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15 どきどきサバイバルですか?

15-8 廃墟の夢

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                    15ー8   廃墟の夢

   俺は、夢を見ていた。
   どこだか知らない廃墟に、俺は、いた。
   白い崩れた建物が透明な美しい水の中に沈んでいる。
    わずかに水面に頭を出しているその遺跡の上に俺は、たたずんでいた。
    「ここは?」
     「これは、まだ見ぬ世界」
      ラニが俺の背後から答えた。
     「いつか来る未来の光景、だよ、メリッサ」
     いつか来る未来?
     俺は、前を見たままでラニに訊ねた。
    「世界は、滅ぶのか?」
     「いつかは、ね。いつかは、滅ぶだろうな」
    ラニは、答えた。
    「君が、正しい行動をとれなければ」
      「俺が?」
      「そう、君が間違えれば」
       ラニは、俺の手をとり俺を立ち上がらせる。
     俺たちは、水面に顔を出している白い神殿だったものの上を歩いていった。
    水面に波紋が広がっていく。
    俺たちの姿が歪んで消えていくのを、俺は、見つめた。
    ラニが、急に、俺にきいた。
    「楽しんでいる?」
      「何を?」
     「人生を」
      ラニに問われて、俺は、口許に笑みを浮かべた。
    「ああ、楽しんでいるよ」
     「そう」
     ラニは、特に喜ばしいという風でもなく、かといって不満げでもないという表情を浮かべていた。
     「ああ。けど、もうすぐ始まるよ」
      「何が?」
      俺は、ラニの美しい横顔を見つめていた。
    「何が、始まるの?」
     「天魔王たちとの戦いが」
     はい?
    俺は、ハトマメでラニの方を見ていた。
   「天魔王たちとの戦い?」
     「そう」
     ラニが頷いた。
     「君は、イヌをルーラに会わせてはいけない。もしも、君がイヌのことを守りたいのならば」
    「なんでさ?」
     俺が問うと、ラニの手が俺の手を離れて、ラニが遠ざかっていくのが感じられた。
   「ラニ?」
     俺は、遠ざかっていくラニに手を伸ばした。
    だけど。
   ラニの声は、遠く。
  遠くへ消えていく。
   「いいかい?メリッサ。イヌをルーラに会わせちゃいけないよ。さもないと」
    さもないと?
   俺は、ラニに向かって手を伸ばす。
   「ラニ?ラニ!」
    世界が。
    闇の中へと閉じられていくのを、俺は、感じた。
    この先は、俺が覗くことの許されない世界。
    俺は、現実の世界へと呼び戻されるのがわかった。
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