162 / 217
14 デビュタントと5人の男たち(2)
14-8 見られちゃいました?
しおりを挟む
14ー8 見られちゃいました?
俺は、衝立の奥でドレスを脱ぐと湯気のたつ湯船へと体を沈めていった。
ほわぁ。
俺は、お湯の暖かさで体の強ばりが緩められていくのを感じていた。
お湯は、すぐに冷めていくので、俺は、魔法でお湯を温めながら体を解していった。
「で?そいつは君の知り合いだったのか?」
ラクアスに聞かれて、俺は、無言で顎まで湯に沈み込んだ。
しばらくたってから、俺は、答えた。
「シュナイツは、俺の昔の婚約者、だ」
「婚約者?」
俺は、2人に俺とシュナイツの間にあったことをかい摘まんで話した。
すると、2人は、静かに低く笑い始めた。
「私の未来の花嫁を傷物にして捨てるとは、許しがたいな」
「いや、別に傷物にはなってないし!」
俺は、ラクアスの言葉に突っ込んだ。
アレイアスもすごく怖い唸るような声を出した。
「私の未来の妃に傷をつけて、ただですむとは思ってないだろうな」
「だから!」
俺は、苦笑した。
「傷は、つけられてないからね!」
なにやら不穏な雰囲気の2人に、俺は、呼び掛けた。
「ちょっと、2人とも!」
俺は、風呂に入ったまま衝立越しに2人に話した。
「もう、シュナイツのことなんてなんとも思ってないから、ね。それより、奴の企みのことだ。シュナイツは、単純なバカだけど、悪い奴じゃない。誰か、黒幕がいる筈だ。それを探らないと」
「ああ?」
アレイアスが怒りのこもった声を発した。
「もちろんだとも。そいつをぶちのめして、それから、全部丸っと吐かせてやる!」
「はい?」
俺は、2人を止めようとした。
「ちょ、ちょっと待って!2人とも!」
だが、2人は、俺が止める間もなく部屋から出ていってしまった。
「マジかよ?」
俺は、急いで風呂から出ると体を拭きドレスを身にまとった。
そこへ、誰かが入ってきた。俺は、メイドさんだと思ってドレスの後ろのリボンを結ぶのを手伝ってもらおうと頼んだ。
「ちょっと、手伝ってくれる?」
「いいけど」
はい?
それは、メイドさんではなかった。
アル兄が呆れた様子で俺の半裸の後ろ姿を見つめていた。
マジですか?
俺は、衝立の奥でドレスを脱ぐと湯気のたつ湯船へと体を沈めていった。
ほわぁ。
俺は、お湯の暖かさで体の強ばりが緩められていくのを感じていた。
お湯は、すぐに冷めていくので、俺は、魔法でお湯を温めながら体を解していった。
「で?そいつは君の知り合いだったのか?」
ラクアスに聞かれて、俺は、無言で顎まで湯に沈み込んだ。
しばらくたってから、俺は、答えた。
「シュナイツは、俺の昔の婚約者、だ」
「婚約者?」
俺は、2人に俺とシュナイツの間にあったことをかい摘まんで話した。
すると、2人は、静かに低く笑い始めた。
「私の未来の花嫁を傷物にして捨てるとは、許しがたいな」
「いや、別に傷物にはなってないし!」
俺は、ラクアスの言葉に突っ込んだ。
アレイアスもすごく怖い唸るような声を出した。
「私の未来の妃に傷をつけて、ただですむとは思ってないだろうな」
「だから!」
俺は、苦笑した。
「傷は、つけられてないからね!」
なにやら不穏な雰囲気の2人に、俺は、呼び掛けた。
「ちょっと、2人とも!」
俺は、風呂に入ったまま衝立越しに2人に話した。
「もう、シュナイツのことなんてなんとも思ってないから、ね。それより、奴の企みのことだ。シュナイツは、単純なバカだけど、悪い奴じゃない。誰か、黒幕がいる筈だ。それを探らないと」
「ああ?」
アレイアスが怒りのこもった声を発した。
「もちろんだとも。そいつをぶちのめして、それから、全部丸っと吐かせてやる!」
「はい?」
俺は、2人を止めようとした。
「ちょ、ちょっと待って!2人とも!」
だが、2人は、俺が止める間もなく部屋から出ていってしまった。
「マジかよ?」
俺は、急いで風呂から出ると体を拭きドレスを身にまとった。
そこへ、誰かが入ってきた。俺は、メイドさんだと思ってドレスの後ろのリボンを結ぶのを手伝ってもらおうと頼んだ。
「ちょっと、手伝ってくれる?」
「いいけど」
はい?
それは、メイドさんではなかった。
アル兄が呆れた様子で俺の半裸の後ろ姿を見つめていた。
マジですか?
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる