133 / 217
12 学園祭の花は誰だ?(2)
12-5 天空の剣
しおりを挟む
12ー5 天空の剣
陣営に戻ると、クリスがなぜか頬を赤らめている。
「すごい!ネイジア様、ステキですぅ!」
はい?
今まで俺になんて目もくれなかったのに?
クリスは、俺にタオルを差し出した。
「どうぞ、ネイジア様」
「どうも」
でも、俺、汗なんてかいてないしな。
すぐに中堅戦が始まった。
『特別クラス』の中堅は、グレイ。
確か、光の魔法を使う奴だ。
試合が開始されると、すぐにグレイは、口の中でぶつぶつと詠唱を始める。
俺は、詠唱しているグレイを狙い撃ちにしようとした。
「卑怯だぞ!ガーランド!」
プジョンの声がきこえたがかまわず、俺は、数百の氷のつぶてをグレイに向けて発射した。
いや、すべて、狙いは外してるんだがな。
威嚇だよ、威嚇。
だが、グレイは、詠唱を続ける。
見抜かれてる?
グレイが俺を見上げて手を振り上げて叫んだ。
「狙い射て!光の銃よ!光弾銃砲!」
光の砲弾が俺を狙い射つ。
とっさに俺は、障壁を展開しそれを防いだ。
振動が空気を揺らす。
「今度は、俺の番だな」
俺は、衝撃波を放った。
「ぅわっ!」
グレイの体が吹っ飛ぶ。
闘技場の壁に激突したグレイは、崩れ落ちて気を失った。
「勝者、ガーランド!」
どっ、と歓声があがる。
次の副将は、ライザだ。
「よろしくお願いします、ネイジア」
「メリッサと呼んでくれ」
俺は、にっこり笑った。
「みんな、そう呼ぶんだ」
「じゃあ、メリッサ」
ライザがにぃっと笑った。
「行きます」
突然、氷の剣を振り上げて俺に襲いかかった。
俺は、避けながらライザに言った。
「剣技もなかなかじゃないか!」
「ありがとう」
ライザが微笑んだ。
逃げ回ってばかりの俺にプジョンが叫んだ。
「勝負しろ!ガーランド!」
「俺が」
俺は、飛びずさった。
「ただ逃げてたと思うのか?」
「あれは!」
観客が天を指差して叫んだ。
「なんだ?」
闘技場の上空に巨大な剣が現れた。
俺は、ライザににっと笑った。
「どうする?ライザ」
「どうするもこうするも」
ライザが溜め息をついて両手を下ろした。
「降参します」
「勝者、ガーランド!」
陣営に戻ると、クリスがなぜか頬を赤らめている。
「すごい!ネイジア様、ステキですぅ!」
はい?
今まで俺になんて目もくれなかったのに?
クリスは、俺にタオルを差し出した。
「どうぞ、ネイジア様」
「どうも」
でも、俺、汗なんてかいてないしな。
すぐに中堅戦が始まった。
『特別クラス』の中堅は、グレイ。
確か、光の魔法を使う奴だ。
試合が開始されると、すぐにグレイは、口の中でぶつぶつと詠唱を始める。
俺は、詠唱しているグレイを狙い撃ちにしようとした。
「卑怯だぞ!ガーランド!」
プジョンの声がきこえたがかまわず、俺は、数百の氷のつぶてをグレイに向けて発射した。
いや、すべて、狙いは外してるんだがな。
威嚇だよ、威嚇。
だが、グレイは、詠唱を続ける。
見抜かれてる?
グレイが俺を見上げて手を振り上げて叫んだ。
「狙い射て!光の銃よ!光弾銃砲!」
光の砲弾が俺を狙い射つ。
とっさに俺は、障壁を展開しそれを防いだ。
振動が空気を揺らす。
「今度は、俺の番だな」
俺は、衝撃波を放った。
「ぅわっ!」
グレイの体が吹っ飛ぶ。
闘技場の壁に激突したグレイは、崩れ落ちて気を失った。
「勝者、ガーランド!」
どっ、と歓声があがる。
次の副将は、ライザだ。
「よろしくお願いします、ネイジア」
「メリッサと呼んでくれ」
俺は、にっこり笑った。
「みんな、そう呼ぶんだ」
「じゃあ、メリッサ」
ライザがにぃっと笑った。
「行きます」
突然、氷の剣を振り上げて俺に襲いかかった。
俺は、避けながらライザに言った。
「剣技もなかなかじゃないか!」
「ありがとう」
ライザが微笑んだ。
逃げ回ってばかりの俺にプジョンが叫んだ。
「勝負しろ!ガーランド!」
「俺が」
俺は、飛びずさった。
「ただ逃げてたと思うのか?」
「あれは!」
観客が天を指差して叫んだ。
「なんだ?」
闘技場の上空に巨大な剣が現れた。
俺は、ライザににっと笑った。
「どうする?ライザ」
「どうするもこうするも」
ライザが溜め息をついて両手を下ろした。
「降参します」
「勝者、ガーランド!」
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
慟哭の時
レクフル
ファンタジー
物心ついた時から、母と二人で旅をしていた。
各地を周り、何処に行くでもなく旅をする。
気づいたらそうだったし、何の疑問も持たなくて、ただ私は母と旅を続けていた。
しかし、母には旅をする理由があった。
そんな日々が続いたある日、母がいなくなった。
私は一人になったのだ。
誰にも触れられず、人と関わる事を避けて生きていた私が急に一人になって、どう生きていけばいいのか……
それから母を探す旅を始める。
誰にも求められず、触れられず、忘れ去られていき、それでも生きていく理由等あるのだろうか……?
私にあるのは異常な力だけ。
普通でいられるのなら、こんな力等無くていいのだ。
だから旅をする。
私を必要としてくれる存在であった母を探すために。
私を愛してくれる人を探すために……
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生したけど、前世の記憶いる?
護茶丸夫
ファンタジー
ファンタジーな世界に転生したぜ、やっほう?
お約束な神様にも会えず、チートもなく。文明レベルははテンプレより上ですか。
ゲームか何かの世界ですか?特に記憶に無いので、どうしたらいいんでしょうね?
とりあえず家族は優しいので、のんびり暮らすことにします。
追記:投稿仕様は手探りで試しております。手際が悪くても「やれやれこれだから初心者は」と、流していただけると幸いです。
追記2:完結まで予約投稿終了しました。全12話 幼少期のみの物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる