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第3章 ライバル宣言!

3ー3 少年

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 3ー3 少年

 そうだ。
 確か、ルイーズも貴族の家に貰われていったんだった。
 つまり、ルイーズもサリタニア王立魔法学園の新入生なのだ。
 わたしは、嫌な感じがして少しだけ表情を‘歪めていた。
 ルイーズは、そんなわたしの様子を見て勝手に悦にいるとわたしの腕を掴んでわたしを引き倒した。
 わたしは、地面の上に盛大に転んでしまった。
 「カイラ!」
 マオがすぐにわたしとルイーズの間に飛び出すと巨大化してルイーズを睨んで唸り声をあげた。
 「マオ!」
 わたしは、マオを押し止めた。
 ここで騒ぎを大きくしてはアルタス様たちに迷惑がかかってしまう。
 わたしは、地面に打ち付けた膝頭をドレスの上からそっと撫でた。
 ずきずきする。
 どうやら少し擦りむいてしまったようだ。
 わたしたちのことを回りの人々は、少し離れたところで眺めてこそこそと話している。
 とにかくいつまでも地面に座り込んでいる場合ではない。
 わたしは、なんとかして立ち上がろうとした。
 「大丈夫?」
 不意にわたしの目の前に金髪に美しい緑の瞳をした顔立ちの整った、というかずごくきれいな少年が飛び込んできた。
 少年は、わたしの方に手を伸ばすとわたしのことを抱き上げた。
 はいぃっ?
 わたしは、急に抱き上げられて思わずじたばたと暴れてしまった。
 「大丈夫ですから!下ろしてください!」
 「じっとしてて」
 少年がわたしの耳元でそっと囁いた。
 「じゃないと君のことを下に落としてしまう」
 それは、嫌かも。
 わたしは、大人しく少年に抱かれて運ばれることにした。
 少年は、わたしを抱いて会場からそっと離れたところにあるベンチに座らせた。
 なんだかぼぅっとしてしまっているわたしに少年がきいた。
 「どこにもケガをしてない?」
 「膝頭が」
 わたしがいうと少年がそっとドレスの裾をめくってわたしの足を覗き見た。
 「きれいな足だ。ケガなんかして跡でも残ったら大変だ」
 「ふぁっ!」
 そんなところに触れられて思わず変な声が出てしまった。
 少年は、かまうことなくわたしの膝頭に治癒の魔法をかけた。
 暖かな光に癒されてずきずきする痛みが引いていく。
 
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