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第3章 ライバル宣言!
3ー6 入学
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3ー6 入学
ルイーズのせいでさんざんだったパーティから3日後、わたしは、カイラ・ルドクリフとしてサリタニア王立魔法学園に入学した。
サリタニア王立魔法学園は、メルロープ王国の全ての貴族の子女が15歳を迎えたら入学することになっている。
誰でも入学できるのだが卒業することは難しいらしくて、多くの貴族がサリタニア学園中退なのだという。
この学園には、騎士科と魔法科とがあり大抵の生徒は、魔法科を選ぶ。
だが、わたしは、騎士科を選んだ。
なぜならわたしは、聖女アニノマス様の騎士なのだから。
入学式のとき、入学生は、全員講堂に集まっていた。
みな、自分の選んだ科にわかれて整列するのだが、騎士科の女子は、わたし一人のようだった。
回りは、全員体格のいい少年ばかりでわたしは、かなり戸惑っていた。
みな、わたしを場違いなところにいるというように見下ろしていて、なんだか怖かった。
そのとき、背後から誰かが声をかけてくれた。
「みな、背の低いカイラを前列に並ぶように」
振り向くとそこには、金髪の美しい少年の姿があった。
「セツラウス様!」
セツラウス様は、わたしの腕をとりわたしを騎士科の最前列へとっ引っ張っていく。
「あ、あの!ちょっと!」
わたしは、セツラウス様に手をとられたまま歩いていった。
そのままわたしは、入学式の間、セツラウス様の横の騎士科の最前列ですごした。
なんだか周囲の視線が痛い。
わたしは、ちらっと隣のセツラウス様の横顔を見上げた。
うん。
やっぱり綺麗だ。
男とか女とかではなく、そういうことを超越した美しさ。
特注らしい制服もよく似合っているし、まさに王族という感じだ。
入学式が終わるとセツラウス様は、わたしに話しかけてきた。
「これから同じ騎士科の生徒になるんだな。よろしく頼む、カイラ・ルドクリフ」
わたしは、慌てて礼をとった。
「そ、そんな、こちらこそよろしくお願いいたします、セツラウス様」
「その名は、好きではない。セツと呼んでくれ、カイラ」
はいっ?
わたしは、笑顔がこわばるのを感じていた。
なんかすごくフレンドリー?
「セツラウス様!」
講堂の外へと向かうわたしたちを呼び止める声が聞こえた。
ルイーズのせいでさんざんだったパーティから3日後、わたしは、カイラ・ルドクリフとしてサリタニア王立魔法学園に入学した。
サリタニア王立魔法学園は、メルロープ王国の全ての貴族の子女が15歳を迎えたら入学することになっている。
誰でも入学できるのだが卒業することは難しいらしくて、多くの貴族がサリタニア学園中退なのだという。
この学園には、騎士科と魔法科とがあり大抵の生徒は、魔法科を選ぶ。
だが、わたしは、騎士科を選んだ。
なぜならわたしは、聖女アニノマス様の騎士なのだから。
入学式のとき、入学生は、全員講堂に集まっていた。
みな、自分の選んだ科にわかれて整列するのだが、騎士科の女子は、わたし一人のようだった。
回りは、全員体格のいい少年ばかりでわたしは、かなり戸惑っていた。
みな、わたしを場違いなところにいるというように見下ろしていて、なんだか怖かった。
そのとき、背後から誰かが声をかけてくれた。
「みな、背の低いカイラを前列に並ぶように」
振り向くとそこには、金髪の美しい少年の姿があった。
「セツラウス様!」
セツラウス様は、わたしの腕をとりわたしを騎士科の最前列へとっ引っ張っていく。
「あ、あの!ちょっと!」
わたしは、セツラウス様に手をとられたまま歩いていった。
そのままわたしは、入学式の間、セツラウス様の横の騎士科の最前列ですごした。
なんだか周囲の視線が痛い。
わたしは、ちらっと隣のセツラウス様の横顔を見上げた。
うん。
やっぱり綺麗だ。
男とか女とかではなく、そういうことを超越した美しさ。
特注らしい制服もよく似合っているし、まさに王族という感じだ。
入学式が終わるとセツラウス様は、わたしに話しかけてきた。
「これから同じ騎士科の生徒になるんだな。よろしく頼む、カイラ・ルドクリフ」
わたしは、慌てて礼をとった。
「そ、そんな、こちらこそよろしくお願いいたします、セツラウス様」
「その名は、好きではない。セツと呼んでくれ、カイラ」
はいっ?
わたしは、笑顔がこわばるのを感じていた。
なんかすごくフレンドリー?
「セツラウス様!」
講堂の外へと向かうわたしたちを呼び止める声が聞こえた。
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