなもので、この世界でいうところの従魔みたいなものなの」
「従魔だって?」
ライナスが驚きを露にしていた。
「レイナに?」
わたしは、頷くとレイナにいった。
「学園の事務局に従魔登録しといた方がいいわね」
それから、わたしたちは、サリタニア王立魔法学園の事務棟にある事務局へと向かった。
事務局には、若い女の事務員しかいなかった。
お姉さんにわたしたちは、レイナが従魔を得たことを報告した。
「従魔、ですか?」
お姉さんが信じられないというような顔をした。
「学園での従魔契約なんてここ数年なかったことなので。ちょっと待ってくださいね」
お姉さんがなにやらわぁわぁやっていたら、事務局の奥から強面のおじさんが現れた。
「何?」
「あ、事務局長。ちょうどよかった!」
お姉さんは、事務局長のおじさんにすがりつくように訴えた。
「こちらの生徒さんが従魔契約をされたとかで」
「従魔契約だと?」
おじさんがくわっと目を見開いた。
「そんな報告きいてないぞ!」
わたしたちは、もう一度おじさんに従魔契約をしたこと、その従魔を従えたいことを伝えた。
おじさんは、低く呻いていたがやがて思いきった様子で頷いた。
「まあ、生徒による勝手な従魔契約なんてきいたことないが、学園の規則には、禁じられてはいないからな。で?なんの魔物と契約したんだ?」
「サラマンダーです」
レイナが手のひらにちょん、とのっている小さな恐竜みたいなトカゲを見せるとおじさんがぎょっとした。
「なんだ?これは」
「だから、サラマンダーです」
「サラマンダー?」
おじさんは、困ったような顔をした。
「こんな魔物、見たことがないな。まあ、暴れるようなことがなければいいか。ちゃんと世話できるのか?」
おじさんに問われてレイナがこくんと頷いた。
精霊は、普通、契約者の魔力で養われるから食事は、心配しなくてもいい筈だし、契約者がきちんとコントロールできていれば別に暴れだしたりはしない。
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