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16 冒険者生活始めました。
16-7 暗黒丸
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16ー7 暗黒丸
それからの彼らの活躍は、刮目するに値するものだった。
突っ込んでくるイービルボアの群れを次から次へと仕留めていく。
アル兄は、途中で解体することを諦めた。
「こんなのとても追い付かない」
アル兄は、倒したイービルボアをどんどんストレージの中へと収納していった。
俺たちは、群れを狩り尽くすとこのエリアの中心らしき場所へとたどり着いた。
大きな扉がある。
「たぶん、ボスがいる筈だ」
アル兄が俺たちを見た。
「みんな、心の準備はいいか?」
俺たちは、頷いた。
アル兄が扉を開いた。
中には。
1人の少年が立っていた。
「よくきたな、若き勇者たちよ」
「いや、俺たち、勇者とかじゃねぇし」
俺は、代表してきいた。
「あんたが、ここの責任者?」
「ああ?」
少年が頷いた。
「僕がこのフロアの主だ」
マジですか?
俺たちは、少年を凝視した。
少年は、青っぽい銀髪に青い瞳の水の妖精といった感じの儚げな外見をしていた。
服装も普通の村人風。
ただ、異常に美形だった。
「お前を倒せばいいわけか?」
アレイアスが訊ねると、少年は、くすっと笑った。
「僕じゃない。倒すのは、暗黒丸だ」
「暗黒丸?」
「真っ黒い、巨大な、イービルボアの王だ」
少年は、答えた。
「僕を手に入れたければ、暗黒丸を倒すことだな」
「うん?」
クロが小首を傾げた。
「よくわからんが、ときかく、ボスを倒せばいいんだな?」
ラクアスが少年に近づいていくとその腕をとった。
「こっちへ!そこは危険だ」
「あっ!」
少年がラクアスに引っ張られてよろめいた。
「だめっ!」
少年が台座から片足を下ろした時、部屋の奥の壁が崩れ落ち奥から巨大な黒い影がゆっくりと現れた。
「ヨクきたナ、勇者ヨ」
キングイービルボア 暗黒丸が片言で話した。
「ダが、ここマデだ。これヨリ先にハ進ませ」
アレイアスが暗黒丸の額にいきなり短剣をぶっ刺した。
「ギィヤアァアァ!」
暗黒丸が断末魔の悲鳴をあげて、その場に倒れた。
「暗黒丸!」
少年が巨大な猪に駆け寄った。
「しっかりして、暗黒丸!」
「す・・マヌ・・トト。油断・・シタ」
「暗黒丸!!」
事切れた暗黒丸をアル兄がてきぱきとストレージへ取り込む。
「暗黒丸!」
「はい、もう諦めてくださいね、トトくん」
アル兄が落胆しているトトに話しかけた。
「君は、何者なの?」
「僕・・僕は・・」
トトは、口ごもった。
それからの彼らの活躍は、刮目するに値するものだった。
突っ込んでくるイービルボアの群れを次から次へと仕留めていく。
アル兄は、途中で解体することを諦めた。
「こんなのとても追い付かない」
アル兄は、倒したイービルボアをどんどんストレージの中へと収納していった。
俺たちは、群れを狩り尽くすとこのエリアの中心らしき場所へとたどり着いた。
大きな扉がある。
「たぶん、ボスがいる筈だ」
アル兄が俺たちを見た。
「みんな、心の準備はいいか?」
俺たちは、頷いた。
アル兄が扉を開いた。
中には。
1人の少年が立っていた。
「よくきたな、若き勇者たちよ」
「いや、俺たち、勇者とかじゃねぇし」
俺は、代表してきいた。
「あんたが、ここの責任者?」
「ああ?」
少年が頷いた。
「僕がこのフロアの主だ」
マジですか?
俺たちは、少年を凝視した。
少年は、青っぽい銀髪に青い瞳の水の妖精といった感じの儚げな外見をしていた。
服装も普通の村人風。
ただ、異常に美形だった。
「お前を倒せばいいわけか?」
アレイアスが訊ねると、少年は、くすっと笑った。
「僕じゃない。倒すのは、暗黒丸だ」
「暗黒丸?」
「真っ黒い、巨大な、イービルボアの王だ」
少年は、答えた。
「僕を手に入れたければ、暗黒丸を倒すことだな」
「うん?」
クロが小首を傾げた。
「よくわからんが、ときかく、ボスを倒せばいいんだな?」
ラクアスが少年に近づいていくとその腕をとった。
「こっちへ!そこは危険だ」
「あっ!」
少年がラクアスに引っ張られてよろめいた。
「だめっ!」
少年が台座から片足を下ろした時、部屋の奥の壁が崩れ落ち奥から巨大な黒い影がゆっくりと現れた。
「ヨクきたナ、勇者ヨ」
キングイービルボア 暗黒丸が片言で話した。
「ダが、ここマデだ。これヨリ先にハ進ませ」
アレイアスが暗黒丸の額にいきなり短剣をぶっ刺した。
「ギィヤアァアァ!」
暗黒丸が断末魔の悲鳴をあげて、その場に倒れた。
「暗黒丸!」
少年が巨大な猪に駆け寄った。
「しっかりして、暗黒丸!」
「す・・マヌ・・トト。油断・・シタ」
「暗黒丸!!」
事切れた暗黒丸をアル兄がてきぱきとストレージへ取り込む。
「暗黒丸!」
「はい、もう諦めてくださいね、トトくん」
アル兄が落胆しているトトに話しかけた。
「君は、何者なの?」
「僕・・僕は・・」
トトは、口ごもった。
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