198 / 217
17 ダンジョンと奴隷と支配者の関係
17-8 村娘の婿ですと?
しおりを挟む
17ー8 村娘たちの婿ですと?
「実は、我々は、古よりこの地に住まっていた古いエルフの一族なのですが、ずっと、ここに閉じ込められてからというもの、あの変態・・でなくて、領主であるクロイツ様に手を焼いていたのでございます」
俺たちは、村長のイワノフさんの家に招かれてもてなされていた。
エルフというからか、肉類は提供されてはいなかったが、心ばかりなのであろう料理の数々がテーブルに並べられていた。
俺たちは、イワノフさんに進められるままにそれらを口にした。
うん。
俺は、口をモグモグしながら、回りを見た。
彼らは、どうやら昔、この辺に住んでいたエルフの子孫らしかった。
次から次に現れて皿をテーブルに置いていく娘たちは、みな、美しくて艶やかに着飾っていた。
「クロイツ様は、我々に年頃の美しい少年たちを差し出すようにと命じられて」
イワノフが溜め息をついた。
「エルフはもともと長命で、繁殖能力の劣る部族でございますから、数少ない少年たちを奪われて村には、もう娘たちしか残されてはおらんのです」
マジですか?
俺は、壁際にずらりと並んでいるエルフの村娘たちをちらっを見つめた。
少女たちは、心なしか浮き足だった様子で俺たちを見て、何か、耳元で囁きあっては、くすくすという笑いを漏らしていた。
すごくかわいいし、きれいだし。
何も、問題ないはずだったけど、なぜか、俺は、胸騒ぎがしていた。
「これで、やっと、この子たちにも夫を与えてやれるというものです」
はい?
俺は、なんのことやらわからなかった。
「夫?」
「はい」
イワノフさんが満面の笑みを浮かべた。
「この日が来るのを千年近く待っておりましたが、そのかいがあったというものです。この様な立派な青年たちが集い、現れてくれたのですから」
はい?
俺は、何か違和感を感じてイワノフさんに訊ねた。
「俺たちを歓迎してくれるのはうれしいけど、そういうのは、領主に拐われた村の少年たちに任せたいんだけど。彼らも戻ってくるんだろう?」
俺の問いに、イワノフさんは、頭を振った。
「いえ、あの者たちのことは、すでに我々は、諦めております。おそらく、彼らももう、村には戻って参りますまい」
「なんで?」
俺がなおも訊ねると、イワノフさんが寂しげに笑った。
「領主様のもとへと行った者たちは、すでに領主様によって精神の奥深くから汚染されておりますから。もとの村の生活には戻れますまい」
ええっ?
俺は、無言でクロたちの方を見つめた。
「実は、我々は、古よりこの地に住まっていた古いエルフの一族なのですが、ずっと、ここに閉じ込められてからというもの、あの変態・・でなくて、領主であるクロイツ様に手を焼いていたのでございます」
俺たちは、村長のイワノフさんの家に招かれてもてなされていた。
エルフというからか、肉類は提供されてはいなかったが、心ばかりなのであろう料理の数々がテーブルに並べられていた。
俺たちは、イワノフさんに進められるままにそれらを口にした。
うん。
俺は、口をモグモグしながら、回りを見た。
彼らは、どうやら昔、この辺に住んでいたエルフの子孫らしかった。
次から次に現れて皿をテーブルに置いていく娘たちは、みな、美しくて艶やかに着飾っていた。
「クロイツ様は、我々に年頃の美しい少年たちを差し出すようにと命じられて」
イワノフが溜め息をついた。
「エルフはもともと長命で、繁殖能力の劣る部族でございますから、数少ない少年たちを奪われて村には、もう娘たちしか残されてはおらんのです」
マジですか?
俺は、壁際にずらりと並んでいるエルフの村娘たちをちらっを見つめた。
少女たちは、心なしか浮き足だった様子で俺たちを見て、何か、耳元で囁きあっては、くすくすという笑いを漏らしていた。
すごくかわいいし、きれいだし。
何も、問題ないはずだったけど、なぜか、俺は、胸騒ぎがしていた。
「これで、やっと、この子たちにも夫を与えてやれるというものです」
はい?
俺は、なんのことやらわからなかった。
「夫?」
「はい」
イワノフさんが満面の笑みを浮かべた。
「この日が来るのを千年近く待っておりましたが、そのかいがあったというものです。この様な立派な青年たちが集い、現れてくれたのですから」
はい?
俺は、何か違和感を感じてイワノフさんに訊ねた。
「俺たちを歓迎してくれるのはうれしいけど、そういうのは、領主に拐われた村の少年たちに任せたいんだけど。彼らも戻ってくるんだろう?」
俺の問いに、イワノフさんは、頭を振った。
「いえ、あの者たちのことは、すでに我々は、諦めております。おそらく、彼らももう、村には戻って参りますまい」
「なんで?」
俺がなおも訊ねると、イワノフさんが寂しげに笑った。
「領主様のもとへと行った者たちは、すでに領主様によって精神の奥深くから汚染されておりますから。もとの村の生活には戻れますまい」
ええっ?
俺は、無言でクロたちの方を見つめた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
40
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる